スティーリー・ダンの不定調性進行分析
Midnite Cruiser / Steely Dan
Dm |C/D |Bb F |G |
Dm |C/D |Bb F |G |
Dm-C/Dとベースを固定して流れるこの感じ、どうですか?
「ああ、そういうのもあるね」と感じるとか
「ちょっと都会の雑踏とか浮かんでくる」
とか感じるのか、人それぞれだと思います。
まず自分の感じ方を認めましょう。
で、作曲する人は、その感覚を用いて作曲ください。オリジンルなものができます。
Bメロ
Gm |2/4 F |G |
2/4は拍子です。
拍子指定が書かれていないところは全て4/4。
ちょっとした繰り返しが「次に行きたい感を作る→これがドミナントへ行ったときと同様の異なる進行欲求を作り出している」ということを良く分かっている人たちです。
変拍子というのも、ある種の欠落感が進行欲求を生み出すのかもしれません。
サビ
C |G |Bb |F |
C |G |Bb |F Am |2/4 Em F |F |
これはビートルズの「A Day In The Life」の
「あーあああーあああーあああー」
の逆ですね。
C-G-D-Aというのがビートルズ。その逆方向に行ってます。
このメジャーコード連鎖が持つページをさらさらとめくっていくような展開感が面白い進行です。
この「肝心なところでのドミナントコードのなさ」が都会的でクールで、見栄っ張りさが感じられたり。
不定調性論的に、機能和声の先に行くとき、とても良いインスピレーションをくれるバンドであることは間違いありません。
Pretzel Logic / Steely Dan
これはブルーでは無いブルース。"グリーンブルース"とでも呼べばよいでしょうか。そんな色彩感ですね(共感覚)。
Am7 |FM7 |Am7 |Am7 |
Dm7 |Dm7 |Am7 |Am7 |
D/E E/A |C/D D/G |D/E E/A |C/D D/G |
D/E E/A |C D |C |FM7 |
G |Am7 |Am7 |
という1コーラスです。
シャッフルビートに乗って、ブルースかと思わせるような感じでぜんぜん違う、でもぼーっと聴いているとただのブルースに聴こえてくる不思議。
例えば、
C7 |( ) |( ) |( ) |
F7 |( ) |( ) |( ) |
( ) |( ) |C7 |( ) |
カッコ内を自由に埋めて12小節のオリジナルブルースを完成させてみよう!
みたいな課題、やってみて下さい。
この曲ではFM7がまた異様にかっこいいですし、後半の分数コード波状攻撃!
ここではたとえばE/AつまりG△/C=V/I
という和音が使われています。
ただのF-G-Cを
F△/G--G△/C--CM7
として、音楽作れるか、みたいなことです。