音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

ソフトシンセのお勉強、はじめませんか?〜SERUM編1

2018.10.27⇨2021.6.10更新

プラグインについてはまだまだ"素人"なので、素人の感想文としてご参考いただければ幸いです。

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SERUMっていつ使う? 

・とにかく音が太い

・ベースとリードのクセがすごい

・意外とPADなどが良い

などの特徴から「太いベース、太りリード、存在感のあるPAD」で使うプラグイン、と思っておくと良いです。個人的にはPluckの音色も好きです。

 

 

(参考)シンセの基礎

シンセの基礎の勉強としてはこちらの三輪先生の動画が素晴らしかったです。空き時間にぜひみてみてください。シンセの基礎は全て理解できます。

www.youtube.com

 

 

 

(参考)SERUM使い方基礎

SERUMの使い方基礎はsleepfreaksさんのシリーズが大変わかりやすいです。

Xfer Records SERUM の使い方 1 基本概要とプリセットのカスタマイズ

Xfer Records SERUM の使い方 2 OSCのコントロール

Xfer Records SERUM の使い方 3 モジュレーションのコントロール

Xfer Records SERUM の使い方 4 簡単な音作りのTips集

当ブログの記事ではより細かい機能の紹介を行なっています。

 

 

SERUMオシレータセクション

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ツマミの直感的理解を書きます。

UNISON=音を増やす(左の「1」の数字は音の本数

DETUNE、BLEND=厚み感を増す

PHASE、RAND=原音から微細な変化

PAN=左右

LEVEL=音量

つまみは機能がどうこうではなく「回したらどう変わるか」を把握すればどんどん制作で使って良いと思います。理屈は後からわかってきます。

 

<WT POS>wave table position

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👆「WT POS」を考えてみましょう。

左に振り切れてるとき、上部の波形画像の一番手前の位置で音を鳴らしています。

WT POSの動かし方は次の動画を見ていただくと幸いです。 

www.youtube.com

波形の切り口で音を鳴らすのが目で見える!SERUMに感動しました。

SERUMのwavetableの「analog」のプリセットには、ベーシックな波形を並べたものもあります。

wavetableやプリセットを選んだらWT  POSを動かしてみましょう。

そしてこれらの波形は、

f:id:terraxart:20181027205222p:plain

右上のペンマークからeditもできますがこれは上級編なので記事シリーズ後半に。 

 

 

WARPセクション

音をさらに変調させるセクション。SERUMの肝です。

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「off」のところをクリックするか、ツマミ両サイドの「<」「>」ボタンをクリックすれば次の効果に進むことができます。

次の点も考えておいてみてください。

・別途あとでフェイザーを挿せば同様な効果が得られる。

・別途あとでEQにオートメーションをかければ同様な効果が得られる。

・midiコントローラーのツマミにdetuneやWT POSを割り当てて手動で動かしながらオートメーションをかけば、似たような効果が得られる。

ご自身のイメージしやすい機能で同じ効果が再現できると思います。

 

 

動作している感じは、下記の動画をご覧ください。

www.youtube.com

 

 

WARPセクションの機能概略

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■Sync(No Window)
倍音をどんどん分厚くさせる効果。ツマミを上げれば音量も大小するのでその効果も考えて使いましょう。

 

■Sync(Window 1/2)

Sync(No Window)よりちょっと柔らかい効果で分厚くなる。ツマミを上げれば音量も大小するのでその効果も考えて使いましょう。

 

■Sync(Window full)

Sync(Window 1/2)よりさらに柔らかく細身のある効果で分厚くなる。ツマミを上げれば音量も大小するのでその効果も考えて使いましょう。

 

■Bend+、Bend-、Bend+/-

波形を内側、外側、両方に歪めます。気持ち軽くウニョウニョさせたいときなどに使おう。波形によって効果が違うので絶妙なものを選びましょう。WT POSをいじるより滑らかに代わってくれるので、ガチャガチャ変化させたくないとき(静的に音を変化させたいとき)に使いましょう。


