音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

制作メモ;Moon River〜ピアノアレンジ作品

www.youtube.com

ふと月がだいぶ西北に傾いていて、思わずハッとして、綺麗だったので、ネコくん(今のところめちゃ元気)と月を見上げながら思い付いたアイディアを名曲に乗せてアレンジして作ってみました。いつもの「何が起きてるかわからないけど何度も聞いてるうちに自然に聞こえちゃうスルメイカアレンジ」です。

 

こうやって作ると、やっぱり幽玄ちっくさが好きだから、きっとリズムという概念が苦手なのだと思います。また「旋律」というのもすごく曖昧なのが好きなのかもしれません。日本人らしさ、みたいのが周り回って結局大好きなのです。

 

なんだこの音楽は、と言われそうですが、自分が一番自然に、言いたいことを言える雰囲気、というか、これが私自身そのものだと思います。

 

音楽家に生まれたらヒット曲作って、チヤホヤされなきゃ意味がない、という資本主義社会にあっては、どうにもやりきれないタイプの音楽を作るのが自分の正体だった、ということを認めるのに30年くらいかかりました。

残念ですよねぇ笑。でもこれが自分の正体、とわかってみると、色々諦めがつきますし、新たな生き方も見つけやすいものです。ゆえにスタンスとしての自己発見はおすすめです。

理想や周囲の期待から離れるかもしれませんが、究極の生きやすさを手に入れます。それが独自論の大きな魅力とも言えますし、最も忌むべき真実、と言われるかもしれません。もしあなたが頑張った結果、今の生活に辿り着いたのなら、それは「生き方をみつけた」のだと思うのです。そこからどうやってちょっとだけ社会貢献するか、を考えられたらもう満点、みたいな気持ちになります。一歩一歩生きて行きましょう。

 

ここから自分のピースを一つ一つ組み立てて、少しでも何か"良い音楽"をこれから先作れたらラッキーマンです。

よろしくお願いします。

 

それにしても月の曲、多いですね。

気がつくと題材が月なんですよね。

 

 

====

曲構造については色々また試しているのですが、基本的には即興的にどんどん作った結果です。余裕が出てきたのか、途中明らかにAmが軸になって展開していきます。

Moon Riverの素晴らしいところは、その夢に浮かぶようなメロディとm7(b5)のなんとも言えない切ない憂いの雰囲気部分。ここだけは機能和声万歳、と感じるところです。

全体に和の幽玄さを出したくなってしまって、三拍子ですが、陽炎のように揺れます。

自分はおそらくリズムが苦手なのです。嫌いなのかもしれません笑

リズムより、呼吸をしたい。しかしこれはクラシックとも違います。「拍子」も嫌い。小さくなってしまうから、はっきりしてしまうから。

この辺のことは普段の制作では全部NGですね、こんなこと言ってたら制作仕事は一切きません。

 

 

=====

一番最初の煙るような感じの響きが不定調の代名詞です。というか、ただ自分が好きなだけ。

 

ラストは12音完全領域変換です。ベースがしっかりv-iなので、まあなんでも合うんですが。

他にも色々不定調性論で使う技を色々繰り出しています。

これは結局性癖です。好き勝手に得意技を繰り出して一人愉しんでる的な世界なのでいい加減恥ずかしいですが、この辺で止まっていてもいけないので、ピアノ表現で生まれる可能性をもう少し拙論の追求と共に追い込んで参りたいと思います。

 

 

制作メモ;午後のラジオ体操〜ピアノ曲

youtu.be

とあるご依頼の中で、頼まれてもないのに作った編曲参考作品でした。

こちらで制作事例曲として公開させてください。

 

ピアノ曲はたのしいですよね。下品になりすぎないし、上品にやってもピアノ曲という枠組みを超えて変な華美な主張をしません。

 

このラジオ体操はおそらく座って上半身だけ、そして多分肩から上だけ、体操などとは到底言えない、ちょっと体を揺り動かしてる程度の体操曲です。

 

ラジオ体操曲って、ナレーションがないと何の運動だっけな?とわからないところありますね。

 

今年も暖かくなって、「その日は朝から昼だった」っていうような春がやってきます。

 

ふっと午後のラウンジとかで流れていても一瞬ラジオ体操曲とは気がつかない感じのテイストにしたくて編曲しました。

 

それでいえば、エレキギター歪ませてラジオ体操曲をやったら、ダンベル持ちながらラジオ体操、みたいな感じになるんでしょうね。

 

制作メモ;猫と夕闇 / 不定調性ピアノ作品

www.youtube.com

リスナーを求めない、自身の方法論試行の作品が増えて恐れ入ります。

実績は非公開ですが、今をときめくクリエイターが拙論のありようを実際の商業音楽で、その高い才能を持って闘っているので、私の出る幕はありません。
市場席捲は彼らにお任せし、あちらでは追求されづらい方法論細部のあれやこれやをピアノ曲としてまとめています。

 

前々回kuun kissa〜月の猫より、クラスターのヴェロシティ調整で響きの揺らぎを作り始めました。前回もこだわり、入れ込んでいていたところもありました。
今回はそこまで追求欲求がなくなった分だいぶ自然な対応ができました。
初対面の人と何度かお会いして会話をするうちに少しずつ自然に話せるようになる、的な感じ??なんかそう言う自然さっていつの間にか生まれませんか?。

 

夕闇を見ている時、ふっと怖くなったりしませんか?一瞬前まで平穏だったのに。

もし曲を聞いていただける方がいたら、不定調性感独特の響きや雰囲気が、急に視界がモザイク化するような...もわっと霧に巻かれるような...急に"美しい不安"がやってくるような音の揺らぎ...を感じていただければ嬉しいです。

 

 

猫は夕暮れ時は外で遊ぶ鳥たちを見つめて、遠くに流れるヘッドライトを見つめて、異常ありやなしや、とパトロールしているのだそうで、黄昏ているわけではないそうですが。絵になりますね。不思議と。

 

時々外に...。

前のナナはどこに行くにもついてきたのですが、この子は勝手に遊びまわってしまいます。

(はてなブログに動画を直接貼る方法)

===


"遊びいこーよ!隣のおうちの木の上登ると面白いよ!"

