ビートルズの不定調性コード進行研究
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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察 アルバム「SGT.Pepper's〜」3(2018)
ウィズイン・ユー・ウィズアウト・ユー - Within You Without You
珍しいロクリアンモード的な曲ですね。
ベースは常に、C#ですから、C#ナントカモードになりそうですが、これはもうポピュラーソングの枠組みを超えて考えてください。
不定調性的な発想で、感じる方向に作っていく方が、こうした曲は生まれやすいと思います。
ジョージのメロディは最初Fのロクリアンで変化していくように感じるのです(各位ご確認を!)。
でも弦楽器のフレーズが時々E音を使います。
つまり、C#にとってのEはm3だから、C#ドリアンになり、なんとモーダルセンターだったFを飛び越える荒技を起こすんですね。
だからここで、C#マイナーペンタトニックのようなモードに「モードチェンジ」するんです。
このあたりが、楽曲全体の色合いを微妙に変えていて、民族音楽的一本調子になっておらず、ちゃんとポピュラーミュージックになっています。
中半のメロディの着地点は、d#だったりするので、 D#エオリアン的にもなったりしますが、全体の印象がロクリアンの雰囲気を醸し出すため、この微細なモードチェンジは、あまり極端に感じられません。
で、楽曲全体の音をおおざっぱにまとめると、
F-Gb-Ab-Bb-Cb-Db-Eb-Fb-Gb
というような感じになります。
これ、もうモードというより、インドのラーガ的雰囲気ですね。オクターブという概念がありません。ルートがオクターブ上で出てこないのです。
ラヴリー・リタ - Lovely Rita
これもビートルコードオンパレードのナンバー。
起点
Bb |Ab |Eb |Bb |
Aメロ
Eb |Db Ab |Eb |Bb |
Cm |F7 |Bb7 |% |
Bメロ
Eb |Ab |Db |Gb |Eb |Bb |~
このアルバムでは、本当に好き放題コードを並べてますね。
まさに集大成であり、このメジャーコードが作り出すある種不思議な雰囲気(調的に感じられない、不思議な調性感)を何とかカテゴライズするためには、こうしたアルバムコンセプト"不思議の国の音楽だから、サウンドが不思議でも自然でしょ?感"が当時は本当にぴったりだったのかもしれません。
各コードはこのブログではおなじみの配置。
この手のコードを並べてみて、自分なりの自由なサージェントペパーズ進行、作ってみてください。
グッド・モーニング・グッド・モーニング - Good Morning Good Morning
この曲は5拍子が挟まってくる、プログレッシブなナンバーです。
当然こうした曲の場合は、コード感も自由になりますので、ビートルコードが使われています。
G#--F#--G#--C#--D#
というのが、Aメロ、Bメロのコード利用。
説明の必要のないビートルコードですね。
キーとしてはG#になるので、それぞれ
F#=VIIb
C#=IV
D#=Vとなります。