2018.1.13⇨2020.7.9更新
ビートルズの不定調性コード進行分析
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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「Abbey Road」3(2018)
アイ・ウォント・ユー - I Want You (She's So Heavy)
やっぱりマイブームだったのでしょうか。
この曲もブルージーですね。これも変わった進行を持っています。
Am7orA5 |% |% |% |% |% |% |
2/4 C |D |F |Am7orA5 |% |
Dm7 |% |% |% |% |% |% |
2/4 F |G |Bb |Am7orA5 |% |
E7(b9) |% |
b9のコードついに登場、という感じです。
ジャズのテンションはほとんどビートルズのアルバムに出てきましたね。
なんだか怖い曲の雰囲気をこのコードがまた与えていますね。
でも同時に「おまえが欲しくてどうにもならない感」は出ていると思います。
そういう「印象感」をb9thに求めて使ったとしたら、彼らのテンションサウンドへの印象力、凄すぎますね。
ブルースはI→IVへと動く音楽なので、ブルースの感じを出しながらもビートルコードで押していきます。
ビートルズは七音音階で作れる音楽にめどをつけ、他の領域(五音音階的、三度和音以外の要素を持つ和音音楽)の音楽にも"感じて得るものを表現する"を始めた、ということでしょうか。
アビーロードの図抜けた音楽性は、この進化し続けるビートルズのたどり着いた歪んだ、というか、前人未到の音楽性に、と考えることも出来そうです。
アルバムごとの凄いスピード進化を感じませんか?
ヒア・カムズ・ザ・サン - Here Comes the Sun
D |D |G |E7 |D |G |D |
D |D |G |A7 |
D |D |G |A7 |
D |D |G |E7 |D |G |D |
ビートルコードが、楽曲をビートルズにしていますよね。
間奏の
F |C |5/8 G |4/4 D |2/4A7 |3/8 A7 |
というラインもビートルコードによる進行ですね。
メジャーコードによる逆五度進行。意外と不安定な拍子が続くんですよね。
このような進行は、a day in the lifeでも述べましたが、四度進行の進行感を感じるならあなたも同じように使えばいいんです。
いちいち『サブドミナントのケーデンスの連続』なんて考えなくていいです(不定調性論的思考)。それを知ることは大切ですが、実際の音楽には関係ありません。
あなたの生み出した結論が、教科書に書いてある手法と同じであっても、違っても、気に留める必要はありません(そういう風に考える段階も重要、の意)。
そして最終的にあなたの音楽の答えはあなたが知っていなければなりません。