音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

何かに臨む時は、いつも新ネタで臨む~ビートルズ楽曲topic★★★

ビートルズの不定調性コード進行研究

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「The Beatles」6

12、ハニー・パイ - Honey Pie
古き良き時代、という感じの曲ですが、ビートルコードが結構効いています。

 

AD

   

 

Aメロ
G |G |Eb7 |E7 |
A7 |D7 |G |Eb7 D7 |
G |G |Eb7 |E7 |
A7 |D7 |G |F# F |
Bメロ
Em |C#m7(b5) |G |G7 |
C |E7 |Am |D7 |~

 

こういう曲を聴いて、ジャズに目覚めた人もいたのではないでしょうか?


でもちょっとジャズとも微妙に違うビートルコードがやっぱりすごい。

 

これがたまらなくてジャズにいくと、急にがんじがらめが待っているんです。
II-Vのがんじがらめですね。

あれ、ジャズってなんかつまんね

ってなるんですよね。決まり切り過ぎてて。自由さがなく、テキトー(奔放)で、拠り所を決めづらい、からでしょう。

 

ジャズのルーティーンを聞いていると、あの、ハニーパイで感じた、「コード進行とは自由なんだ・・・」という"憧れ"がどこかに消えて行ってしまうんですね、多分。

 

だから、ビートルコードはII-Vに束縛なんかされませんし、不必要なコードを、単に習慣的に用いるようなこともしません。


またII-Vのように、「こうなったらこうなる」みたいな常套句がビートルズにはありません。


ゆえに、ジャズはビートルズではなく、ビートルズは、極めてジャズよりも先の概念をコード進行概念に入れ込んでいた、と考える方が納得がいくのです。

 

AD

   

 

 

 

 

そうなると、この曲のBメロのC#m7(b5)にも納得がいくでしょう。
これは機能和声的に考えると、Em6です。つまりここは、
Em→Em6
と進んでいるだけなんですが、これですと、あまり変化感がないですよね。

そこで、
Em→C#m7(b5)
です。


これはm7(b5)というコードタイプや、ギターフォーム、ピアノヴォイシングが持つ雰囲気の連鎖が、この曲のこの部分に合う!だから使った!という感じがします。


ジャズであれば、このコードはF#7に進みます。そういうジャンルなのです。

 

しかしここではGに、なんとルートが増四度進行します。
ジャズから入った人は、ちょっと違和感があるでしょう。

 

でもこの進行こそ「ハニーパイ」ですよね。
ビートルズは「この曲にこの進行あり」という、ジャズがなかなか付けられなかった「このコード進行はこの曲」というイメージをほぼ全曲に渡り付けて来た、と思います。

 

ルパン三世が何かを盗む時は、いつも新ネタで臨みますよね。


以前やった方法が上手く行ったから今回も、なんてことはしません!
それと同じように、ビートルズも常に新ネタを探し求めていたんだと思います。

 

また、逆に面白いのは、そのアルバムアルバムで「良く出てくるコードの流れの傾向」があるのも事実です。


これはアルバム単位で、音楽的実験を行い、「コンセプト」をまとめ作り上げていたのではないかとも感じます。

 

そして、次のアルバムのときには、それまでの実験を活かしながら、また新しいことをやっていく・・・そういうアーティストのあり方や姿勢なんかも示して作っていったのかもしれませんね。

 

 

AD