前回
歌詞については掲載しておりませんので
https://www.uta-net.com/artist/2750/
こちら等にて確認ください。
インカの花嫁
これは
VIIb |% |I |% |
に該当するのですが、聴感上は、IV |% |V |% |だと思います。
曲中では、うまい具合にDメジャーキーとAメジャーキーが行ったり来たりしています。前曲でもそうでしたが、このアルバムのマイブームでしょうか。
千一夜物語
Åメロ(アルバム収録タイム 0:30-)
C7/B♭ | F/C/A |Fm/C/A♭ |C/G |
keyはCメジャーがベースかな。
表記に迷った三層構造のコード!!
半音下降のラインがメロディにも影響を及ぼしながら、連続されるc音の音楽的なクオリアが「さわやかな焦燥感」またはフラクタル図形を見た時のようなドキッとする穏やかな不安感みたいな、進行感を与えるコード進行。
E♭/C-D/C-D♭/C-Cといった進行感覚にも似ていていろいろ類似進行に留意しながら、原曲を聴いて、その雰囲気がつくる進行感に着目してみてください。
タイムリミット
サビ(アルバム収録タイム 1:16-)
Dm7(9) |Dm7(9) |Am7(9) |Am7(9) |
Dm7(9) |Dm7(9) |Am7(9) |B♭7(#11) |〜Dm7
着地点はAmを感じるのでAマイナーキーのようにも感じますが、メロディはDマイナー的。
イントロからの流れがDm7(9)が中心なので、ここも二重調の雰囲気があります。
ケーデンスがないためモーダルな感じ。
サビの終わりはDからみたVI♭7=Bb7によって(聴き取り解釈違いもあり得る)Dm7にまた流れます。
このB♭7は解決コードというよりも「いったん雰囲気を“いびつ”にしてまた元に戻す」ための浮遊コードっぽい役割。サブドミナントマイナー終止、と解釈するのでしょうが、終止させるためのケーデンスを選ぶ、というより手前のAm7から一瞬浮遊されるコードを置き、そのあとのDm7(9)が来た時に「どのような着地感を感じるか想像する」ほうが制作としては楽しい。
ランダムにいくつかのコードを試し、一番「なさそうな」または一番「危ない感じ」の和音を置いてみて、最初は流れない、と感じても徐々に連鎖に意味が与えられる、と考えたほうがクリエイティブ。
サビでは
「あなたはきっと 後悔するわ いつか泣くほど 後悔するわ ゲームはいかが」
と締められます。これは優しい脅迫。
そしてその最後のゲームへの誘惑の言葉が、B♭7(#11)。
これによりゲームへと誘っている側の人間が、「罠」「戦略」「策略」「武器」のようなものをたんまりと用意している、そんな風なケーデンスの印象になっていきます。
逆風の中に男は立たされてます。
<同曲のスタイル参考>
Michael Jackson - Billie Jean (Official Music Video) - YouTube
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