上記ページで楽曲のコード構造の類似性や展開その他を検索するやり方を書いておきます。
楽曲のコード構造を理解する手っ取り早い方法はディグリーで流れを理解できることです。これは音楽理論やった人の勝ちです。
また、1日10曲くらいポンポーンっとできる人はこのブログの情報は一つも必要ないです。
C-F-G-CをI-IV-V-I、またはIIIb-VIb-VIIb-IIIbと言い換えられるところまで勉強してください。そのためには、
・メジャー/マイナーダイアトニックコードの掌握
・そのディグリー言い換え
・曲のキーを把握する(どのコードがIでどのコードがImか識別できる)
くらいまでの勉強ができたら一旦理論書閉じてもいいくらいです*1。
下記が上記内容をまとめた対応表です。全部覚えるまでは表をポケットに入れて唱えながら生活します*2。

IはIIIb、という具合に平行調をいつでも言い換えられるようにしてください。


覚えたら、あとは早いです。
曲を作りながら、
F-G-Em-Amを覚えて曲を10曲くらい作ったら、いよいよ煮詰まって
「同じような進行の曲にアイディアもらえないかな?」
「なんかいつも同じになっちゃうな、変えようかな」
とか思って、、、そういう時にヒット曲の構造を見るといろんなアイディアがもらえます。ジャンルが違うと全く参考にならないので、ex.Future Houseしか作らない、という人はご自身なりの楽曲分析をするしかありません(というかみんなそうやって上達します)。その曲がヒットするかどうかは世間の皆様が決めることです。
F-G-Em-Amはそのコード構造から、


Cメジャーキーかその平行調のAマイナーしかありません。メジャーコードが連続する時、それらがもしダイアトニックコードなら、iv-vまたはvib-viibしかないから特定が簡単です。コード分析や覚え方もコツがあるので工夫してみてください。V7やIIm7(b5)などもキーの把握の目安になります*3
曲想によっても変わりますが、念のため二つのディグリーを書きます。
IV-V-IIIm-VIm
または
VIb-VIIb-Vm-Im
です。どちらもII以降のディグリーでの構成なので、
このページを参照します。調べる方法としては、
目次からIV系、VIb系をみてもいいですし、

ページ内検索を使って、検索窓にディグリーをそのまま書いて検索してもいいです。
下記1/54というのは検索結果が54種類あることが示され、右側には大体の記述箇所、検索箇所はオレンジ反転して表示されます。

