2018.1.26⇨2020.3.2更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察 アルバム「Help!」2(2018)
28、悲しみはぶっとばせ - You've Got To Hide Your Love Away
Aメロ
G D |F G |C |F C |
G D |F G |C |F C |D |
サビ
G |C | Dsus4 D |Dadd9 D |
です。メジャーコードがぐるぐる回って、Gに戻る進行です。
G=Iとすると、D=V、F=VIIb、C=IVです。
サビのDのクリシェは、ギターが押さえっぱなしで指一本だけ動かす的な感じで弾けるので楽なんです。定番です。
29、アイ・ニード・ユー - I Need You
イントロにまたAadd9-Asus4-Aみたいな流れが出てきます。このときの彼らのマイブームだったのでしょうか。
Aメロ
A |D |A |% |
A |D |A7 |% |
サビ
F#m |C#m |F#m |Bm |
A |
展開部
D |E7 |A |% |
D |E7 |B7 |E7 |% |
展開部でのB7=II7もまた、変化を与えようとしている感じがちゃんと出ていて、作曲に対する意識、として学びがいがあります。
30、アナザー・ガール - Another Girl
A |D7 |A |D7 |
A |G |A | D7 |
A |G |A | D7 |
D7 | % |% |E7 |
これもまたメジャー系コードの曲ですね。
ここではA=Iセンターで、G=VIIb、D=IV、E7=Vです。
機能和声感をうまく使いながら、コードの連鎖感を演出していると思います。
今回の三曲をみると、この時期にはかなりこのメジャーコード作曲技法が応用され、使いこなされ、「ビートルズのサウンド」が確立されていったようにも思います。
もちろんコード感だけではないですが、こうした作り方でヒットを飛ばせる、ということがわかると、結局「自分たちのやり方で行けばいいんだ!」というような確信はかなり高まったのではないか、と感じます。
「確信が高まる」ってプラシーボでもなんでもいいんです。
体の中が変わるし、それによって意識も変わり、アウトプットも変わってきます。
この時初めて人は「責任感」を感じると思います。
社会人一年生に責任感なんて無くて当たり前です。
自分で考えて仕事をしていくうちに初めて、手応えをつかみ、その先に「自分の責任感」が生まれます。それもまた不定調性論的思考だと思います。
そうやって音楽も人生もどんどん新しい技法・生き方(自分にとっての新しい、で良いと思います)が確立されていくことになるんですね。
必ず世界では誰かが先にやっています。でもそれをいちいち調べることは不可能です。
だから自分が感動したら、その方法を追求していくしかありません。誰が最初にやった、とかあまり気にせず。そういう表層の権利を主張しなければいいんです。その先にあるサービスづくりに邁進し、その実際のサービスでビジネスしましょう。
Help! In Concert: Greatest Hits 1964-1966