■PWM
波形全体を左にプッシュ。音を削り取る感じです。"何かを雑に消去していくような表現"等の時、またはワブルベースなどのワウワウいうような効果を作るときにも使えます。


■Asym +、Asym - 、Asym +/-
"Bend"に似ていますが、聴感上は反対の効果、みたいに考えればいいでしょう。静的な変化を求める時のバリエーションとして使ってみてください。


■Flip

瞬時極性反転を作成。WT Posでどこで反転させるかを決定して使います。音が縮んで伸びる、という機械的な印象です。

LFOで一拍とか速い効果でもいいのですが、2bar〜4barにしてLFOをかけると、印象的なフェイズ効果が得られます。

 

■Mirror
波形の後半の鏡像を作成。波形の「倍増」が「オクターブ」「明るめのコーラス」効果を引き起こします。効果は波形により違うので、目的に合わせて必要であれば用いる効果です。


■Remap1

カスタム再マッピング。選択すると、再マップグラフが開きます。

左下から右上への対角線は波形に変化がないことを示します(y = x)。

WT Posノブは、0(y = x)から100%(グラフに表示されるもの)から再マップの強さを決定します。

別窓presetからLFOの波形を選ぶことができて、さらに複雑な変化が可能。
■Remap2
ミラーリング再マッピング。オクターブ上2倍音が増幅するので音が高くなる印象。

■Remap3
正弦波再マッピング。オクターブ上3倍音が増幅するのでパワーコード的に上が分厚くなる感じ。

■Remap4
4倍の再マッピング。Remap2のさらにオクターブ上が強調されます。パイプオルガン的に広がりが出た上で変調が可能。

※イメージ先の音がかなりできないと、いじればいじるほどよく分からなくなるし、別のwavetableにした方が早い、みたいなことになるので最初は触らなくて良い機能だと思います。

※REMAPのPRESETもalt/optionを押しながらクリックするとどんどん変わってくれるよ!

 

■Quantize
サンプル・レートの低減。 音がシューーーッとしぼむように変化するイメージ。波形によっては変化なかったり、ランダムな変化になるので、何かトリッキーな変化をさせたい時に方法として考えてみても良いかも。


■FM(from 一方のOSC)
隣のOSCからの変調。これを機能させるには、もう一方のオシレータを有効にする必要があります。その時はモジュレーション・オシレーターとして使用しる側のオシレーター音量を下げてください。A→BまたはB→Aのみを使用できます。

金属的でノイジーで予測不能な変調がかかります。

 

■AM(from 一方のOSC)
上記と同じですが、ここでは振幅の代わりに(周波数の代わりに)変調されます。

少し優しい変調です。

 

■RM(from 一方のOSC)
リング変調以外は上記と同じです。リングモジュレート。金属的な変調です。

※変調の効果をイメージできていないと、時間ばかりかかります。

ささっと作りたい人は、まず楽曲の大枠の作業を進めてから、休憩時間前とかに少しいじってみると良いです。

 

■FM NoiseOsc
ノイズOSCからのFM。Noise Oscを有効にして使います。NOISE側のレベルは0にします。

 

■FM Sub Osc
サブ発振器からのFM。 Sub Oscが有効になっている必要がありますが、SUB側の音量はゼロにして使います。

※NOISEとSUBも同様に予測不能な効果を無数に引き起こせるので、時間があってじっくり一日中音をいじれるような時に触ってみましょう。

 

メインメニューの解説

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About...SERUMのクレジットが流れます。左上の×印で消せます。

Read the manual...PDFのマニュアルが出ます。

Load Preset...Presetフォルダーの中の「User」フォルダに飛んでくれます。オリジナルプリセットの読み込み。

Init Preset...イニシャルプリセットに戻ります。

Init Modulations...今現在使っているLFOモジュレーション、MOD、Filterエンヴェローブをバラします。プリセットに戻るのではありません。全てバラします。その下のInit LFOs+LFO Modsはモジュレーション関連、LFO関連を無効にしてバラしてしまいます。プリセットの初期値にするわけではありません。ご注意ください。