インターネットで「"F-G-Em-Am"」とダブルクォーテーションで括って検索しても楽曲をまとめて検索できるわけではありませんし、全ての楽曲が同じキーで作られているわけではありません。現状AIでディグリーで検索しても適切にヒット曲を列挙してくれません。微妙に必要とする人が少ない割に、職業的には結構必要な情報の集積だったりするもの、ってあります。
そこで検索してチェックできる能力を上げるためにもディグリーでの言い換えができることは必須です。
これで大体調べたら、類似楽曲のアレンジや、前後の展開、実際の楽曲でIV-V-IIIm-VImがどんなアレンジで展開しているか、などの確認ができます。
😺IM7やI6はIM7、I6ではなくI、Im7やImadd9などもImで統一表記しています。検索の統合化と類似性を確認しやすくするためです。
😺ディグリーは「i」の大文字で「I」と、「v」の大文字で「V」を組み合わせて書きます。
😺フラットは「B」の小文字で「b」です。必ず英数表示で書いてください。
😺「-」はキーボードの「ほ」のところの英数「-」です。
😺シャープも英数のキーボードの「あ」のとこの「#」です。
😺数字も英数表示のまま書いてください。
I-V7は「I-V」で検索できますが、「I7-V」は7が間に挟まっているので検索できませんので、sus4や分数コードなど極力シンプルにして列挙しています。大体の構造で検索してあとは元曲の構造をご自身でコピーしてみてください。なおクリシェ(ex.I-IM7-I7)や特徴的なセカンダリードミナント(I7,II7,VI7,VIIb7...)は7を表記している場合があります。sus4、aug、7を入れたり抜いて検索してみてください。
また「I-V」と検索すると「III-VI」や「II-V」なども検索されてしまうのでコード進行はなるべくたくさん連結された形で検索する方がより正確です。
IIbを調べようとしてVIIbが検索されると思うので、「-IIb」とすると、VIIbは検索されません。ただしIIb始まりの曲が検索できないので、別途IIb始まりの項目もご覧ください。
I-IV-Vと綺麗に流れる進行や、I-IV→vなどとvが一拍挟まれるだけなどの表記もあるので、周辺のコード進行も合わせてご覧いただきたいです。また
I-IV-Vという時、I-IV/V-Vといった分数コードが挟まることがありますので、その場合は分子だけのコード進行I-IV-Vで検索した上で、周辺に同様なコード進行が列挙されていますので、並行してご参考ください。
なお、この資料集で取り上げたコード進行はAメロ(A verse)またはサビ(コーラス)についてのみです。Bメロ(Bridge)/Cメロ(大サビ)でそのコード進行が使われている曲はまだ載せていません。
今後もご批判ご指摘いただき、できる限り改善してまいります。
なぜヒット曲か
多くの人に聞かれ、多くの人の音楽観に影響を及ぼす楽曲は、時代の文化性そのものだからです。その楽曲の良し悪しは関係なく、たくさんの人に聞かれた音楽こ人の美的感覚の拠り所となっていくからです。
そこから、どんな音楽を作るかはその人次第ですし、そのために活躍されている方は自分なりにこのような資料を皆さんすでにお造りでしょう。
ここでは初期学習時、邦楽の文化性や、邦楽の構造の大枠などを把握する時にどうしてもこうした外観からの楽曲紹介がバンバン例示しながらできないと、アレンジによる区分けや、意外性のある展開などが、なぜ意外なのか、なぜ革新的なのか、説明が抽象的になってしまうからです。あと何年もしないうち、この情報もAIに取り込まれてしまうでしょうが、今しばらくはこうした表が私どもにも必要です。
以後も近年邦楽に絞り、抜けているコード構造や、楽曲のアレンジバリエーションも見てすぐわかるように付記してゆきたいです。
コード進行は重要ではない
ヒット曲を出すような作曲家はコード進行云々で音楽を考えたりしないことが多いです(ふわっとアイディアが即興的にどんどん出てきちゃう人がこの世界で食ってる)。楽曲のコード進行は家の土台構造や骨組みであり、その上のマンションを建てるか、工場を立てるか、一軒家を建てるかを決める大枠であるため、大切なのはもちろんですが、そこにこだわらなくてもいい曲ができちゃう人ばかりが業界で信じられないような楽曲を作る世界です。
故に、一般の人が類似したコード進行だから良くないとか、変わってるから凄いと言い切れる根拠はないと思います。
素敵な家ができてもそこに住む人によって全く違う人生になりますし、同じ歌でもそれを歌う人、演奏する人の数だけそれぞれの魅力が作られます。
コード進行での分類学習は、あくまで学校のカリキュラム・教材の資料に組み込みやすい要素をふんだんに持っているがゆえに常に「基礎学習要素」としての需要も供給も大きいです。これもヒット曲の論理と同様で、広く知れ渡ってしまった知識や教材はメジャーな存在になるものです。
コード進行も凝っていくとキリがありませんし、それがわかっても曲は書けません。
上手にこうした資料をささっと参照いただき、どんどん実践に移ってください。
*1:それ以降のダイアトニックコード以外の魅力、使い方、判別法、転調などは実践で曲をコピーするうち、作曲している過程で身に付けられます
*2:
「イチ ニーマイサンマイ ヨンゴーロクマイ ナナディミニッシュ」
「イチ ニーマイサンマイ ヨンゴーセブンス ロクマイナナマイフラットファイブ」(I,IVはM7、II,III,VIはm7というところは覚えておく、マイフラットファイブ=m7(b5)の略、ハーフディミニッシュでもいい)
「イチ ニーディミニッシュ サンフラヨンゴー ロクフラナナフラ」
「イチ ニーマイフラファイ サンフラヨンマイ ゴーマイロクフラナナフラ」
般若心経を唱えるより若い人には実利的です。自分で覚えやすいようにディグリーをイメージしながら唱えられるようにします。九九と同じです。体で覚えます。楽器が弾ける人は楽器のポジションをイメージしながら唱える文言を作って覚えてしまってください。
*3:あとは心象連環といって「なんか落ち着いた感」「解決/スッキリした!」を感じる和音がトニックだったりしますね-心象連環は独自論です-