Lemon / 米津玄師
lemonを考える、其の2です。
「違和感という感じを表現する」という話です。
この音が入ることで、どんよりとしそうな音空間がドライになります。グーッと曲に入り込みそうな感情を少し冷まして、冷静になれます。感動的な曲になってしまいすぎるのを押さえてくれます。違和感による調和が保たれています。
でも、hiphopはそういう雰囲気を作ることが上手ですよね。海外の音楽から輸入した部分と、日本人らしさが合体したオリジナルな感性を感じます。これがこの部分おおぞましいほどのオリジナリティを産んでいると感じます。
動画では葬式の時に鳴った指笛の話がされていますが、そういうことを美しい、と捉えられる感性があることに注目しましょう。違和感の中に潜んでいる意味を読み解く感性を持つアーティストだってことですよね。
たぶん一般的な違和感が歪んだ意見として抽出されている点には、
「もっと他の声ネタ・入れるべき音、があったんじゃねーの?」
って言うニュアンスになっていると思います。以下はその点も考慮して書いています。
(注;声ネタ、というのはヒップホップでは「サンプリング」という手法で様々なレコードから短く切り取られた声ネタが使われてきた歴史があります。歌の一節、マーティン・ルーサーキングの言葉、叫び、話し言葉、なんでもありです。そういうサンプル集も売られていますし、打ち込み用のドラムセットのプリセットの中に一つそういったエフェクト音が一つ配置さえている場合もあります。
そこでそれらをあまりにそのまま使うのは芸がないので、楽曲のキーやテンポに合わせて加工したりして使います。だからこの「ふぇ」も元はもっと低い音だったかもしれませんし、別の言葉を切り取ったものかもしれませんし、わざと機種がわかるように、そのまんま使ったりしている場合もあります。)
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スタンダードジャズを全部三和音で弾いたら、どうなるか知ってますか?
ダサいです(当社比)。
ジャズっていうスタイルからだけで言うとですよ?
話逸れますが、
このジャズを三和音にして"良い"って思える音楽が"フォーク"です。
フォークはカッコいいでしょ? 日本人の血がたぎる。
"ジャズの違和感"がフォークを作ったんですかね、、、。なんて思います。
なんで動揺のようなフォークが受けたか、というと、魅力的な、学校では絶対出さないような声で学校では絶対発しない歌詞を歌うからでしょう。
もちろん綺麗な歌詞も、綺麗な歌もあります。それらは汚い歌、汚い歌詞の文化の中で初めてひかるんです。ライブの最初から最後まで学校唱歌だったらこういう魅力は出ないんです。汚い音、汚い言葉、というのは、情緒です。遠雷です。蝉の声であり、雨の音です。人はそこにえも言われぬ情緒を感じ、注意をひかれます。そうやってこの風土で皆と一緒に生きてきからです。
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ジャズも汚い四和音にして、更にテンションを添えることで、クラシック音楽にはない調性音楽が生まれます。人が好んだのは、その危うさであり、クラシックにはない情緒の斬新さと摩訶不思議なSwingに心惹かれたんです。
不定調性論でも言っていますが「不協和音を感じようと思えば、そこに絵が浮かぶ」人は沢山いると思います。
だから、あなた自身が何かをやろうと思う時、表現しようと思う時、自分が作ったものを世間の標準的価値観で判断するのではなく、あなたが持って生まれた感性で捉えられたら、それが答えになる、という発想を持って頂きたいです。
不協和音と不協和音
違和感と違和感
を結び付けた時に生まれる、未知のクオリアを理解できるトレーニングをしましょう。
それを海外の音楽の文化で考えようとするのも良いですが、日本人として、どういう霊感を感じるか、で捉えた方が落ち着く人もあるでしょう。人それぞれ生育環境によって変わると思います。
あなたが思ったこと、それが言葉になるならないに関係なく、答えそのもの。
この記事内容も、皆さん自身で考えて自由に解釈してください。
嫌いなら嫌いの理由があり、好きになれるのにも理由があります。
この音の違和感を違和感のままにしておくのは、読めない漢字をそのままにしておくだけかもしれません。それでもいいですが、夏の夜の虫の音のように、自分にとっての情緒にできたら、もっと面白くなると思うのです。