音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

ビートルズ作曲法の秘密~機能和声から独立する解釈を持てること~ビートルズ楽曲topic★★★

2018.1.8→2019.11.24更新

ビートルズの不定調性コード進行研究

ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「Beatles For Sale」1(2017)

1、アイム・ア・ルーザー - I'm a Loser 

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「ビートルズコード」といって思い起こす展開で進んでいきます。
Aメロ
G |D |F |G |
G |D |F |G |~

ここだけで十分です。

キーはGですが、VIIbのFがいい感じにビートルズしています。

 

現在でもこういう進行使われていますよね。

ポピュラーではさらりと行きますが、これをジャズ理論解釈して、
GM7 |D7 |F7 |GM7 |
などとすると、ちょっと変ですよね。ジャズ理論てジャズにするための方法論であり、ビートルズはそれでは説明できないんです。

 

ビートルズが作ったやり方は、誰でも押さえられるコードをメインに三和音でパーン!と流れる音楽で世界的ヒットを飛ばしました。ビートルズじゃなくいても誰かがやったでしょうが、彼らが一番目立っているため「ビートルズコード」となってしまいました。だから安易に真似すると「工夫がないビートルズ」「メロがいまいちなビートルズ」「安易なビートルズ」と揶揄されるのを嫌がり、なんとか「ビートルズっぽくならないように」アレンジを考えます。当ブログで扱っている、ユーミン氏の作品や、スティービー・ワンダーの作品も「ビートルズ的な方向に行かないようにするために工夫した結果できた彼らの個性」なんです。いちばんシンプルな方法論である、「知ってるコードをつなげて作る音楽」はビートルズが確立してしまったんです。

それに輪をかけて、ポールの天才的メロディセンス、ジョンの唯一無二のキテレツさ、ジョージのポールとジョンへの命がけの対抗心がスパークして、一番安易な音楽作成方法論だったはずが、唯一無二の楽曲制作方法となってしまいました。誰も真似できません。この環境はそう簡単に複製されないからです。

だから作曲初心者が「つまらないビートルズみたいな曲」ができるのは当たり前で、まずはそれでいいと思うのです。一番誰でもできる作曲の方法なんですから。「知ってるコードをつなげてコードの流れを聴きながらメロディを乗せる」っていうのは。

ビートルズはそこに彼等の個性が上乗せされ、さらにアップルチームのアイディアによって一味も二味も変えていったからこそビートルズが生まれました。

 

だから、「安易なビートルズ的楽曲」ができたら、あとはあなたの工夫次第です。

そこまでは簡単です。そこからが困難です。

メロディとコードができるまでは意外と簡単で、難しいのアレンジです。

20年ぐらいかかるんじゃないでしょうか。だいたい10年やって当たらなかったら辞めてしまいます。でもそんなに甘くないと思います、本当は小学校も得意教科を1年連続100点取らない限り先に進めない、としたらほとんどの人が小学校を卒業できないでしょう。音楽制作に限らず、好きなことを究める、というのはそういうことであり、社会の通過儀礼基準で考えないほうが良いと思います。

また、ジョージ・マーティンみたいな人がたまたまそばにいる、という人もなかなかいないでしょう。


三和音、というのは「簡素で初歩的」と思い込んでいるところがないでしょうか?

三和音は、鳴っている音が少ない分、極彩色で、色合いの変化がまるで色鮮やかな西洋の街並のように、文字通り「ポップ」に響きます。

そしてそのスタイルはビートルズによって極められてしまって、現代人に残されているのは「ビートルズがやらなかった方法」しかないんです。

まるでベートーヴェンの後に生まれた作曲家がベートーヴェンの亡霊におびえるように、しばらくはポップスはビートルズに亡霊に追われました。

そこからジャズ+R&Bが生まれ、ラップが生まれ、EDMが生まれたことでようやく音楽は拡散した、と思います。にほんだって、ずーーーっと「ビートルズみたいなバンド」しかいなかった時代があったんです。

 

でもいまベートーヴェンみたいな曲のスタイルを作る人はいません。

だから今素晴らしい!と言われている音楽があっても、後世はそう思わないかもしれません。だから流行にとらわれず、慣習に染まらず、自分の意思で作る音楽を見つける旅をしても良いと思います。

不定調性論的思考はその普遍的個性の躍進を応援します。

   

2、ベイビーズ・イン・ブラック - Baby's in Black

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これも全編コーラス。自然に聴き流してしまいますが、この美しいコーラスは魅力ですね。

