音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

制作メモ;日々紀行13-24②

前回はこちら

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皆様から何気ない日常の写真をいただいて音楽を作っていく作品集のご紹介、その4です。

お写真をご提供いただきました皆様に心より御礼を申し上げます。

動画では曲の最後にご希望のフォトネームを記録させていたいただいております。

曲の後半はMIDI画面が見れますので音を確認できます。

 

日々紀行19 瞳の中の君へ

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思い出のモノクロ写真。

少し何かを捉えようとしている瞳の中にフォーカスするような気持ちで見ていたらなんとなくいろんな思いやメロディが浮かんできたのでそれを一つの曲の中に収めました。

誰でもみんななんとも言えない静かな思い出とか、あの時自分だけが感じた思いを持ってるはず。それはきっと時間が経つと少しずつ音楽的な存在に変わるのではないでしょうか。瞳にはそれが映るように思います。

 

日々紀行20 夕海のつぶやき

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わんちゃんと海。こういう時間て不思議な時間。

あれ、人生って一人旅なんじゃないか?なんて急に感じたり。

また逆にそういう風に感じたくて海に行ったり。

わんちゃんもきっと何か感じてちょこんとそばにいるのだと思います。

 

日々紀行21 虹と忘却

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虹と白鳥と湖、名曲の名のような写真。溶けていくような時間を感じます。

現実はすぐ背後に迫っているのだけど、時には幻想を掴み取ってみるというのも悪くありません。現実逃避ではなく、幻想回帰。どちらが真実かは、やはり虹の方が確かな現象なのではないか、と感じます。

 

日々紀行22 ひとり空

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急に不安症に襲われたので、せっかくだから作品を作りました。その時頭の片隅でなっているメロディをそのまま音楽理論に関わらず、不定調性の価値観で作らせていただきました。

自分にとっての不定調性論は自分の音楽を生み出す唯一の方法です。

ちょっと音の鳴りの奥行きがおかしいのは、頭の中のこの辺でなっている、というイメージの再現です。気持ち悪い感じ。

脳のギアがニュートラルに入ってる感じの時、いつのまにかこういうメロディが鳴っている感じがします。

 

日々紀行23 赤とんぼ

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このシリーズ後半でカバーしたかった日本の名曲です。

なぜか心の奥の霊性を慰めてくれる曲です。

自分だけかもしれません。でも自分でそれを感じていても自分の音楽にできなかったので、今回不定調性論のツールを用いて再現しました。

みなさんにどう聞こえているかどうかわからないのですが、自分にとっての赤とんぼが持つ霊性はこういう雰囲気なんです。決してこどものうた、童謡ではなく、すごく必要性を感じる曲です。

 

日々紀行24 アオウルエ

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題名は

です。わかりますか?

これもその完全な存在を一つの言葉で表現したくて感じ取った言葉です。

24音で作られています。

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曲のメロ氏を集めるとこのように12音が2回ずつ登場しています。

コード進行もあって

A7(b9,#9,#11,13) Dm6(9,11) Db6(9) CM7(9,#11)

というものです。これは調的な曲なんです。12音を全て使っているのになぜ調的と言えるのでしょうか。

(機能和声では低音が優先さるがゆえに調を特定できます。不定調性論では低音優先は選択肢の一つになります。)

それは機能和声が本来持っていたコンセプトをジャズがその方法論を「拡張」していったために起きた結果だと思います。

不定調性論は結果として拡張しきった先にある音世界をスタートラインとして逆方向から機能和声に向かえるように再構築された方法論です。

逆に、「音楽理論が拡張された先」で自分自身が音楽をどう考えるか、を自分なりに確立しておけば、音楽表現は扱いやすくなると思います。

今回の作品は全曲、不定調性論の中の様々な作曲のための方法論を用いて作られました。具体的な手法や、思考法、クオリアという存在への向き合い方、矛盾する状態への対処法、個人的な意識の再現方法など、とにかく自分にとっての作曲の有り様をそっくりそのまま作品にしました。

これがアンサンブルになってしまうと、純粋に不定調性論のみで作った、とは言い難いのでピアノソロ、という形式をとりました。

今のタイミングでしかできないことです。

 

お写真のご提供本当にありがとうございました。

大変光栄に思います。自分にとっては、これまでの人生で一番重要な作品になったと思います。これからこれ以上のコンセプトを持った作品を生み出せるようさらに日々の仕事に、自分の日々紀行を磨き上げていきたいと思います。

 

「24曲の日々紀行」

献呈: kyo-chama

 

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