2019-08-21 アルバム28;「A Time To Love」スティービー・ワンダー楽曲研究レポート公開シリーズ25-1 スティービー・ワンダー レポート スティービー・ワンダーの和声構造 ~非視覚的クオリアを活用した作曲技法~ <前回> www.terrax.site 目次ページはこちら アルバム28;「A Time To Love」(2005) A Time To Love 事例118;Sweetest Somebody I Know(CDタイム 0:23-) open.spotify.com Aメロ D♭M7(13) |E♭m7 A♭7(♭9) | D♭M7(13) |E♭m7 A♭7(♭9) | D♭m7(11) Bm7(11) |Am7(11) Gm7(11)|F#M7 AM7 E♭m7 A♭7 | D♭M7 |D♭M7 A♭7(♭13) | 非常に聴き取りづらいコード。 ボサノバの雰囲気を持ったone note samba的テイスト。 逆にメロディに合うコード進行体系をさまざまに見つけられてしまうかも。 これを正確に聞き取る必要はないと感じたので、比較的バランスが取れているAメロのみをここに記録することにしました。 事例119;Moon Blue(CDタイム 0:29-) open.spotify.com Aメロ A♭m |B♭m7(♭5) E♭7 |A♭ |D♭m7 G♭7 | BM7 B7 |B♭m7(b5) E♭7 |EM7 D♭m7 |B♭m7(♭5) E♭7 | A♭m |B♭m7(♭5) E♭7 |A♭ |D♭m7 G♭7 | BM7 B7 |B♭m7(b5) E♭7 |EM7 D♭m7 |G♭7 G♭7(♭9) | Bメロ BM7 B7 |D♭m7/B D♭m7(♭5)/B |BM7 B7 |B♭m7(♭5) E♭7 | A♭m A♭m/G |D♭7 |F#7sus4(♭9) |B♭m7(♭5) E♭7 | 比較的A♭マイナーの調性的、 三小節目のA♭の陽転が美しい。 Bメロに入ってからも、D♭m7(♭5)/Bというサブドミナントマイナーコードへの変化を分数コードで用いるなど、F#7sus4(♭9)といった変化和音も味のあるコード。 楽曲の雰囲気も月夜のイメージを喚起させる感じ。 後半では、A♭m |B♭m7(♭5) E♭7の進行をベースにA♭メロディックマイナースケールでソロがとられてたり。 メロディックマイナースケールを単品でここまで長く使用される事例事例として使えますね! 同曲では“blue”という色を表す言葉が使われてます。共作の曲だが、きっと彼が感じる“bluesという概念”が最初に提示した“太陽の存在”と同様に表現されているのだろう。 blue feelという雰囲気を示す概念として使っているのでしょうね。 同曲の後半に続くピアノソロこそ、彼が感じるblueなのでしょう。 事例120;From The Bottom Of My Heart(CDタイム 0:47-) open.spotify.com Aメロ AM7 |DM7 E7(♭9) |AM7 |DM7 E7(♭9) | AM7 |Bm7 |Em7 |A7(♭5) Em7 A7 | DM7 |GM7 A7(♭9) |DM7 |GM7 A7(♭9) | A♭m7 |B7 |Em7(♭5) E♭7 |Dm7(11) |G7 | Bメロ CM7 |F#m7(♭5) F7(♭5) |Em7 |A7(♭13) | Dm7 |Dm7/G |CM7 |Dm7 G7 | CM7 |F#m7(♭5) F7(♭5) |Em7 |A7(♭13) | Dm7 |Dm7/G |CM7 |Bm7 E7 | II-Vで確実に展開していく要素を結構堅実に使ってます。 AメロでAメジャーのキーからDM7にII-Vで接続して転調。 そしてA♭m7に展開し、Em7(♭5) E♭7 |Dm7(11) |G7 |というおなじみ進行。 おなじみの半音下行のベース進行で和声をつなぎながら、サビではCに転調。 そしていきなりF#m7(♭5)へのII-II♭を持ってくる徹底ぶり。 目次ページはこちら その25-2へ https://www.terrax.site/entry/swonderREP25_2