 

とか誘ってくるのですが、

 

人間は隣の家に勝手に入ってはいけないのだよ...

 

とか教えても

 

何それ...

 

という顔をして、また飛び回ります。

 

...。 o  0 君たちもナワバリとかあろうに。。似たようなものだよ。。

 

とお背なに向かって呟くのでした。

꒰ •o•`* 三 *´•v• ꒱キョロキョロ.

 

制作メモ;Someday My Prince Will Come / 不定調性ピアノアレンジカバー

www.youtube.com

Kuun Kissa-月の猫- / 不定調性ピアノ曲 

前回の曲で少しクラスター的なサウンドを微量に塗すことで平均律の響きを自由に歪ませる技(手動ディストーション笑)を編み出した???んですが、それをもっと綺麗に自然に使うためにはどんな要素があるのかな、と思い、分かりやすい楽曲でやってみようとトライしました。

プライベート練習作です。

 

今回は我が家にネコくんが訪れた、ということでこの曲に。

プリンスは窓際の日向でうたた寝をしております。

 

参考にしたコードは、

こちら。

 

冒頭は

D△/F  Db△/F C△/F B△/F
でオーソドックスですが色々めちゃくちゃです。

 

コードが表記されていたら、そのコードを弾く、っていう行為に飽きてくると音楽家は誰でもこういうことをします。ましてやソロ楽器なら関係ありません。

相手にわかりやすく伝えるために楽譜やコード譜があるわけですが、私の作品は、100%自分のためです。

 

肝心のクラスターもはっきりわかるのはこの四つぐらいで、あとは結構音色に貢献しています。

 

このチリチリとした感じは、何といいますか、猫ちゃんがトイレから出てきてしれっとその場で足に払割れた砂のような...笑

もとい、高貴な人が歩くとその足跡に沿って道筋に虹色のキラキラが飛び散るような。

それが無くてもパスタは美味しいけど、ほのかに香るバジルの風味です。

 

几帳面なのは料理だけな料理人、カンフーになると厳しいジャッキーチェン映画の酔いどれ師匠、手段は選ばないけど金さえ払えば完璧に治療する闇医者、ほとんど猿だけど凄腕のゴルファー...etc、アンバランスが持つ魅力。アンバランスが持つ均衡。

 

この和声感を連続させるためには、全体的に不協和の程度が統一されていないといけません。

でも本来平均律で作る音楽も、「不協和な平均律の響き」が統一されているから違和感がないんですよね。

 

不定調性論は、誰かの真似や、誰かの方法論から脱却し、他人の青く見える芝生を目指すことは良い意味で諦め、今あなたが持てる力を最も効率よく噴射できる部分で燃やしあなた自身の音楽を作ることに邁進してください、と述べた方法論です。

他者に権威を感じすぎるタイプ、自分大嫌いなタイプ、はこうした独自論の探究は苦手かもしれませんが。

 

 

メロディ冒頭のb9thは、キミが普通に優雅に歩こうとしてもコテッとよろめく様が究極に愛らしいから、その感じを頭に持ってきたかっただけです。

子猫は全てにおぼつかないから可愛い。

 

キミにあげよう夜空の星を。

制作メモ;Kuun Kissa-月の猫- / 不定調性ピアノ曲

www.youtube.com

久々のピアノ作品です。

フィンランド語で「月猫」って意味になるかと思います。

ウチの猫くんが月をじっと眺めていたので。

あんなふうに夜を枕にくつろぎ眠りたい。

 

不定調性的な響きを色々を色々試しているわけですが、

例えば、

上のような五和音があった時、上の方の音を出す強さを20、低いc音を100の力らで弾くと、ただの単音だけではなくて、微妙に弱い不協和がなんとなく上の方で響きます。

 

微妙な心象ニュアンスが混じるわけです。

あとは

このように、その響きに対して、どういうニュアンスが与えられるか、自分で感じて音を置いていけばいいだけです。これを拙論では、"音楽的なクオリア"と呼んでいます。

 

今回は全編よりマニアックに作りました。

 

最初の着想が、ネコと月夜だったので、なんとなくそこから夜っぽい感じ、ネコと月っぽい感じを探して勝手に生まれるストーリーの流れでハーモロディクスしてみました。

 

こういった和音は、微分音的なニュアンスを自分に与えます。

逆に低音を弱くすると、微妙な倍音が混じって、上の和音に影響を与えます。

まるで潜在的な真相意識が鳴っているようです。

 

音楽史のどこかにはこういうことをとことん追求した作曲家がおられると思いますので、これから探してみます。

 

こういった乳状の和音を"クラスター"と言います。

ja.wikipedia.org

現代音楽では「奇異な響き」を作るためのものですが、私には、ヴェロシティを抑えることで"何とも言えない微妙な感情のニュアンス"を出すための大切な手法になり得ると感じます。

こういう遊びは相変わらず(速いパッセージのそれぞれの音の間の半音の数)。

変に規則正しく置きすぎないところがまた自分のやり方なのかも。。