お世話になっているMar's Orangeさんの作品です。
Mar's Oange名義で作詞・作曲・編曲協力をご依頼いただいています。
今回の作品はたまたま偶然モロ不定調性なので、こちらのブログで紹介します。
例えば、こういうメロディを作ったとします。

なんとなく並べてできたフレーズです。
こちらが機能和声的アレンジです。

ここまでは勉強してください。勉強すれば誰でもできます。
このメロディ、雨上がりの多摩川の川っ縁を歩いてた頃を思い出しました。
静かな川際と騒がしい陸橋と密集したビルが遠くに見える風景に、何とも言えない空虚さを感じます。
こういう感じは、学んだそのまんまで私がどこにも入っていません。飽和感とある種の息苦しさを感じます。
うまく表現できないのですが、自律神経が弱いせいか、安定という状態が怖いのです。自律神経がうまく整わない人はわかると思うのですが、独特の悪心、妙な体内の違和感を発作的に感じる人生です。
現時点での不定調性アレンジではこうなります。辿り着いた自律神経失調音楽。

二本の手で弾けないDAW独自ピアノ曲。
音楽表現まではいかない、中途半端な独り言。
お前は独自論であり一人でやっとれ、と言われることを受け入れた結果、自分のやりたいことが少しずつ整って来ました。
社会に出ていくつもりはありませんので、いつまでも稚拙なところは治りませんが、自分なりのペースで勉強してまいりたいです。
「不定調性」の構造美は、日本人が得意な、
・調和の中に潜む不調和
・不調和の中に潜む調和
に侘び寂びセンサーを呼び覚まし、憂い、脆さ、儚さ等を見つけて美意識を当てはめる民族的技能でしょう。
シャコンヌのスペクトルにインスピレーションを得る
下記、バッハのシャコンヌの冒頭のDmを例に考えましょう。
このDmにも、3度がない等いくつかバリエーションがあるので任意です。

私はパールマンの演奏が好きなので、
この冒頭のDmの切迫感が、独特ですよね。
ただのDmなんですが、ただのDmとは思えない心象を持つじゃないですか。
それがこうした音楽家のすごいところだと思うのですが、私などはそう反応するだけで何もできません。でもなんとかこの感覚を表現する方法が欲しくて、自分の方法論の中からできることを導き出しています。
これは考え方の一例です。
こちらの音源の冒頭をPro-Q4でフリーズしてみました(先の譜例とは無関係/一致しない可能性あり)。

特徴的な音はc音(7th)とg音(11th)(位置によってはf#=3rd)です。これらの音が響く音響的理由は色々あるでしょうが、これがこの時のパールマンの音源をYoutubeやダウンロードソフトを通して聴いた結果の「音の指紋」といえます。
ただのDmじゃない根拠をここに見出しても良いと思ったのです。
本来この曲のDmの一例は、素直に解釈すれば、

こうですね。文字通りDmです。SRG表記では|Dwです。
これに対して、先のEQにおける特徴的な倍音の種類を平均律化した音を自由に加えてみます。
それぞれの音のバーの塗られた部分の長さの割合が、その音の強さを象徴してます。上部の音は構成音ではなく「音色」「心象」を司る役割になるために、薄ーく鳴らします。これについてはずっとこのブログで言ってきましたね。

こんなふうなDmができます。通例のコードネーム表記だと、Dm7(9,M3,11)です。
SRG表記でも下記のようにかけます。
ですから、
/D|u7w
さらにここから、個人の嗜好、クオリア、今の感覚を反映させ、自分の心象に合う音を構成します。
シャコンヌのパールマンの響きには程遠いのですが、あのなんともいえない鬱屈したような感情を自発的に表現する一つの方法、手段にはなります。
上記の音画像を失念しました。。
微彩音と微彩和音
私はここ何年か、こういう響きで不定調な雰囲気を出すのを好んでいます。
これは響きのサンプリングであり、表題に名付けた通り、微彩音(Microreflective Tone)を用いた、微彩和音(Microreflective Chord)といえます。これは楽曲全体の色調が不定調性だから(私のようなものでも)比較的自在にできる、というところがポイントです。
あとは個人がどの程度再現するか、誇張するか、主張させるかで全く違うDmがいくつも生まれます。
構成音だけど、和音構成音ではない。微かな彩りを作る音。
一つの楽器で作る必要もありません。シンセを加えたり、ノイズを加えてもいいです。
感情や心象を音にします。この時伝統的な和声理論は邪魔になります。
またこの個人的心象を具現化するほど、社会性からは離れてゆきます。
正確にその音を再現したいのではなく、あのDmを聞いて感じたクオリアを表現したいんです。
私は、感動を再現したいのではなく、感動が生んだ音を作りたいんだと思います。
それが独りよがりの域を出ないので、私の場合は生涯独自論的な世界観で終わることでしょう。そして逆にこの立ち位置で極められるものは極めたいです。
プラグインが作る音と心象
たとえばDAWだとすぐわかるのですが、

上記はオーソドックスなC∇です。

で次が不定調性微彩和音のC∇。

これをSRG表記すると、
ですから、
\Csh!w

この場合、低いところにd音が目立ってきています。
EQでは見えない要素もたくさんあるわけで、結果的に、人が心象で判断します。
ここではそうした音が作り出す心象と影響を「音象/音影」としました。
これを全て論理的に説明できる人もいるでしょう。
しかし私はC∇と置いているのに低音にdが出ているなど考えもしません。もちろん聞こえません。だから全体を聞いて、自分の耳と心象と信念で良し悪しを判断します。
また自作品の中で時々出てくるのですが、
こういった広範囲の和音を高角微彩音と呼んでいます。同じオクターブに収めると、半音でぶつかるような音域になりますが、広範囲に拡張することで不思議な煌めきとなります。
この辺の旋律線もその類似性があると思います。
調的メロディの不定調性化
もう一つ考えてみましょう。

このようなメロディがあったとしましょう。
これをアレンジしましょう。

同じメロディでもう一つ。

こちらは9度上と、さらにオクターブの同じメロディ和声単位として重なり、旋律を金属的に、寒々しくしています。
一方、単純にポピュラー/ジャズ音楽的(?)に和音を載せる場合も、少し趣が変わります。

さらにポピュラーメディア的にしましょう。

これだと私がやらなくてもいい、こういう音楽は共有財産だと思っています。

"おまえは何をポチポチやってるんだ。。。"
と、いつも横でたしなめられています。

