音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

<不定調性論用語/概念紹介19>上方と下方のマテリアルモーション1

 音集合には、上方性和音構築と下方性和音構築の二つの種類が機能和声内であることが分かりました。

基音がcのとき、

上方音は、e,g,b♭

であり、

下方音は、a♭,f,d

です。

 

この二つが交換される現象を、「マテリアルモーション」と呼ぶわけです。

平たくコード進行で言うと、

 

C→Fm、Fm→C

とか

C7→Fm、Fm→C7とかC7→Dm7(b5)、Dm7(b5)→Cとかです。

 

和音を構成する領域を交換する行為です。集合論理の異なる集合への変化が行われたことを指します。

特に機能和声的には短調におけるドミナントモーション、またはI→V7への移動に該当します。

 

f:id:terraxart:20180615095456p:plain

どちらも基音への強い収束を感じさせる図柄ができます(収束感そのものは人の感覚にすぎない、と考えます)。

 

通例のドミナントモーションは、たとえば、G7→Cだったら、基音gから基音cへの移動ですね。全く形状が異なることをここでは覚えておきましょう。

 

これは調が無くてもこの進行は起きうるので、

Cu5→Cl5

Cu4→Cl5

Cu7→Cl4

Cu5→Cl7

(Cu7はc,e,g,b♭すべて含む和音、下方も同様)

といった進行は、全てマテリアルモーションである、とするわけです。

 

私たちは調を知っていますから、C7→Fmを聞けば、Fマイナーキーを考えてしまいますが、そうとは限らない、という観点を作っておくわけです。

 

===

・ 一つの基音から発せられる集合への変化によって基音に重心をおく上方性秩序(メジャーコード)。

・ 一つの基音を発する音を集合させることで、暗に一つの基音を重心にする下方性秩序(マイナーコード)。

・ これらの二つの集合が連鎖されたとき、一つの基音を中心にした時間的変化が作られる。この時間的変化が「和声進行」である。

・ 和声進行は基音の重力に向かって進行するのではなく、常に連鎖される流れの中で起きる事象の変化である。

・ この事象の変化は響きの変化であり、そこには何らかの印象が伴い、和声を連鎖させ、詩的情感を連鎖表現する“音楽の脈絡”“音楽が作る模様感の連鎖”という事象の根源となり、これを不定調性進行の音楽の連鎖の思考の出発点とする。

~教材より引用