たとえば、Cというコードの構成音のどれかを半音ずらすと、BまたはC#の構成音に移動することになると言えます。
また、Cの構成音を全音動かすと、A#またはDの構成音に移動する、と言えます。それを示したのが上の表です。
そして表全体を見ると、ここに12音が全て表れているのが分かると思います。
つまり、Cのコードトーンを他のコードに変化させる、という行為は構成音を半音、又は全音動かせばあらゆる変化が可能です。
C→G7も結局この表の音から作り出せるわけです。
赤丸がG7の構成音です。
和声の声部の進行は半音で反行する事が美しい、みたいな伝統があります。
もちろん平行で上行、下行移動してもOKです。また時々全音があっても別段問題はありません。あまり長三度以上の音程でごそっと移動するようなイメージを与えてはいけない、わけです。し
かし12音が全音移動でほとんど現れるなら、五度で移動、とかは音符の移動の見かけの問題であった、ということになります。
ということは、次のような移動も声部的にはOKなわけです。
きれいに半音でつながっていますね。この構成音はEM7の構成音ですから、
C→EM7
というのは美しい声部進行を持っていることが分かります。
|: CM7|EM7:|
としても良いですね。"同一和声単位の連続"という不定調性進行になりますが、単純に長三度上がっていくような声部の流れを作るのではなく、上手に半音で連鎖するように
作ればスムーズな進行にできます。
(注;異名同音等、方法論流派により音名表記揺れがございますので、それぞれの方法論で振動に置き換えて解釈ください。)
これは、
CM7 |F#M7 |
です。増四度離れてる!と思ったら半音で移動できた、というのは不定調性論でも倍音発生の所で学ぶはずです。
ではあえて遠い音を狙っていこうとするとどうでしょう。
C→( )→Dm7をみてみますと、
12音を調べて頂くと分かりますが、全音離れた音はありません。かならずどちらかの音の半音上下の音に該当してしまいます。
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もちろん進行の仕方によっては縁遠い音を探すこともできます。
これはC→Am7ですが、D音が全音離れている音、として存在する事が分かります。
だから理屈の上ではCの後にどんな和音を挟んでもDm7にスムーズに流れる、わけです。あとはその響きがどのような既視感を与えるかによって、ジャズっぽさ、アングラっぽさ、フュージョンぽさなどの感じを聴き手に与えるということが分かります。
たとえば、好きな進行に、
C |Gsus4/Bb |Am7 |Bbsus4/Db
というのがあるのですが、
(音参考)
このGsus4/Bbというのは、一般化してしまえば、C7(9)/Bb的な感じのクオリアが展開しているだけです。ちょっと音を省略するだけで全く違った印象を人は持ちます。
「結果として偉い作曲家の人が使っているコードの主なものはこれだよ」とまとまっているとされる通例の音楽理論の学習があるわけです。
ジャズの和声を学ぶ前に、いかに自分で和音の進行を美しくつなげるかを考えてみみたください。
常にこれを用いる必要はありません。
機能和声を学んで、ライブをやった時、つい勢いでフレットを掻きむしって、歯で弾いて、ギターのネックを折って、後ろのスクリーンに火をつけて燃やしたライブが人生で一番印象的だった、となるのは、理論で音楽を考えるのとは別に、ステージの上であなたがそれを欲して実行し、何かを訴えることを実行した結果です。
上手く行くときもあれば事故になって死ぬこともあります。
だから間違いを犯さないようにするために勉強するのではなく、自分が何者かを知るために勉強する事、になります。
「先生、僕は将来ステージに火をつけたいです」とあらかじめ学習時に宣言できれば、もっとうまい解決方法を早くから対策できるはずです笑。
あらかじめ耐火床を作ろう、とか。退学しておこう、とか。
欲望と上手に付き合うには、それを認めてこの物理的世界と法治国家のしがらみの中でひたすら工夫するしかありません。
参考までに各種資料をアップしておきます。
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これを12音でまとめると、
和音本体
テンション
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各構成音の種類