セロニアス・モンクの不定調性進行分析
51, Epistrophy / Thelonious Monk
Thelonious Monk Epistrophy - YouTube
C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |
Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |
Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |
C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |
F#m6 |F#m6 |F#m6 |F#m6 |
B7 |B7 |Db7 |D7 |
Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |
Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |
C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |
42年の作品、ケニー・クラークとの共作です。
この曲、まるで「あー」と「うー」がただ繰り返されるような行為。
そのあとで「え」と「お」がただ繰り返される行為、そんなテーマにも聴こえますし、そうした「妙な感じ」の中で生まれる、妙な気分が徐々に音楽の中にとけ込み、その妙な感じに病み付きになる。
何?未だに音楽に形求めてんのか?
って言われそうなかんじ。
それにしても、このテーマ、カッコいいですよね。
もっと他のコードなかったのかな!と言いたくなるような。友達がこれ作ってきたら、ちょっとはコード変えようぜ!と言ってしまいそう笑。
これまたコードが上がっていく「モンクチェンジ」。
これをテレビでやっていた、って言うのが面白いですよね。
だってこれはもう現代ではartじゃないですか。
ファンキーソリッドジャズブルースですよ。
いずれ現代のアイドルの曲も、残っていく曲はartになります。
それを私たちは知っています。
ジャズの歴史と同じです。
抗うことのできない文化の流れです。文化はやがて伝統になり、芸能になり、artになり、遺伝子に組み込まれます。
<モンクチェンジ>
C#7 D7 |
と
Eb7 E7 |
における半音上昇進行です。
通例は、D7→C#7が落ち着きをもたらす流れです。だから
C#7 D7 |C#7
一旦上がって、次で解決、というジャズの伝統は保っています。
でも
C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |C#7 D7 |
も
Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |Eb7 E7 |
も上がって終わっているんですよね。だから最初から上がっている印象感のまま次に行きます。不安定、斬新。理論的に斬新なこと、かつバランスと伝統に根付いたものを求めていた人だと思います。
これを現代の進行とかでやるなら。
Dm7 G7 |AbM7 |
とか、まあこれはよくあるとして、
Dm7 Eb7 |EM7 |
ぐらいがモンクっぽい思想入っているでしょうか。
これをテレビに出るような音楽でやる、って言うのはさらに壁が高いですよね。
演出する人、視聴者、スポンサー、演者、全てがそれを許容していないと。
ぜひ大物ミュージシャン、という人には、若手が頑張れる気迫のためにも、もっとあなたがやりたいことをぶちまけて頂きたい。政治思想とか、社会へのメッセージとかはいらないので、音楽の道筋を切り開き続けて頂きたいです。