音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

あなたの音楽ルールは実践から自分で作る~ビートルズ楽曲topic

2018.1.13→2020.7.5更新

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ビートルズの不定調性コード進行分析

Because /The Beatles

open.spotify.com

イントロ
C#m | % |D#m7(b5) | G# |A |C#m |A7 |A13 |D/F# |Ddim |

 

この曲、ベートーベンの「月光」の楽譜の逆さ読み、とされています(アルバムライナーノーツより)。

実際どこから逆読みしたのかまで調べていませんが、「月光」は最後からですと、
C#m | % |D#m7(b5)(?) |C#m |D#m7(b5)(?) |C#m |G#7 C#m/G# |F#m6~
というような展開ですから、確かに似ているといえば似ています。
(?)解釈のコードはディミニッシュ解釈も可能なので、敢えて特定できる、というわけではありません、あしからず。


同曲は「月光の逆さ読み」だ、という種明かしを聞いて、
「ああ、そういうふうに作ってあるんだったら、音楽理論的に考えてもしょうがないか。」
という感覚を持つ方もいらっしゃるかもしれません。

 

また逆に、
「な?新しいフォーマットだろ?」
って、発したジョンのメッセージに気が付いた人もいます。

 

あなたはこの話を聞いてどちらのタイプですか?

自分なりの思考フォーマットを持っていただきたいです。

 

音楽系教育機関で音楽を、音楽理論を学習する際に伝統理論に対する学習が長引けば長引くほど、デビューが遅くなる、というのはある意味で当たっています。

そして勉強そのものは一生続くので、どこかで切り上げて飛び降りないと、飛び降りる恐怖と覚悟と負けん気を学べません。 

 
CとGしか弾けないけど、オリジナル作っちゃいけない、ということはありません。
もしメロディと歌詞が浮かぶのであれば、先生と二人三脚でどんどん作ってみましょう。勉強するより作ることが得意な人もいます。そのほうが食いっぱぐれない、のも事実です。
最初の10曲ぐらいは勘で作っていくことになりますが、その工程がないと、どう作ればいいかがいつまで経っても分かりません。

 

野球に興味があって、中学校の3年間はひたすら野球のルールや映像だけを勉強して、高校から実際にやってみる、では中学時代の3年が勿体無いです。

 

作曲も同じです。知識はほどほどに、まずひたすらへんちくりんなオリジナルを作って人に聞かせ続けましょう。学習意欲は「必要性」によって生み出されるんです。何くそ!から作曲意欲が湧く人には作曲家の道を勧め、悩んでしまう人には別の道を提示すればいいだけです。

 

教育機関では実践的な思考の獲得を半年から一年で持てる学習フォーマットの提供を、伝統学習と同時に行えることが現代の音楽スクールに求められている最大のサービスなのではないか、と思います。

 

ビートルズの曲は好き嫌いが分かれます。これは好き、これは嫌い!と言いやすい曲ばかりです。そのくらい個性的です。

でも音楽を仕事に目指すなら、できればどの曲にも理解を示そう、という努力だけはしていただきたいです。そして自分なりに理解してみていただきたいです。

そのあとで、そこから自分の好み、自分に合っている音楽の道が見つけると、音楽はさらに楽しいです。好き、嫌い、というだけで手を出さない、では実は生産性が一番低いんですね、って若い自分に言いたい。 

   

 

 

=(同曲構造についてのメモ)==
このイントロは、ジャズのマイナーのII-V(D#m7(b5)-G#7)になります。
G#のあとはトニックに戻らず、VIbに進行。A7はVIb7で、ブルージーVIbとされるものです。VIbM7の変化和音であり、サブドミナントマイナーの機能を持つコードとアナライズできます。

DがIIb△になり、さらに曲の締めがDdimというのが面白いです。本来はIm--IIm7(b5)をつなぐパッシングディミニッシュコードなのでしょうが、m7(b5)コードにパッシングディミニッシュをつなぐというのはセオリーでは疎まれる慣習です。彼らの面目躍如ですね。
このImとIIb△はそこだけ見ると、フリジアン進行になっています。
フリジアン進行に流れの美しいパッシングディミニッシュの変化使用コードが差し挟まれている感じを楽しめるかどうかで、この特殊信仰の印象や評価も個々で変わってくるでしょう。