前回
それぞれのモジュールで統一した機能の表記は省いていますので前回以前のページやHelpを日本語訳参照し慣れておいてください。
Spectral Shaper
こちらの動画の7分47秒過ぎくらいからスタビライザーとスペクトラルシェイパーの違いを説明してくれています。

耳障りな周波数帯域を自然な感じに修正できるツールです。拡張されたデュエッサーのようなツールです。使い手ご自身が問題点を指摘できる場合に有効です。スタビライザーよりも積極的に自分の意図をピンポイントの帯域で反映させることができるツールといえます。
こちらもsoloボタンを押しながら聞くことで修正していってください。
動画はOzone9で、修正の程度を示すLight、Medium、Heavyの位置が違います。ご注意ください。
またThresholdはAmountに変わっています。
toneは明るさですが、リダクションがかかる場所が変わることで、暗さ、明るさを変えていく様がわかります。このtoneの性質を利用してリダクションする範囲を決めても良いと思います。


attackはリダクションがかかり始めるまでの時間、releaseはリダクションがoffになるまでの時間。
動画では、ボーカルのサシスセソやシンバルの尖った音やギターのブリッジミュートのゴリゴリモコモコ感を均等にしてくれる、という表現をしています。
DeEsser+ダイナミックEQ+マルチバンドコンプ=Spectral Shaperという感じです。
ディエッサー的使い方。
ピンポイントでかけていますが、エフェクト自体は曲全体に掛けるのが現実的作業でしょうから、ここだけのためにOzoneのモジュールを走らせるという手もありますが、自曲マスタリングならミックスに戻って直す方が良いかも、です。
こちらもせっかくですので。
このモジュールも使い方によって、音を予期せぬ形で変える恐れがあります。

MX4の500Hzのサイン波にOzoneのSpectral ShaperをAttack=0にして掛けます。

すると、

最終的な音に、最初にはなかった倍音が追加されます。
モジュールによって音が整う、ということが「他の音を足すことでマスクする効果」が起こり得る可能性も考え、元の音を大事にするなら、どうやって最小限に効果で最大の成果を出すか、みたいな企図を考えさせられます。
こうしたツールは使えば使うほど音が変わる恐れがあるので高い技術が必要とされます。
Impact
つぎにImpactモジュールを見ていきます。

四つの帯域に分けてダイナミクス/トランジェントを総合してコントロールできるモジュールです。こちらも普通に使う分にはそれなりになってくれますが、知識がないと全く意図しない、ただのかっこいい音になってしまう場合があります。

それぞれの帯域を
強調(フェーダーを上げる=よりオープンでパンチの効いたサウンド)
抑制(フェーダーを下げる=マイクロダイナミクスが圧縮され、より密度の高い、粘着性のあるサウンド)
つまり上にあげればダイナミクス/トランジェントが強調され、下げれば抑制される、ということです。練習としてドラムのスネアなどのトラックに単品でさせて確かめておくといいです。
下中央の「Bands」=リンクバンドをオンにすると4つの帯域が連動して動いてくれます。


Stereo Link を有効にすると、中央の信号のマイクロダイナミクスに基づいて、左右のチャンネルに同じ調整を適用します。
リンクされていない状態では、ステレオフィールド内の特定の位置でミックス要素のマイクロダイナミクスを調整します。
これかけてみるとわかりますが、だいぶ効果が違います。
左右に広がる音、振った音がよくわかる場所をソロ聴きしてかけたり切ったりしてみてください。インパクトがかかってリリースしていくステレオ位置の流れがまるで違います。ディフォルトでは切れているので、まず切った状態で問題なければあえてステレオリンクを入れなくても良いと思います。

Impact処理によって生じたレベル差はこのAutoボタンをオンにしてimpact前後の音量を等しくできます。
リリースタイムは下記Envelopeにて。Syncオフでミリ秒単位、onで拍数単位で。



AmountはImpactモジュールが全体にかかる量。
また、Learnボタンを押すと適切な帯域に自動的に分離してくれます。
しかしこれは場所が変われば分別される帯域も変わってしまうので、どうしても区別がつかないところの帯域がある場合のみに使う方がいいです。
下手にセットしてしまったあと、Learnをかけると全てが崩れてしまいます(時計マークから履歴を辿って戻ってください)。

帯域を変えるには上記赤枠をつまんで左右に移動させます。
Iが電源、Sがソロ聴きです。

こんなふうにソロをそれぞれ聞くこともできます。
スネアの音だけを地獄聞き、みたいなことがEQのようにモジュール上ではできないので、EQと一緒に作業するか、帯域を探して、Deltaで差分を聞きながら、係り具合を調節していく、という掛け方になります。
例えば、低域のダイナミクス上げ、高域をざっくりダイナミクス下げ、を実践しても下記の波形のように、低域はわずかでも結構ざっくりかかりますが(波形の山型になった濃い青)、高域は思いっきり下げてもほとんど変化がわかりません(波形下部分の谷型薄青部分。)

大きな変化を与えるために、帯域を広げて、ずらして変えて、みたいなことをし始めると訳がわからなくなるので、やはりあらかじめ楽器のダイナミクスの問題点を特定できて、ミックスに戻れるならミックスで直した方が良いです。
