2018.2.11⇨2020.7.25更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ビートルコードができるまでを探る〜The Silver Beatles 3
トゥ・ノウ・ハー・イズ・トゥ・ラヴ・ハー - To Know Him Is To Love Him
The Beatles - To Know Her Is to Love Her
ハチロクの曲。
「Oh Darling!」なんかもいずれここから生まれたのでしょうか。
この曲ちょっとブリッジが変わっています。
Aメロは、
E |B |C#m |A |
E |B |E A |E |
Bridge(0:51-)
G |D |C |B |
G E7 | C B |F# |B |
短三度上げ転調からGに向かい、周辺コードをウロウロします。GのキーでBが変な感じで響きます。E7はVI7で、これも不思議な感じ!
サビなのに、こんなんでいいの???
なんて思ってしまいますが、この曲、かのフィル・スペクターが自分のバンドThe Teddy Bearsで発表した曲なんですね。原曲のメロディラインは凄く美しいですが、ビートルズはだいぶ荒っぽく歌っています。
偉大なロックスターにこんなコード進行使われたら「へぇ、こんなふうに使うんだ」って必ず思いますよね。
こんなんでいいんだ!!
的に絶対思う笑。
ただのロックンロールがやりたい!というバンドではなかったビートルズの音楽性がそこにマッチした、という偶然性もあったかと思いますが、音楽がひろがりますよね。
音楽性の目指すところが高すぎて技量や知識、経験が不足していたがゆえに、この有名なオーディションは落ちてしまったのかもしれません。
これは勝手な推測ですが。
こうしたコード感もきっと、彼らの後年の曲に活かされているに違いありません。
こういった曲を探り当てて、「おもしろい!」と思ったのだとしたら、音楽論云々ではなく、彼等は音楽の姿そのものから新しい音楽を創っていったことになります。ビートルコードはその断片にすぎません。
テイク・グッド・ケア・オブ・マイ・ベイビー - Take Good Care Of My Baby
この曲もビートルズの初期の曲にみられる曲調を持っていますね。
The Beatles - Take Good Care Of My Baby (2009 Stereo Remaster)
Do you want to know a secret
や
カバー曲Till there was youなどにも通じるカントリーバラード的な要素もありますね。
でもコードは簡単なんですが、ここにaugコードが出てきます。
G Em | C D |G Gaud |C D |
全体的に、このような流れです。
当然、こういう曲で、
「なんだ!このコード!かっけー!」
となったはずで、そうなれば、絶対使いたいのがミュージシャンの性です。
やっぱり沢山の曲を聴いて、早くから自分の物にする、というのは凄く大切なんですね!