質問いただきましたので簡単なやり方を書きます。
プラグインのアナログEQなどの波形の変化の概略をみる方法です。
本来はハードEQ機器の波形のクローンを作って、複数トラックに同じEQ効果を作り出すためのソフトウェアであり少し本来の使い方と違います。
<フツーの使い方>
1.まず新規プロジェクトにモノラルオーディオトラックを作ります。
余計な成分が入らないようにトラック一つだけのプロジェクトをQ-clone用として別途作ると良いです。
そのトラックにQ-captureを入れます。ステレオトラックには入りません。
2.そのトラックを適当に何小節か選択しバウンスします。
・この時にモノ減衰なし、シーケンスに追加、とします。
フォーマットはなんでもいいですが、あまり変化がないようにmacではAIFFを選択してます。
3.そうすると、モノラルオーディオファイルができます。
このときのデータを差し上げてもいいのですが、多分みなさんのDAW/サンプルフォーマット環境でバウンスしたデータの方がより正確に差分を検知できると思います。
Q-captureは一度に一つしか使えず、Digital Performerではフィードバックループが作れなかったためこのような方法を取りました。
こちらの動画がヒントになっています。
差分検知の概略はこうです。
Q-captureの耳障りなビープ音が差分を検知させる信号データなのですね。
すごく昭和な発想です。
4.トラックの流れは下記の如くです。
この時再度Q-captureを通すのがポイントです(最初にバウンスした時に使ったQ-captureは削除して下さい)。
EQ→Q-captureで差分が検知されます。最後にQ-cloneを挿して差分を表示させます。
これでさっきのQ-captureデータ部分をリピート再生しながらエフェクターのつまみを変化させると、Q-cloneに変化の様が表示されます。
Q-cloneは画面が小さいので大きくしたほうがいいかも、です。
Q-capture/Q-cloneの音量調整
最初にEQなどを挿さない時、オーディオになったQ-captureの信号には音量差があることがあります。これでは差分検知が不正確になります。
DPであればQ-captureのオーディオデータを選択してデータのバイトボリュームなどをいじってQ-captureのインとアウトの出力を等しくなるように設定してください。
下記では-3.5のバイトボリュームにしてQ-capture画面の入出力が-14で統一されています。
これでQ-cloneの値も0平均で音像が一致します。これで初めてEQなどのプラグインによる差分を純粋に検知できる状態になります。
上記画像は小さいのでクリックしてください。大きく表示されます。
てことは、ステレオ信号なのかな??とか疑いました。
-3.5減衰ありバウンスでちょうど良いのかも....
ですが個人でご確認ください。
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波形をチェックするだけならボリュームはオフでもいいです(ビープ音も消せますので)。
このやり方だと実際に曲に挿しながら確認することができないので、あくまで波形がどんなふうに変化するかを確認するだけにとどめます。q-captureトラックを曲データの中に作って、そこでQ-cloneの画面を見ながらみたいなこともできますが、かなりツワモノですね。
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H-verbはかなりDry気味でも波形がめちゃくちゃになります。
私が好きなBreverbはあまり持ち上げず、挿すだけで高音の方がいい感じに湿らせてくれるのですごく調整が楽なプラグインだと感じています(少しwet/damp/highを控えめで)。
PuigChildのFull Reset。
挿すだけで音が変わる、の意味がわかります。
Puig TecのDefault Preset。
これはもう挿すだけで音量がデカくなる系。
OzoneのVintageEQもPultecがモデルということですが、こちらは変化がありません。
ヴィンテージとはいえ、今っぽいディフォルト設計ですね。
もちろんDPのEQもロー/ハイパスフィルターをonにしなければ変化ありません。
挿したとき元の音がどういう変化になっているのか、を耳だけのイメージでなく、目でもわかる、という意味でこのQ-cloneは有用です。
本来のQ-cloneは同じEQ設定を他のトラックにも転用するためのプラグインですが、波形しかコピーできないので、EQ独特の付随効果などもそのままモデリングされたソフトウエアを持ってる人は、Q-cloneではなく、ソフトウエアを指した方がもちろん良いです。
波形以外変容する要素がないEQのクローン作りはもちろんですが、例えば、Breverbの波形を保存しておいて、別のトラックでQ-cloneでBreverbの設定を読み出して使ったり、
Breverbの波形を見ながら、他のリバーヴを指して、どこをいじったらBreverbっぽい波形に近づくのか?といったツマミと変化の整合性をチェック構築するとかもできます。
Q-cloneは連動してしまうので、読み出す方のトラックは「Hold」になりますので固定した画面が見れます。あくまで概略を見聞する程度ですね。
Wavesさんにはもっと性能のいいQ-cloneを作っていただきたいところですが、現代ではOzoneのMatchEQなどの機能があるので、計算自体はAIに任せる傾向になりつつあります。それらではgain match機能があり、音量の差分は削除してくれるので、「挿すだけで音が良くなる=実は大きくなっていただけ」みたいな神話を根本から破壊してくれてます。
トラックに挿して使うやり方は他にもあるかもですし、バウンス設定によっては正しく差分検知できていないということもあるでしょう。
ディフォルトで、なんかこの辺持ち上がってますよね。
DPの"音の良さ"のポイントなのかも?もしくはウチの古い電源の微細な抵抗の不安定さかも。
正確さを極めることはできないと思いますが、ヴィンテージEQの波形カーブ/サウンドを視覚的に考えるヒントは十分に提供してくれます。
お試しあれ。
Plugindocor〜併用できるプラグイン
もう一つ、プラグインの挙動を見ることのできるプラグインを知りました。
DDMF Plugindoctor 2pluginfox.com
Plugindocotr=以下PD、はDP(逆にややこしいか笑)の中で上記のようにも読み込めるんですが、結局PDでも同じプラグイン読み込まないと挙動が見れないし、何気にダブルでエフェクトがかかってしまうので、スタンドアローンでたちあげながら参考にする、という感じです。多少楽ですが。面倒と言えば面倒です。
ただ。
いろんな波形データを見られるので、まあ持っておいて損はないと思います。今後も進化しそうですし、トラックの中で読み込んだ波形を分析してもらいたいですね!
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