音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

今見ているものを、今まで見てきたもののように見ない;71, Blame It On The Sun他 / Stevie Wonder

スティーヴィー・ワンダーの不定調性進行分析

71, Blame It On The Sun/As If You Read My Mind Stevie Wonder

 

 

<スティービー・ワンダーレポートより展開>
事例62;Blame It On The Sun (CDタイム 0:13-) 

Stevie Wonder - Blame It On The Sun - YouTube

Aメロ
A♭ E♭ |F |Cm7 G/B |Cm7 |
Fm7 | B♭m7 |B♭m7/E♭ |E♭7 |
A♭ E♭ |F |Cm7 G/B |Cm7 |
Fm7 | B♭m7 |B♭m7/E♭ |E♭7 |
Bメロ
B♭m7 Fm7 |B♭m7 Fm7 |Dm7(♭5) G7 |Cm7 |×2〜
=degree=
Aメロ key=A♭
I V |VI |IIIm7 VII/III♭ |IIIm7 |
VIm7 | IIm7 |IIm7/V |V7 |
I V |VI |IIIm7 VII/III♭ |IIIm7 |
VIm7 | IIm7 |IIm7/V |V7 |
Bメロ
IIm7 VIm7 |IIm7 VIm7 |IV#m7(♭5) VII7 |IIIm7 |×2〜


AメロでVI△に流れ転調。スティービーならではの変化。

盲目であるから、という事をいちいち取り上げる必要はないと思うが、この景色感の変化は、私などからするとダイナミック過ぎる変化で、先程まで勇壮な山並みだった風景が、いきなり海のど真ん中に移ってしまったような激しい展開を感じる。

 

現実的にはあり得ない風景を作りだしている。海外の白い壁、石畳の街並みが、いきなり東京の街並みに変化したような、視覚的には一瞬不自然な感覚である。これについてはユーミンレポートでも言及した。

 

現実にはありえないような景色感を演出する事で楽曲の印象が強烈になる、音楽はだから素晴らしい。それが合わない、という人もいる。でも音楽をたくさん聴き込んでいくと、もうそういう新しいものにしか驚かなくなる時もある。中毒みたいな感じ。

人間の脳というのはそういう構造になっているんだろうと思う。

 

暫く音楽を聴かないと、バッハとか聴いて"眼が覚める"。

まあ、バッハはいつ聴いても素晴らしいけど。


ユーミン楽曲の持つイメージも視覚的で幻想的ではあるが、色彩があり、目に見える風景だった。しかしスティービーの風景は、とても想像できるものではない何かもっと違う画である。不自然さを感じない事で、ある種の必然性を作ることに先入観がない、というようなイメージと言えば良いだろうか。


このあたりの「非視覚的イメージ」の音像化が、先(レポート参照)に示した上昇転調、無軌道な転調と何か関係があるように感じた。目で見ない風景、非視覚的風景、形を持たない形状が配置された世界においては、上下の差も左右の差も、大小の差もあまり重要ではなく、変化したことの程度そのものが判断基準であり、その程度の差はどれほど大きくても「劇的」というだけで「これは無謀だ」という価値観が入りこまないのではないだろうか。

 

 

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As If You Read My Mind

Stevie Wonder - As If You Read My Mind - YouTube


事例93;As If You Read My Mind (CDタイム 0:17-)
Aメロ
Am7(11) Dsus4 | Esus4 Dsus4 | Am7(11) Dsus4 | Esus4 Dsus4 |


これは11thのサウンドが印象的な浮遊感を作っている。

 

メロディは巧みに三度の音が避けられており、11thの浮遊感がうまく表現されている。


Bメロ以降にVI♭やV7、Im7が現れることから、キーはAマイナーであり、Am7(11)であることが分かる。


こうした浮遊したサウンドは、色彩感も淡く風のように流れる。

 

視覚的に世界を見ない場合、物体がバランスを取って存在している状態を視覚で確認しない感覚、というのはこういうもやもやとしたあいまいさが通例であり、“良く全体像が分からないこともある”というような感覚が再現されているようにも思える。

 

しかしながら、これは眼を用いる者とて、各位それぞれに世界に対する想いがあるだろうと思う。今見ているものを、今まで見てきたもののように見ない心のモード。

 

ゲシュタルト崩壊なのかもしれないが、そうした感覚で理解の形を肥大させていくことで、もっと自在な表現欲求が湧くかもしれない。

 

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