2018.2.9⇨2020.7.2更新
ビートルズの不定調性コード進行研究
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ほぼ全曲ビートルズのコード進行不定調性考察「Yellow Submarine」1
オンリー・ア・ノーザン・ソング - Only a Northern Song
「僕がどんなコードを弾こうが、どんな詞で歌おうが、問題にはならない。」
とこの歌の中で、ジョージは歌っています。版権の難しさについて歌った曲ですね。
A |% |% |% |
Bm |% |Bm/E ?? |% |
A |% |
A |% |% |% |
Bm |% |Bm/E ?? |% |
A |% |
まずこの混沌としたコード、何となく歌詞を聞いていると
「もーコードなんてスリーコードでいいよ、あとは適当にやろう!」
というコンセプトなのかと疑うくらいコードが分かりません。
コードすらハッキリしなくなる、
というのもホワイトアルバム以降のビートルコードの進化した姿だと思います。
「結果的にトニックに戻ってくると、それっぽくなる」
ということに、何となく気が付いているのでしょう。これってフリージャズの発想に近いです。「音を出したらみんな音楽を感じるのではないか?」です。
新しいことヘの挑戦に辟易することだってありますし、意外とやってみたら、底が浅かった、ということもあります。
この曲はまるで"ジャムの中を泳いでいる感じ"です。
それまできっちり作っていたビートルコードを混ぜ合わせ、ぐちゃぐちゃにして「できました!」と言ったかのような凄いサウンドですね。
音楽に飽きたのでも、舐めているのでもありません。可能性が爆発してしまってる、とでもいえばよいでしょうか。ビートルズがもう既にこの境地をつくったのですから、今の皆さんは高校時代にこの境地を知ってもいいと思います。
そこから10代をスタートしないと、新しい音楽を創ることは難しいと思います。
E |G Db7 |F# |Bm |
F# |3/4 D A E |E |
後半はこんな感じでしょうか。
ちょっと違うかもしれません。ビートルコードはしっかり使われており、D-A-Eもビートル進行です。
「どんなふうにしても音楽は成り立つ」
ということをホワイトアルバムで実践した結果だと思うのです。
ちょっとホワイトアルバムの「Revolution No.9」的な要素を軽めにした曲、とも言えます。
曲的には、ジョージのI Want Tell Youにも似ていますね。
オール・トゥゲザー・ナウ - All Together Now
G |G |D7 |D7 |
G7 | D7 | G | :|
~C |% |G |% |
C |% |D |D7 |% ¥% |
ヘルタースケルターとAnd I love Herが同じバンドから出てきたとは思えませんが、この曲やオヴラディオブラダも同じバンドの曲とは思えません。
ビートルズ、というブランドはそのサウンドではなくて(サウンドはあくまでその当時の機械が出せる音にすぎない)、挑戦し続ける姿勢そのものがブランドのバンドであり、ポール・マッカートニーという怪物作曲家は、「ジャンル」という狭い尺度が
ジャンルっていうのは所詮同じような曲しか作れない音楽家が多いから生まれた尺度
ということを教えてくれます。