2018.2.11⇨2020.7.23更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ビートルコードができるまでを探る〜The Silver Beatles 6
フォーリン イン ラブ アゲイン
The Beatles ~ Falling In Love Again (Subtitulada)
1930年のこれまたスタンダードポピュラーソングですね。どのアレンジを参考にしているのでしょうか。
これも絶妙な転調が、偶然なのか、これが必然なのか、ビートルコードを作っています。
まずイントロ
C F |C |Dm G |C B7 |
Aメロ
E A |E |F#m B7 |E B7 |~
E A |E |F#m B7 |E |~
ブリッジ
G#7 |C#7 |F#7 |B7 B7aug |
E A |E C#7 | F#m B7 |E G7 |
ギターソロ
C F |~
このイントロからの転調と、ブリッジの7thコードの展開、そしてギターソロ前のG7の感じ。
凄い転調です。ブリッジの感じは、マリーナ・ディートリヒのアレンジにもみられるのでそのままですが、こうしたサウンドもビートルズの将来の楽曲に活かされていったのでしょう。
極めつけはギターソロの前のG7、これは完全にビートルコード。短三度上がったロックな転調に明らかにビートルズを感じます。
いい娘じゃないか / Ain't She Sweet
こちらは1927年出版の、スタンダードナンバー。歌い出しの感じ、P.S.I Lov YouやDo You Want to know a secret、If I Fellに通じる半音進行だと思いませんか?
どうなんでしょう。
知らずしらずに自分の聴いてきた音楽への憧れがオリジナル曲に出る法則
でしょうか。
このアレンジも原曲のいいとこだけをピックアップして歌っています。
これは誰のアレンジを元にしたのでしょうか。
とにかく「印象に残る所」をうまくピックアップしてエンターテインメントソングに仕上げています。だから聴いてて楽しいし、だらだらしません。
考えてみればビートルズの曲は、当時の曲の短さもあるのでしょうが、本当にだらだらしている箇所がないですよね。
Eb Edim7 |Bb7 | Eb Edim7 |Bb7 |
という歌い出しです。
当然こうした進行を実際速くから弾いて録音していれば、「こうした進行もあり」だと知っていたはずですし、こうしたワクワクするような印象を与える「コードが半音で上がっていく手法」で曲を作ってやろう、という野心があったとしても不思議ではありません。
こうした経験が、ジョンの半音進行に活かされているかもしれない、と思うと妙に納得です。