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音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

Up-Tight Everything's Alright〜スティービー・ワンダー研究レポート5-2

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アルバム6;「Up-Tight Everything's Alright」〜アップタイト〜(1966)  
事例10;Love a Go Go (CDタイム 0:01)

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intrio
E♭ |B♭m7 |E♭ |B♭m7 |
Aメロ
E♭ |B♭/D |Cm |Gm |
A♭ |Gm |A♭ |Gm |Fm7 B♭m |E♭ |B♭m7 |〜
=degree= Key=E♭
Intro
I |Vm7 |I |Vm7 |I |Vm7 |I |Vm7 |
Aメロ
I |V/VII |VIm |IIIm |
IV |IIIm |IV |IIIm |IIm7 Vm ||I |Vm7 |〜


コーラスの最後は、IIm-Vmで締める、という荒技。

メロディもののラインに沿い、かつ主和音の完全五度(E♭のb♭音)で伸ばされている感じが実に不可思議な印象!!

これが作曲を学び立ての受講生の作品だったらどうでしょう。五年前の私であったら、そこを指摘して直させてしまったかも!!

 

・和声のセオリーに流されず、メロディを歌ってみて、自分にとって自然な方向を模索した後で和音を乗せる
・通例流れる和音にすぐにとびつかず、ちょっと変化させてみたら、この音楽はどうなるかな?という変化の度合いを見ながら、和音を乗せる

 

というような選択肢が直感的に出てこないと、作曲は面白くありません。

この曲の場合は、全体が極めて調性的ですから、変化をつけるなら、イントロか、Aメロか、サビの頭か、サビの最後か、などと見当をつけます。

このVmが新鮮なところ、印象的なところ、です。

 

スティービーがこういう感じに影響を受けないはずがありません。

 最初から最後まで“ひねり”がないままで終わらせない、という感覚なら常時持てそうです。

また和声だけが“ひねる”対象ではありません。

メロディにひねりを付けることもできます。

レイ・チャールズのブルースのように、リズムで変化をつけることもできます。

この辺りは漠然と考えていても上達しないので、とにかくバリエーション豊かな楽曲を作り続けながら、迷った時にこうした事例集を開き、直感で流れを構築できるようにあるのが理想です。   

事例11;Hold Me (CDタイム 0:13-)

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Aメロ
C |C |Bm7 |E7 |
Am7 Bm7 |C D |G |Dm7 G7 |
C |C |Bm7 |E7 |
Am7 |Em7 A7 |D7sus4 |D7 |
サビ
G |Gaug |C |C |
A |Em A7 |D7sus4 |D7 |〜
=degree= key=G
Aメロ
IV |IV |IIIm7 |VI7 |
IIm7 IIIm7 |IV V |I |Vm7 I7 |
IV |IV |IIIm7 |VI7 |
IIm7 |VIm7 II7 |V7sus4 |V7 |
サビ
I |Iaug |IV |IV |
II |VIm II7 |V7sus4 |V7 |〜


ここではじめてスティービーらしい曲!

クレジットにスティービーの名前もある!

サビのaugを持ったクリシェといい、II7からsus4への展開がその後のスティービーのイメージを感じさせます。

どの部分をスティービーが作り、どの部分が共作なのかは分からないですが、こうした作品を通して、彼の和声感や構成感覚が養われていった、ということであればとても興味深い一作。

彼にとってのsus4やaugへの嗜好が垣間みられます。


これらの変化コードは彼の盲目の世界感を象徴するコードであり、それを表現している響きと言えなくもありません。

我々のsus4とはとらえているニュアンスが違う、という意味です。

 

和音の響きは個人の印象に他なりません。

この辺りもまずは問題提起、として掲げて先に進んでいきましょう。

 

事例12;Uptight(Everything's Alright) 

 

 こちらを参照ください。

 

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