音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

音楽を聴くとイメージが浮かぶ人へ~音楽を共感覚的観点から考える1

  2017-05-30→2019-7-20(更新)

あなたがもし音楽を聴いて思い出や情景、見たことも風景、意味の解らないイメージ、匂い、味、感情、言葉が浮かぶのなら、それは共感覚的な知覚性質によるものではないか、という話です。

映画が好き、音楽が好き、小説や漫画が好き、といった方は訓練である程度伸ばせる可能性があります。

 

例えば

「この曲、なんか中学の時の裏山の夕日って感じ」

みたいなことを感じるのが共感覚的知覚です。不定調性論もこの感覚を音楽を作った理展開する動機にしていきます。

 

音楽はぞれぞれ違って聞こえている

「クールなジャズ」

って言葉がありますね。この言葉、皆さんはどう理解しますか?

音楽が冷たいわけない、とか思わないですよね。

こうした言葉が共感覚的な人間の感覚から生まれているのではないか、と『脳のなかの万華鏡』(リチャード.E.サイトウィック&デイビッド.M.イーグルマン著、山下篤子訳 2010-参考文献①-)書いています。著者二人は共感覚研究の第一人者だそうです。

 

音楽を楽しめるほとんどの人が、程度の差こそあれ、共感覚的な感覚を有している、と言えるのではないでしょうか。

 

参考文献によれば、脳の左半球に色を知覚する領域と文字や数字の認識に欠かせない領域はすぐ隣どおしに存在しているそうです。だから文字の外見が引き金になって、色覚領域が活性化するというのです。

 

同著書より。

2005年の研究(エディンバラ/ジュリア・シムナーたち)では、何らかの共感覚を持っている人は23人に一人の割合でみられるそうです。

 

===

不定調性論を考えていた時、自分にとっては明らかにおかしなことなのに、誰もあまり気にしていない、ということが気になって「ああ、きっと自分はくだらないことを考えているんだろうな」と不定調性論研究は何度も挫折しました。

自分が悩んだ問題はこうでした。

「ある和音αが、ある和音βに移行した時、その時自分はある印象を鮮明に感じる。」

そして

『C-G7-CとCm-G7-Cmにおける二つのG7はそれぞれ異なる雰囲気を与える。」

というものです。意識したのは高校時代でした。とくにこのG7の印象の差異は明瞭でした。外見は同じでも全く風景が違うわけです。色合いも情感も、とにかく心に感じるあらゆる情景が異なる、と感じたのです。

 

なぜ同じ和音なのに、こんなに表情が違うのか。この和音には今何が起きているのか。

 

自分の音楽活動の出発点でした。

やがてそれは自分の外で起きているのではなく、自分の中で起きていることだ、と知りました。研究発表を経る中で教えられたのです。

そうなると、音楽の印象には個人差があることになり、この個人差は相互が言い争って解決する問題ではない、と感じました。

ゆえに不定調性論は最初から「個人の感覚に委ねるためのプログラム」を設定していました。

   

文字を見ると色が見える、というようなことは自分は「頭の裏のスイッチを押す」感じです。見ようとする必要があります。そうしないと感じられても読解できません。

映画の字幕がありますよね。あれが映画の邪魔だ、とは感じないでしょう?

必要だと思えばそれが見え、必要でないときはみません。あの感じに似ています。

そしてそれを見続けると非常に頭が疲れます。

 

以前インターネットにある共感覚テストをやってみたのですが、いつまでも続く問題にヘトヘトになりました。脳というのは最もカロリーを使う器官だ、と聞いたことがありますが、普段使わないところをフル稼働するととんでもなく疲れるのだな、と知りました。多分このテストでは、共感覚的な認知がどんどん弱くなって、正確に計測できないのではないか、と感じました。あくまで私の実感ですが。

 

人それぞれ(オンリーワン)でいい、という意味

この意味は、ものを感じる際の感じ方が一人一人違うから、それで良い、という意味だと思います。

最初「リズム協会(現、リズム学会)」に提出したレポートは、私がまだ自分の感覚が「共感覚的なもの」というのを知らずに提出したものでした。

ci.nii.ac.jp

発表時、みんながぽかぁんとしていたのを覚えています。

「何を妄想しちゃってるんだコイツ」

という感じで笑。楽曲分析に関する発表ではなかなかお目にかからないタイプの発表だったのでしょう。

でも今は同学会理事の一人として参画させていただいています。

この感覚が個人それぞれのものである、と分かったので、一般的な研究を辞め、不定調性論を推し進めようと現在に至ります。

 

その2へ

www.terrax.site

 

他の記事も読んでいただければ嬉しいです。

 

<こちらも>共感覚テスト

www.terrax.site