2018.3.14⇨2020.4.26更新
前回
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
砂の惑星
Aメロ(アルバム収録タイム 0:29-)
Gm Cm Dm |Gm Cm Dm |F |Gm E♭ F |×4
Bメロ
Gm|Gm |Fm |Fm |
B♭m |B♭m |Am(Adim?)|D7 |
Bメロはこれまでにないマイナーコードの連鎖!
異世界的、不条理的な感じが出てます。
最後のAmのところはコードが判明せずAdim7的にも感じました。各位で確認を。
ときおりこうした「判別できないコード」はあります。そもそも全部記号で書けるはずはないんです。
またレコーディングの偶然によって生まれた音や、ミスをしたことが全員のクオリアと一致して採用される場合もあります。
この真新しい進行感に、地球でないどこかの砂の惑星の物語を確かに感じます。
Bye bye boy
サビ始まりともいえる、Am7→FM7がとても切なさを倍増させています。
これはIm7→VIbM7ですから、切ない代表みたいなコード進行。
GET AWAY
Aメロ(アルバム収録タイム 0:28-)
E♭m |A♭m |D♭ |G♭ |
Gdim7 |B |F7 |B♭7 |×2
Bメロ
A♭m |A♭m/G |A♭m/G♭ A♭m/F |
B♭ B♭/A♭|Gm7 A♭ B♭
サビ
E♭ |B♭/D |A♭/C |A♭ B♭/A♭ |
E♭ |B♭/D |A♭/C |A♭ B♭/A♭ |〜Aメロ
Cメロ(2:29-)
Cm7 |F7 |Cm7 |F7 |E♭7 |E♭7 |A♭sus4 A♭ B♭7sus4 B♭ |
Cメロで新しいサウンドが響いてます。
このCm-F7はドリアンのI-IV進行ですが、続くE♭への進行が、少しブルージー。
ブルージーにしたくてこの和音を探しあてたのか、弾きながら演奏している時、この和音の感じに音楽的脈絡を感じたからなのか分かりません。
ブルースの持つ独自の色合いだけ「ブルース」から独立して持ってきたみたいな感じ。
Hello, my friend
叱っておくれよ系の歌詞がここにも登場しています。
"僕が生き急ぐ時には そっとたしなめておくれよ"
これらの表現については、レポート他ページ、または参考文献の引用でも触れます。
Aメロ(アルバム収録タイム 0:14-)
E E/D# |C#m C#m/B |AM7 G#7 |C#sus4 C#m |
AM7 E/G# |F# F#/E |F#/D# F#/C# |Bsus4 B |×2
サビ
F#m F#m/B |C#m C#m/B |F#m F#m/B |C#m C#m/B |
F#m F#m/B |D#m7 G#7 C#m |F#m7 F#m/B |Esus4 E |
Cメロ
FM7 |FM7 |Em7 |Em7 |
FM7 |FM7 |Esus4 |Esus4 |〜
ベースラインが下降していくというコンセプトが、とうとうと伝えるメッセージになっているような音楽的脈絡を感じます。
サビでも分数コードが巧みに使われていますが、基本はF#-C#を行き来しているだけ。同じ進行で異なるメロディを乗せる、と言う発想と、異なるメロディに同じコードを乗せる発想がここにあるといえます。
またサビの進行を、
F#m7 G#7 | C#m |F#m7 G#7 | C#m |
とした場合、フォークソング的なサウンドになってしまいます。
ユーミンのパステルカラーのサウンドは、F#m7/Bとして確立されているのがわかります。
"もう二度と会えなくても 友達と呼ばせて"
で現れるD#m7はVIIm7、II-Vを組みVImに流れる変化感も絶妙!
この部分で印象的なのは、背景のラインにあるc#-c-bというライン。
このラインがコード進行のダイナミックな流れの中で繊細で切ない流れになってます。
「悲しくて 悲しくて 帰り道探した」
という歌詞は特に不思議な響き!!文章として成り立っていないけど、これほど理解できるのは音楽的なクオリアのおかげです。ユーミンが嫌い、という人は、こういう文章が感性で理解できないからでしょう。
Cメロではリリースされ、飛び立つようなII♭M7。
ユーミンのコード感が、ベースラインの下降というテクニックと融合し、集大成となった作品です。
RIVER
Aメロ(アルバム収録タイム 0:21-)
Fm7 |E♭ |D♭ |E♭ Edim7 |
Fm7 |E♭ |D♭ |E♭ E♭/B♭ |
Bメロ
C#M7 C#M7/C |B♭m7 B♭m7/A♭ |
E♭/G E♭m/G♭ |Fm7 Fm7/E♭ |
D♭M7 |Cm7 Fm7 |B♭m7 |C7 |
このアルバムはベースラインの活用が目立っているように思えました。
この曲でもコードに対するベースラインの動きが印象的。
調はFmで展開し、コードもシンプルであるが、ベースラインが変化していることで新しさが出てます。
同アルバムのベースラインに着目して「シンプルなコード進行で、ベースラインに着目してみる」という視点を取り入れてみると作曲もワンランク上がりそう。
春よ、来い
エオリアンの特性進行( V-VIb-Im )です。
F#6 G# |A#m |
ここではVIbM7がVI6になってます。
これには理由があります。
F#6の6thはd#音です。このd#音はG#の5度音です。つまり、
F#6 G# |A#m(11) |
とかとなると、ずっとトップノートでd#音を保持できます。
ではなんでF#に6を乗っけるのでしょう。
演奏上の流れもありますが、日本人的な感覚で言うと「残り香」と表現すれば良いでしょうか。余韻、とか、夢の跡、です。
そういうのに、侘び寂び、興しみ、を感じます。
この曲では、Aメロ後半で
F# G# |A#m A#m/G# F#sus4 F# |
というsus4がまた効果的に使われています。
これもやはり「残り香」効果を持っていると思うのです。
そしてBメロで
F#6 G#/F# |F#M7 ~
というように、ベース音を保持して、同じように淡い色合いのグラデーションを作っていると思います。
歌詞を書いたあとで、このコードアレンジがあったのか、コードアレンジがあって、そこに歌詞を乗せたのか、想像できませんが、参考にできそうなスタイルだと思います。
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