またご紹介いただいた作品について、自分の音楽を考えたいと思い作成しました。
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こんな静物画を書く人なのだそうです。ご興味のある方は検索してみてください。
一見して惹かれてしまいました。
作者の見つめる目。
ただ在る、ことについてのダイナミックさ。
寄り添うもの。
配置の妙。
質感。
影の統一。
いちいち目を釘付けにします。静物画、なんだけど、彼の作品はどれも同じような作品で攻めてきます。それがまるで自らの戦いに挑んでいるようでもあり、静かでありながらその空間だけキュッとしまった空気を感じます。
それだけのことを一瞬で感じさせる作品は、やっぱり素晴らしいものなのだ、と思い、自分が感じたことを作品にしようと思いました。
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曲を作ったあとで、MIDI音が配置された静物のように見えたので、今回は縦にしてみました。
なんとなく浮かんだのが和音が静かに連鎖していく様です。
不定調性論を作る人が作るっぽい曲ができて嬉しいです笑。
基本は和音の連鎖だけでメロディなんていらない、とか思っていたことって、絵でいうところの「静物画」に近いニュアンスだったのかな?なんて共感したりしました。
機能性も若干匂わせながらも、不定調性で進んでいきます。
不定調性論には動和音と静和音というものがあります。
動和音=和音内部に増4度を持つ和音
静和音=和音内部に増4度を持たない和音
という単純な区分けです。
楽曲は最初静和音で展開していきます。ざわつかない"少し俯いた和音"です。でも落ち込んでいるのではありません。
最初の和音Csus4(9.13)またはDm(11)/CまたはF6(9)/C、またはG7sus4(9)/Cをおいて、それからは少しずつ構成音をずらして静物の光の陰影から"着目"します。
この最初のコード、コードネームが書けますが、別にどの解釈でもいいんです。大事なのはそう置いた時の響きが「モランディ色」を私が感じたこと。その事実を記録、発信、主張したんです。それが多分作曲で作曲家がやることなのだと思います。
それ以上のことはなくて、エンタメ的なリファレンスは何もありません。
野宿で炭火でジャガイモを焼くような、食べられればいい、というような動機に似ているかもしれません。
そしてしばらくすると必然かのように動和音が現れます。静物だけなのだけど、どんどん心がざわつきます。普段の心の波が消え、凪になると、深い海のわずかな魚の動きすら表面に伝わって来ルようなざわめきが感じられます。全部静和音で行こうと思ったのですが、どんどんざわざわムラムラして来たので、静和音が妥当とは感じられなくなって来ました。でも曲の頭に戻ると静和音がちょうどいい。作曲ってある意味病気ですね。
曲が進行するにつれて、視界の静物が"穏やかになるどころかムラムラしてくる”と言えばいいでしょうか。
そうなってくると少しずつ静物から手が伸びてきてこちらの意識をその素手で触れられるような気持ちになります。
文字通り心を掴まれる。
最後の方は、半音ずつセンタートーンが上がっていきます。M7系の和音が半音ずつ上がっていく様相です。聞き流していると気がつきません。少しずつ心の内に広がる動揺、です。この辺りになるとすでに動和音がひしめいています。
上下にセンタートーンが振られていく様子が静やかで気に入っています。
最後は基音cの反応領域上方と下方倍8倍音と基音領域和音(c,e♭,f#,a)によるダイナミックな陰影です。コードスケールやモードに縛られず自分で規則を作っていく不定調性論的思考のエンディング構成です。自分で作ってるから当たり前なんだけど。
最後の二つの和音は、12音全てを使ったコード進行です。こういった和音連鎖を不定調性論では「完全領域変換進行」と呼んでいます。完全な動進行(構成音が入れ替わる進行=不定調性論用語)となり、ダイナミックに変化します。しかし響きはFM7(9.#11.13)-BM8(9.#11.13)のサブドミナント的な穏やかなざわめきとなり、なんとも言えないざわめきを残してくれます。
私には、これが"モランディの静物のざわめき"なので、自分の方法論的思考で最後は締めくくらせていただきました。
静物の、乾いたような振動で心をざわつかせてくる感じを今回は落ちついた和音の静かな変化に込めてみました。
自身の方法論をふんだんに使うのは、現段階が習作を作っている段階であるからです。
でも 静物画を見るための音楽っぽくなった気がします。
こういう風にも音楽は作れるので、"あ、なんか不定調性楽曲、自分にもできそう!"って思ったらやってみてください!今は、私自身が現代音楽初歩、を学んでいますので。小品がしばらく続きます。よろしくお願いいたします。
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