Revert to Saved...いじったMODパラメーターをプリセット初期値に戻します。

Copy OSC A->B...オシレーターAをBにコピーします。音を単純に分厚くするときなどはこれが使えます。Copy OSC B->Aも同様です。オシレーターの全値がコピーされるだけで、かかっているLFOなどはコピーされません。

Show Serum Presets folder

プリセットが入ってる心臓部のフォルダーを開きます。整理するとき欠かせません。

 

Rescan folder on disk

プリセットフォルダをいじったり、サンプルを放り込んだら必ずこれをクリックしてください。

 

Hide Piano Keyboard

UI上にあるキーボードを隠したり出したりします。

 

Load MIDI Map...、Save MIDI Map...

midiコントローラーに割り当てたプログラムを保存したり呼び出したりします。

 

Load Tuning(.tun)...

.tunファイルをどこかで獲得したらそれらをインストールします。そのフォルダを開きます。

 

Lock Effect Rack

設定したエフェクターを固定してプリセットだけ変えていけます。

 

Load Effect Chain... Save Effect Chain...

お気に入りのエフェクター設定を保存したり、読み出したりできるよ!

 

下記におまけトピックもありますが、次のページにいってもOKです。

www.terrax.site

 

 

 

おまけ

Render OSC A Warp、Reasample to Osc A...

若干古い機能です。昨今は無数にプリセットが日々生まれているのあまり使わないと思います。

 

Render OSC A Warp

warp機能の動きを一小節分レンダリングする機能です。

f:id:terraxart:20181102123847p:plain

イニシャルプリセットでPWMをかけます。

f:id:terraxart:20181102123843p:plain

当然WARPが振り切った形なこうなります。ツマミの位置はどこにあってもいいので、

f:id:terraxart:20181102123838p:plain

Render OSC A Warpをかけます。

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画面をクリックして三次元にみると、warpの効果がかかったプリセットに変化していることがわかります。かかった効果をレンダリングするんですね。

 

Reasample to Osc A

こちらも一小節分の変化をレンダリングします。

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イニシャルプリセットにフィルターカットオフをLFOで一小節かけます。

f:id:terraxart:20181102125101p:plain

この状態でResample to OSC Aを使います。

f:id:terraxart:20181102125128p:plainレンダリングされます。


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この状態ならフィルターを切って、WT posにLFOをかければ、またはエンヴェローヴをかければ同様の効果を得られます(多少音色が変わってしまう、細くなる、という特徴があります)。

resampleはwarp機能以外のLFO、エンヴェローヴをレンダリングする機能です。Renderの場合は、warpをいじってかけようとしないとエラー画面が出ます。またResampleもエフェクトでディレイをかけただけでは機能しません。ディレイのパラメーターにLFOをかけると起動します。しかしそのパラメータの影響しかリサンプルされないのでエフェクトのサウンンドがそのままレンダーされるわけではないので注意です。

noise,subオシレーターもレンダリングできます。

どうしても複数のノイズやサブをかけたいとか、warp機能を二つ混ぜて使いたい、もう一つLFOをかけたいとかというときに使うのではないかと思います。

また<Reasample to A+B>もそうですが、若干レンダリングをすると音が崩れます。どうしてもかけたい効果があるときは音がしっかり再現されるように、各種のパラメーターをよく注意しながら何度もリサンプルする手間をかけてください。

 

===マニュアル解説補足===

Render OSC(a / b)は現在のWavetableフレームを取り、Warpノブの0〜100%にまたがる256フレームを作成します
Reasample to Osc(A / B):1小節のプリセットのノートを再生し、キャプチャ(RAMにレンダリング)し、ウェーブテーブルとしてインポートします。