音楽教育活動奮闘記

不定調性論からの展開~音楽思考の玩具箱

人はなぜソルフェジオ周波数を信じるのか〜音楽家が作るソルフェジオ周波数

本記事では、たまたま調べる機会があった「ソルフェジオ周波数」について情報を整理しています。

以下は、四日間集中して調べれば、誰でも把握できる情報です。

皆さんの四日を20分に短縮したくてまとめました。

 

あらゆる人間は、調律されていない精神を持っているのだ

オーネット・コールマン*1

 

中段にも同じ目次があります。

 

1. 心身のリラクゼーション・ストレス軽減を求めている方へ

→音楽自体に癒しの効果(リラックスによる副交感神経の優位、興奮による交感神経の優位それぞれが人をストレスの解放に向かわせる=癒しの音楽もヘビーメタルもそれぞれに人を解放する)があることは知られています。一方でソルフェジオ周波数が特別に、特定の効果が如実に存在することは証明されていません。

ゆえに特別な癒しを求めて、ソルフェジオ周波数を使って“特別な癒し”を得たいと考えている方にとって、本記事は改めて冷静な判断材料になるはずです。

ソルフェジオ周波数を頭ごなしに否定する記事ではありません。じっくり全体像をつかんだうえでご自身の感覚と照らし合わせていただくことをおすすめします。

大切なのは、読後「私にとって心地よいものが、私の心身にとって心地よい音楽なのだ」と改めて気がつくことです。そしてそれが現在の科学的にも正確な音楽への接し方、であるとされている点です。

 

2. スピリチュアルな意味や自己成長に関心のある方へ

→ ソルフェジオ周波数とチャクラ、数秘術、宗教的な文脈のつながりについて、信仰の自由を尊重しつつ細かく書いてます。

「癒しとは何か」を掘り下げていくと、多くの伝統医学や思想が共通して“身体の流れを滞らせない”ことを重視してきたことに気づかされます。ソルフェジオ周波数がチャクラや流れの概念と結びついた理由も、こうした視点から読み解くことができます。

 

3. 科学的根拠を求めている方へ

→ 実際に行われた国内外の研究論文の要点と、その限界についても紹介します。
科学的な実証性と現段階での“保留点”を含めて冷静に整理しています。

科学的根拠の項目へ

 

4. 本物のソルフェジオ音源の見分け方を考えている方へ

→ 本物、というものは厳密には存在しません。お手本もありませんし、科学者が用いるソルフェジオ周波数もその科学者の解釈で作られ運用されたものです。本記事では、ソルフェジオ周波数の音源にまつわる調律の仕組みや倍音構造、さらにYouTubeなどで再生される音に関する注意点も取り上げています。お読みいただければ、SNSや動画メディアへのアップロード行為によるエンコード問題も含め「本物」が存在しづらいことがわかるでしょう。

現在の科学では、特定の音源だけが人体に有効、または無効であると明確に判断することはできません。音の感じ方には個人差があるため、結局“あなたにとって心地よい音”が最も大切な基準となります。それらの知識を踏まえたうえで、先入観にとらわれず“自分にとっての癒しの音”を探すことが、ソルフェジオ周波数の背景にある考え方と重なる、と感じました。
本物を探したい気持ちはよくわかりますが、結局それはあなたの好みに左右されてしまうことをまず実感ください。それを受け入れていただければ、この記事の全容がきっと伝わると思います。

正しいソルフェジオ周波数は?の項目へ

 

 

5. ソルフェジオ周波数を心底信じていた人へ

→ 本記事を読んでも信じられないでしょう。しかし今、真実に蓋をしても時代はAI時代、あなたの考え方が偏っていることはすぐに見透かされます。どうせなら、ソルフェジオ周波数の実際を知って、ご自身が最も信じる癒しの音楽をクリエイトしていただきたいです。いずれはあなたの方法論で作られた癒しの音楽に共鳴してくれる人もいると思うのです。

 

6. ソルフェジオ周波数を嘘だと思っている方へ

→ 嘘とまでは言い切れないために混乱と信教的現象として残っています。

「嘘」ではなく、「科学的に未検証な主観的効果に止まっている話」です。研究が進んでおらず、実証が重ねられていない分野を信じて人に勧めることで話をややこしくしないでほしい、というところが本音ではないでしょうか。あまりに勧めるので「嘘!」と言いたくなる気持ち、わかります。

そしてほとんどの人が、この周波数がどこから来て、どんな経緯で作られたか知りません。そして信じている人にそれを伝えるのは若干気が引けますし、気の毒だと思ってしまいます。どうやってこの周波数が作られたかを知れば知るほど。

だからまず全否定せず、あまり関わらないように上手に交わすのが大人としてのセンスではないか、と下記内容を吟味して獲得いただければ、と思います。

私も科学的確定がされるまでは信じる心に障らずに行きたいです。

実際、音叉だけの音とか、sine波だけの音でも、心地よい音質でミックスされた音は、実際きもちよく感じます。そういった音楽家としてのセンスをソルフェジオ周波数の音作りで発揮できる人を素直に尊敬します。

 

7. ソルフェジオ周波数を活用していくメーカー/業種の方へ

→問題は、真実を知らないことです。ちゃんとこの"噂"がどこからきたか知った上で、自分たちのソルフェジオ周波数を作ればいいだけです。3,6,9は10進法に基づいた数値です。ソルフェジオ周波数は人を癒す周波数の象徴です。皆さんが何十年も培った技能と知識で、あなた方だけのソルフェジオ周波数を作ればいいんです。

