皆様から何気ない日常の写真をいただき(写真は選ばず)、その写真からのインスピレーションで不定調性作曲技法を用いた音楽を作っていくという自分の不定調性論実演の卒業試験と勝手に位置付けた作品集です。
先人たちの曲集にあやかって24曲を作る予定です。
24曲自分の響きを表現して聴いていただけたら、自分が聴いているものが伝わるかもしれない、そんな生存欲求のような衝動があるのかもしれません。
お写真をご提供いただきました皆様に心より御礼を申し上げます。
動画では曲の最後にご希望のフォトネームを記録させていたいただいております。
皆様の日常がいつも平穏でありますように。
ここでは12曲がまず仕上がりましたので改めてご紹介してまいります。
題して日々紀行、"日々の響き"の紀行です。
日々紀行1 こころ歩き
海外の街や建物の写真です。現代の静物、ですね。静かな呟きのようなメロディが浮かんできました。街を散歩してる時って、自分の心の中も散歩してるんですよね。
気分転換というより心の寝返り、といいますか気持ちの血の巡りも変えてくれるように感じます。
日々紀行2 たしかな幻
息子さんを撮影した写真なのだとか。自然にしか出せないこの黄金とシルエットが詩的です。母の目とか思いとかを感じませんか。
心のうちの深い暖かさみたいなものをメロディになりました。
心の中の想いって手で掴めない幻のようなものだけど、たしかにそこにあるんですよね。
日々紀行3 風の吹くほし
見事な写真です。画面中央奥に富士が鎮座しています。富士は50万年ぐらいこの景色を見てきて建っては消えていく世界をずっと見ています。この世界はどう見えるのでしょう。変わらないものは空と風だけです。世界讃歌のような雰囲気を感じました。
日々紀行4 felicita vuota
空っぽの幸せ、というような意味だったかと思います。海外の駅、プラットホームからの写真です。包装紙のデザインのような色合いが静かです。
なぜか空気が舞うようなメロディになりました。こういう写真になぜか切なさを感じてしまうので、このシリーズが始まったような気もします。
日々紀行5 静霊のいる流間
これこそ何気無い一枚。普段誰もが見ている風景です。
これはたまたま誰もいない車両に乗り込んだ時の写真です。
誰もいない車両には霊が乗っている、子供の頃きいたお話にワクワクでした。
3:15ぐらいから音がわかる素材も入れました。この曲は同じパターンをずっと繰り返しています。そこから上下の音が揺れ動くように変化します。この手の制作に不定調性論はとっても相性がいいです。。またこういうモチーフがよく頭の中で鳴っています。今回のお写真からも急にこの8つのcのモチーフがなっていました。
日々紀行6 静かなほほえみ
海外の小路の写真です。暖かい光が印象的です。絵画にありそうですね。
心の中が得体の知れない穏やかさに包まれる時ってありませんか?
例えようもない、ただ幸福というにはあまりに不思議で寂しい充足感。
人ってまだまだ言葉で表現できない感情を抱えているのではないか、そんな気にもなります。
それは音楽で表現したほうがいいかな、と、このメロディになりました。
youtubeのそれぞれのページでも制作時の解説文が載っていますので、読んでいただけますと幸いです(あとあと印象が変わることもあるのでそこはご愛嬌)。
日々紀行(不定調性論的作曲技法による24作品) - YouTube
ここから現状の全曲をご覧いただけます。
近代音楽のような響きでもあり、ジャズ曲のようでもあり、といった印象かもしれません。調がありながらふわふわと流れるままにメロディを紡ぎます。セオリーで作るわけではなく、自分の中の脈絡を大事に作るわけです。
ツアーガイドに基づかないで観光地を直感のまま楽しむような感じです。ツアーガイドの楽しい旅行(機能和声)と、ひとり旅(不定調性)、二つの旅の楽しみ方をマスターしておけばたくましく生きられるかな?なんて思っています。
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