世の中には様々な数列が知られています。
一番シンプルなのは自然数列による自然倍音列といえますね。
そして逆数による倍音列=下方倍音列をよく拙論でも使っています。
今回は様々な数列の規則にどのような平均律との関係があるのかを見ていきましょう。
音が作り出す響きの美的感覚=数理の美的形式の脳内変換
と考えて、どのような数列的規則の中に、どんな音集合バランスが隠れているか探ってみたいと思います。
今回最初に24平均律の小数点第四位までの表を作り、自然数がどこに当てはまっても音名がすぐ割り出せるような表を作りました。これだと見づらいので、
小数点一位に四捨五入して今回用の表を作ります。
今回は自然数になる数列、または小数点表記にならない数表記を基本にその形態を考えてみましょう。
この場合、
こうなりますから、
自然数7はA音と解釈します。
また、自然数57はA#に寄っているのでA#と解釈します。
同様に自然数7250は????
そうです、A#と解釈します。
今回は12音に振り分けたいので、このようにしていますが、各自自分の振り分けたい範囲を設けて作ってみてください。
今回は2の12乗根と24乗根を用いました。
winを関数電卓表示にして、
12乗根だと、
1.0594630943592952645618252949463
となり、24乗根だと、
1.0293022366434920287823718007739
となります。これらの数値を使いましたので、参考にされる方はどうぞ。
<今回使った表>
今回はA=440を基準に第16番目数までまず基準で考えてみます。
<自然倍音列>
自然倍音列は、1,2,3,4,5...自然数列を用いて割り出したものです。
ここでは7thコードが現れ、ドミナントセブンスに付属するテンション9,#11,b13が現れているのが特徴です。
<下方倍音列>
逆数倍音列では、完全五度下の短三和音が転回して現れるのが特徴です。不定調性論では、これをL5トライアドと考え、「完全五度下の短三和音」とは一旦考えないで本論をスタートさせます。短三和音、というのは人工的に作った形式であり、数理上はこの
R-P4-b13という和音が本来の下方の和音になります。
<素数倍音列>
また7th。
こんな感じで神秘和音に近い感じがまた神秘的ですね。ホールトーンに近い感じでP5があるところがまた音楽的です。
<フィボナッチ数倍音列>
これまたA△がでます。2、3、5倍音が出る限り。
ちょっと上の方までやってみました。
DmM7が出ますね。そのあとD#mM7が出るという面白さ。
またBM7、CM7がでるこのトライアドの連関が面白いですね。
三つずつずらして三和音を取っていくと。。。
ちょっとまじになってやってみました。
表が足らないので拡張。エクセルで計算式コピーしています。ここに齟齬があったらこちらではわかりません汗。
だいたいこの値の中間ですね。
これをピッチクラス的思考で振り分ければ、
この音はF#と振り分けることができます。
これで出現する音をコードネームで考えてみましょう。
これずーっと繰り返すんかなやっぱり。
この最初の三番目のAですが、これ、、、この理屈で言ったら、G#であるべきですよね。面白いですね。トリボナッチ数、テトラナッチ数、ペンタナッチ数、ヘキサナッチ数...というように加える項数でいろんな数列が作れるようですから、研究でやってみると面白いかもしれません。
augコードとかmM7の和音が持つ美しさというのは、フィボナッチ数列的な、またはこれに絡んでいつも表れる黄金比のような美的感覚を我々は知らず知らずに音感覚で把握しているのかもしれませんね。
すくなくとも、マイナー系の切ないコード進行
Em |C/E |Em |C/E |
みたいな進行はフィボナッチ的美的バランスを含んでいる、と言っていいかもしれれません。数学者の人にいろいろ紐解いて頂きたいところです。
音は数、数は宇宙。ですから、科学者も音楽家も見ているところは違っても全員「美」を探求しているんですね。
このからくりは、全ての数字を12の枠内の納める、ために規則が出やすい、というのはあろうかと思います。
それでも素数とかはやっぱり規則がないんだろうな、と思います。