Aメロ
A E7 |D7 E7 |A E7 |A |
という流れです。


このAはA7にしても良いような感じです。
でもそこまでブルースにしなくて良い、というのもあると思います。

ビートルズコードは「何のために作られたか?(機能和声)」より「どう使えるか?(ビートルコード)」を考えるのがポイントですね。

 

ここでのE7→D7の不定調な流れは、ブルースのV7-IV7の流れと言ってしまえばそれまでですが、この進行でブルーさを薄めて、もっと別の雰囲気を作ろうとしています。

 

ブルースという歴史の断片を、切り紙のようにちぎって貼り合わせて、新しい絵を作るような作業ですね。

最初は誰でもブルース1曲できるとそれだけで喜んでしまいますが、その先に何があるか、というと「自分だけのブルース調の音楽が作れるか」であるわけです。

当然最初は、「自分なりのブルースが、本家のブルースより魅力的なわけがない」と思ってしまうものです。

しかしその思考段階にいかに素早く踏み込めるかが、実は自己実現なのだと思います。

 

3、アイル・フォロー・ザ・サン - I'll Follow the Sun

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Aメロ
G | F7 |C | D |
C Em |D G |C F | C |
G | F7 |C | D |
C Em |D G |C F | C C7 |
展開部
Dm |Fm |C |C7 |
Dm |Fm |C |Dm |
G | F7 |C | D |
C Em |D G |C F | C |

キーはどこでしょう。

一見Gのようですが、Cです。ここでのDはCにとってのIIなんですね。

 

でもドッペルドミナントではないです。

展開部前のC7も美しいですし、Dm-Fmも非常に綺麗です。Aメロでは一切IImがありません。だからこそただのIImが劇的に響きます。陰りが生まれ、切なさも加わります。こういうことって知識ではなくて、真剣に音楽をやっているかどうかだと思うんです。

Aメロを下記にして唄ってみてください。
G | F7 |C | Dm |
C Em |Dm G |C F | C |
G | F7 |C | Dm |
C Em |Dm G |C F | C C7 |

これでも歌えてしまいます。だから機能和声を遵守したら、このAメロのきらきら感は生まれなかったかもしれません。

そしてもどるときはDmがVmになってドミナントマイナーモーションになっているのもこの楽曲の穏やかさ、甘さ、静けさを作っていると思います。

 

このDmは機能和声的解釈CメジャーキーのIIなのですが、私は独立して存在しているように感じています。

ダイアトニックコードというくくりで考えない、ことをまず前提にする、という発想です。

通例曲の展開部ですからIVなどに行く部分ですが、IImで代用されています。

IVmに短三度上がって展開するところが良いのですよね。IIm-IIm7(b5)でもIV-IVmではない、というところがまた新鮮でしょう。このDmをどう解釈するか、あなたは機能和声以外の解釈を持てますか?

 

このDmを、転調したような新たなコード、的に理解していくと、コードの性質の自在性に気が付くでしょう。

機能和声でビートルズを考える習慣をやめたとき、音楽が怖くなると思います。暗闇で支えを失うわけですから。何でもあり状態です。では何が指針になる??

そう、あなたがどう思うかが指針になるんです。

 

そしてそうやって独立したあなたを支える人はいないと思います。

全員が暗闇の中で伝統の灯に従っているのに、一人だけ自分でライトを発明して、電力使い放題で、一人で勝手に行き先を見つけて歩くなど言語道断だからです。

ビートルズだから許されていると思うでしょうが、彼等だって活動時は「素人細工」と呼ばれ続けたんです。彼らが20代で背負った十字架は一生背負いきれないぐらいの威圧だったことでしょう。


この「新たなIIm」への機能感を適切に説明する理論が無いので、機能和声では結果的に薄っぺらい分析しかできなくなります。

これを、「結果的にIIm解釈されるコードを使っただけであって、IImの機能和声的性質」が使いたかったのではない、と考える人はそこから先に広がる自在性に気が付くでしょう。

これができる方法論を自分で持ちたくて不定調性論を作りました。

 

わたしはこのIImはCから全音上のDmのキーに転調した、ぐらいのダイナミックさを感じます。でもこう感じたことを活かせる音楽方法論が私は不定調性論以外持っていません。だから拙論を活用し、この「印象感」を演奏や作曲に活かそうと思います。

この場面展開感は、ただのIImではありません。

そしてその解釈によって、新たな音楽が生まれることこそが音楽理論であると思います。

   

 

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