音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

アルバム28;「A Time To Love」スティービー・ワンダー楽曲研究レポート公開シリーズ25-1

スティービー・ワンダーの和声構造

~非視覚的クオリアを活用した作曲技法~

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アルバム28;「A Time To Love(2005)

A Time To Love

事例118;Sweetest Somebody I Know(CDタイム 0:23-)

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Aメロ

D♭M7(13) |E♭m7 A♭7(♭9) | D♭M7(13) |E♭m7 A♭7(♭9) |

D♭m7(11) Bm7(11) |Am7(11) Gm7(11)|F#M7 AM7 E♭m7 A♭7 |

D♭M7 |D♭M7 A♭7(♭13) |

非常に聴き取りづらいコード。

ボサノバの雰囲気を持ったone note samba的テイスト。

逆にメロディに合うコード進行体系をさまざまに見つけられてしまうかも。

これを正確に聞き取る必要はないと感じたので、比較的バランスが取れているAメロのみをここに記録することにしました。

 

事例119;Moon Blue(CDタイム 0:29-)

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Aメロ

A♭m |B♭m7(♭5) E♭7 |A♭  |D♭m7 G♭7 |

BM7 B7 |B♭m7(b5) E♭7 |EM7 D♭m7 |B♭m7(♭5) E♭7 |

A♭m |B♭m7(♭5) E♭7 |A♭  |D♭m7 G♭7 |

BM7 B7 |B♭m7(b5) E♭7 |EM7 D♭m7 |G♭7 G♭7(♭9) |

Bメロ

BM7 B7 |D♭m7/B D♭m7(♭5)/B |BM7 B7 |B♭m7(♭5) E♭7 |

A♭m A♭m/G |D♭7 |F#7sus4(♭9) |B♭m7(♭5) E♭7 |

比較的A♭マイナーの調性的、

三小節目のA♭の陽転が美しい。

 

Bメロに入ってからも、D♭m7(♭5)/Bというサブドミナントマイナーコードへの変化を分数コードで用いるなど、F#7sus4(♭9)といった変化和音も味のあるコード。

楽曲の雰囲気も月夜のイメージを喚起させる感じ。

 

後半では、A♭m |B♭m7(♭5) E♭7の進行をベースにA♭メロディックマイナースケールでソロがとられてたり。

メロディックマイナースケールを単品でここまで長く使用される事例事例として使えますね!

同曲では“blue”という色を表す言葉が使われてます。共作の曲だが、きっと彼が感じる“bluesという概念”が最初に提示した“太陽の存在”と同様に表現されているのだろう。

blue feelという雰囲気を示す概念として使っているのでしょうね。

 

同曲の後半に続くピアノソロこそ、彼が感じるblueなのでしょう。

 

事例120;From The Bottom Of My Heart(CDタイム 0:47-)

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Aメロ

AM7  |DM7 E7(♭9) |AM7  |DM7 E7(♭9) |

AM7  |Bm7 |Em7 |A7(♭5) Em7 A7 |

DM7  |GM7 A7(♭9) |DM7  |GM7 A7(♭9) |

A♭m7 |B7 |Em7(♭5) E♭7 |Dm7(11) |G7 |

Bメロ

CM7  |F#m7(♭5) F7(♭5) |Em7  |A7(♭13) |

Dm7 |Dm7/G |CM7 |Dm7 G7 |

CM7  |F#m7(♭5) F7(♭5) |Em7  |A7(♭13) |

Dm7 |Dm7/G |CM7 |Bm7 E7 |

II-Vで確実に展開していく要素を結構堅実に使ってます。

 

AメロでAメジャーのキーからDM7にII-Vで接続して転調。

そしてA♭m7に展開し、Em7(♭5) E♭7 |Dm7(11) |G7 |というおなじみ進行。

おなじみの半音下行のベース進行で和声をつなぎながら、サビではCに転調。

そしていきなりF#m7(♭5)へのII-II♭を持ってくる徹底ぶり。

 

 

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