音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

秋の特別企画。希機能剥離進行について~新しいコード進行概念を活用しよう(後編)★★★★

それでは本題に入りましょう。下記の表を見てください。

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たとえば、C△というコードの構成音のどれかを半音ずらすと、B△またはC#△の構成音に移動することになると言えます。

また、C△の構成音を全音動かすと、A#△またはD△の構成音に移動する、と言えます。それを示したのが上の表です。

 

 

そして表全体を見ると、ここに12音が全て表れているのが分かると思います。

つまり、C△のコードトーンを何かに変化させる、という行為は半音、又は全音動かせばあらゆるコードに変化させることができるわけです。

C△→G7も結局この表の音から作り出せるわけです。

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赤丸がG7の構成音です。

 

和声の声部の進行は半音で反行する事が美しい、みたいな伝統があります。

もちろん平行で上行、下行移動してもOKです。また時々全音があっても別段問題はありません。あまり長三度以上の音程でごそっと移動するようなイメージを与えてはいけない、わけです。しかし12音が全音移動でほとんど現れるなら、五度で移動、とかは音符の移動の見かけの問題であった、ということになります。

ということは、次のような移動も声部的にはOKなわけです。

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きれいに半音でつながっていますね。この構成音はEM7の構成音ですから、

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C△→EM7

というのは美しい声部進行を持っていることが分かります。

|: CM7 |EM7  :|

としても良いですね。"同一和声単位の連続"という不定調性進行になりますが、単純に長三度上がっていくような声部の流れを作るのではなく、上手に半音で連鎖するように

作ればスムーズな感じのする進行にできます。

 

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これは、

CM7   |F#M7   |

です。増四度離れてる!と思ったら半音で移動できた、というのは不定調性論でも倍音発生の所で学ぶはずです。

 

だいたいの和音はそこそこなヴォイシング移動で作れます。

このため、機能和声論は圧倒的信者を創り出しているわけです。というか先進国で平均律の音楽を受け付けない人はほとんどいませんね。。

 

では逆に遠い音を狙っていこうとするとどうでしょう。

C△→(     )→Dm7を考えてみましょう。

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調べて頂くと分かりますが、この場合全音離れた音はありません。かならずどちらかの音の半音上下の音に該当してしまいます。

 

もちろん進行の仕方によっては縁遠い音を探すこともできます。

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これはC△→Am7ですが、D音が全音離れている音、として存在する事が分かります。

 

だから理屈の上ではC△の後にどんな和音を挟んでもDm7にスムーズに流れる、わけです。あとはその響きがどのような既視感を与えるかによって、ジャズっぽさ、アングラっぽさ、フュージョンぽさなどの感じを聴き手に与えるということが分かります。

 

たとえば、好きな進行に、

C△ |Gsus4/Bb  |Am7   |Bbsus4/Db

というのがあるのですが、

(音参考)

rechord.cc

 

このGsus4/Bbというのは、一般化してしまえば、C7(9)/Bb的な感じのクオリアが展開しているだけです。ちょっと音を省略するだけで全く違った印象を人は持ちます。

 

ようは、通例和音連鎖の学習は、上記のようなしらみつぶしの方法論を学んだ後に、

「結果として偉い作曲家の人が使っているコードの主なものはこれだよ」とまとまっているとされる通例の音楽理論の学習があるわけです。

 

でも人はそれぞれだし、どれが一般的か、とかなどどうでも良くて、「君は何を好むか」を最初に知った上で、それが一般的なのか、奇異なのかを音楽理論と照らし合わせるのがベストです。

 

そこで初期学習時にあって何回かレッスンに余裕のある人は、ぜひジャズの和声を学ぶ前に、いかに自分で和音の進行を美しくつなげるかを考えてみると良いでしょう

例えば、ですが、

1,CM7→ (     )→FM7

2,CM7→ (     )→Am7

3,CM7→ (     )→Dm7

4,CM7→ (     )→Em7

5,CM7→ (     )→G7

 を下記の表を使って、和音を自分で作って音楽的な進行にしなさい、という問題が出た時、「そんなの分からない」となってしまわないように、積極的に「音によって感じる自分のクオリア」を鍛え上げていくことで、はじめて一般的進行の一般的さが分かるのではないか、そしてそれを選択してきた先人の音楽性のすばらしさを理解できるのではないか、と思います。

その上で、なぜそれがどのような理屈でそのように進行したのか、が分かれば、あなたは音楽理論を学んだのではなく、先人の発想を理解し、それを「自分のやり方でも使ってみる」という発想になります。

 

そしてこのやり方で自在に連鎖させたとき、「調」がなくなります。それでも本人がその連鎖に音楽的なクオリアを感じていれば、それは「繋がっている」はずです。

そうした上でメロディを乗せて、音楽にしていいよ!っていうことを体系的にゼロから作ったのが不定調性論、というプラグインになります。

 

常にこれを用いる必要はありません。

機能和声を学んで、ライブをやった時、つい勢いでフレットを掻きむしって、歯で弾いて、ギターのネックを折って、後ろのスクリーンに火をつけて燃やしたライブが人生で一番印象的だった、となるのは、理論で音楽を考えるのとは別に、ステージの上であなたがそれを欲して実行し、何かを訴えることを実行した結果です。

それらは一貫して「個人の意思」から始まっています。

"フレットを掻きむしり始めたら、音楽理論から外れる"

などという思想的範囲など、人が定めた国境と一緒で、最初からそんなものは存在しないのです。何をその時感じるか、なんてその時になってみなければわからないし、そういう日が来るよ、っていうことも音程の勉強をしている時から知っておかなければなりません。上手く行くときもあれば事故になって死ぬこともあります。

だから間違いを犯さないようにするために勉強するのではなく、自分が何者かを知るために勉強する事で、「先生、僕は将来ステージに火をつけたいです」ということをあらかじめ学習時に宣言できれば、もっとうまい方法で早くから対策できるはずです笑。

 

欲望と上手に付き合うには、それを認めて工夫するしかありません。

でも機能和声論は、欲望などあってはいけない、と封じることで、逆に渇望を湧き起こした、という側面があり、これも「背徳」を生み出した大切な意義の歴史なので、不定調性論は機能和声論の外縁を固めるプラグインとしてうまく挿し込んで頂くことをコンセプトにしています。

 

 

参考までに各種資料をアップしておきます。

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これを12音でまとめると、

和音本体

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テンション

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各構成音の種類

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