音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

トニックをサブドミナント化する;JULY~ユーミン歌詞・コード考53★★★

ユーミンの不定調性コード進行研究

ユーミン歌詞・コード考 / アルバム「U-miz」1

歌詞については掲載しておりませんので

www.uta-net.com

こちら等にて確認ください。

 

   

自由への翼

 

P.メセニーの「last train home」のサウンドですね。

 

HOZHO GOH
 

この1、2曲目を聴くだけで、このアルバムが持つ雰囲気を理解できます。

 

真夏の夜の夢

Aメロ
Cm--Ab--Bb--Eb--Ab--Eb--F#dim7--Gsus4--G

I--VIb--VIIb
は、エオリアンの特性的進行。

個人的には、遠い過去を遠目で振り返って・・・みたいな感じを受けます(今日のところは-明日は変わるでしょう)。

Cm--AbM7--F7
で「でもあれは、今はいい想い出」みたいになって、
Cm--AbM7--F7--Em7(b5)--
で、今の想いを語ろうとしたり。

流れた空気感が何を言わんとしているのかを自分なりに把握する。いつも書いていることですね。たとえそれが最終的に、
Cm--AbM7--Bb
になっても
『やっぱ、どう頑張っても、この気持ちにはこの流れだなぁ』
となれば、それを使うわけです。

キーやダイアトニック、という範囲を潜在的に決めてしまうと、それに束縛されていつもの進行しかできません。 

 

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11月のエイプリルフール

これまた軽やかなビートに乗せている不思議。

 

Angel Cryin' X'mas
 

(ユーミンレポートより)
サビはじまり(アルバム収録タイム 0:13-)
E |D/E |E |D/E |
E |D/E |A7 |A7 |×2
Aメロ
A |A |A |A |
D |D G |A | A |×2
Bメロ
C#m |C#m |F#m |F#m |
G |F#m |E |E |
C#m |C#m |F#m |F#m |
G |F#m |F |E |E |~Aメロ


聴き流すと、普通のロックンロールのようだが、コードは上記のように動いている。

 

 

JULY
(ユーミンレポートより)
Aメロ(アルバム収録タイム 0:52-)
C |B♭ |F/A |B♭ |
C |B♭ |F/A |

Bメロ
Cm |Cm |B♭ |A♭ |
Cm |Cm |B♭ |C |
サビ
F C/E Dm C |F C/E Dm C |Cm |B♭|


ここでの転調構造も、転調そのものが一つの和音進行になっている。特にCmとCの使い方が象徴的である。

 

B♭やA♭はCマイナーキーを象徴し、F、DmというコードはCメジャーキーを象徴させてはいるが、サビの展開はFが動機の中心のようになっているとも解釈できるだろう。

このFは決してCメジャーキーのIVではなく、それそのものが何ものにも属していない和音であるように感じられる。そしてそれを象徴するように、Cは簡単にCmに変化する。

 

この曲は主和音がメジャーコード、マイナーコードと変化する自由さを用いて、それがサブドミナントの印象であるかのように固定されず展開していく手法の可能性をこの曲は示しているのだ。

 

 

U‐miz