ソルフェジオ周波数のすごさはその概念のアイディアなんです。だからそこに人は魅了され、「きっと癒されるはずだ」と信じるから、人は実際に癒されるんです。

もし今すでに商品を発売していたとしても、文章の表現ひとつで、音楽で人を癒したい、という思いは伝わると思います。そして528Hzの実験的効能などは、まだちゃんと解明されていません。ぜひ独自の研究機関を持ち、なんらかの人を癒す周波数を見つけてください。ひょっとすると難病を治す奇跡が起きるかもしれない可能性を、振動という現象は含んでいる可能性があります。どうせなら、そういう奇跡を起こすほうに意識を向けた方が良くないですか?あなたがもし音楽のプロなら。

 


本記事の目的は、ソルフェジオ周波数の是非を問うことではなく、その背後にある「癒しとは何か」という問いに向き合うことです。  


この記事の結論もシンプルです。

自分が良いと感じるものが、自分にとって最も良い」。  
です。

この記事は外部記事やネット情報ではなく、出典原著をあたった上で私の意見を書いてます。これ以降は本記事を真似たAI記事がたくさん出るかと思いますが、音楽の専門家でない限り内容がブレると思います。ご注意ください。

ソルフェジオ周波数とは?

ソルフェジオ=ソルフェージュ...自体は音階や楽譜を見ながらの歌唱技術を意味します。ソルフェジオ周波数が生まれた経緯とされる聖歌が音階教育とネウマ譜等初期楽譜を使ったソルフェージュ(視唱)のきっかけになった歌(『ミクロロゴス』のグイード・ダレッツォの作品)であるところあたりから来ているようです。

音楽家に言わせれば「ソルフェージュ周波数ってなんだよ」と言われます。当然「ソルフェジオ」という語自体にスピリチュアルな意味はありません。

秘密の定められた周波数の音を聞く行為が心身の安息につながる、という伝説から「ソルフェジオ周波数」という言葉が独立し、自然療法やスピリチュアル関連分野で用いられるようになりました。

医学的な根拠を明示するのは困難なトピックのようです。

しかし冷静にその関係性を見つめると、東洋医学における経絡やチャクラ、西欧医学におけるリンパや血流の要衝の話と合わせて考えることができるところまでいけるのがこの話の面白いところです。疑似科学はやはり人間の夢の具現化の一路になりうるのかもしれませんね。

その構図を理解した上で、リラックスして楽しむやり方を自分で自分なりに作る、というところまでがヒーリングミュージックの奥深いところです。

”それを聴けば誰でも癒されて、誰でもリラックスする万能の音楽"

は現状まだ存在しません。

 

また医学的な大前提として、ゆったりとした音楽は、それだけでコルチゾール(ストレスに反応して増えてしまうホルモン)の安定や、心拍数の安定(本来の心拍が持つ自然な揺らぎが保てる=副交感神経の優位=リラックスする)をもたらします。ゆったりとして静かな音楽は全般的に人にリラックスを呼び起こすことは研究で報告されています。

歯科医や鍼治療とかで、ゆったりとした音楽を流す、というのは理にかなっているわけです。

人間は周囲のリズムに同期します。体がリラックスすれば、体内機構が安静化(副交感神経優位)し、結果として自ら癒しの状態に入ることができます。

一方で、人体は速い音楽にも同期します。パーティやイベントなどで気分が高揚を求めている時や、ダンスやトレーニング時などでは、アップテンポの音楽は交感神経を優位にさせ、興奮することによっても人はストレス発散が可能です。

人間の周囲に対する順応や共感はさまざまな効果を人体に及ぼします。普段はそういう自分の力(まだ科学でも医学でも十分にわかっていない人間のシステム)を見失っているだけです。

 

「癒しの音楽」と聞いて「んなことあるかい!」って思って交感神経を優位にしてしまうと逆にイラつきます。

私もモーツァルトが癒される、と聞いてから、「くっそ癒されてたまるか!」って数年ほど、モーツァルトで動悸がでた時期がありました笑。人間ておばかです。

 

いつ誰がどこから生みだしたか?

「Healing Codes for the Biological Apocalypse」Leonard G. Horowitz (著), Joseph Puleo (著)

https://amzn.to/47du2JJ

によって世に送り出されました。

Leonard G. Horowitz氏の名前は、今存在する主要な陰謀論をトピックにするときに話題に出る人物です。Joseph Puleo氏は独自にソルフェジオ周波数を研究し、「再発見した成果」についてHorowitz氏が同書にまとめた経緯があります*2

同書目次の

引用

p35〜あたりを中心にして和訳して読んだ感想に加えて、その他の自分で勉強した情報も併せてまとめます。

同氏のこちらも翻訳して読解してみましたが、下記この記事に書かれている以上の科学的知見は見当たりませんでした。



ソルフェジオ周波数の起源について

ソルフェジオ周波数は、現代SNSでは古代の音階に基づく特定の周波数群で、精神的・身体的な癒しや意識の向上に影響を与えると発信されます。そしてその根拠は聖書の中の数値体系や、数学的・物理学的法則に関わっているというのですが、それらは全てこの書の執筆者の説に依っています。全ての発端がこの本なんですね。

だからソルフェジオ周波数のことが聖書に書かれているわけでもなく、教会で使われた記述などもなく、その他どの古文書にも、また古代の研究者の著述の中にも、その現代の歴史学者の論文にもそれらの事実が書かれているという証拠は(現在のところ)一切ありません。

 

 

古代の聖歌と周波数の関係

ソルフェジオ周波数の概念は、グレゴリオ聖歌などの古代の聖歌にも根付いていると同書で根拠も曖昧に主張されます。特に、聖ヨハネの賛歌 (Ut queant laxi / Hymn to St. John the Baptist) に見られる音階が、その原型であるのだ、と。

この音階は、ラテン語の歌詞とともに特定の周波数で歌われ、その音が持つ「振動」が、精神的な覚醒や癒しをもたらすとされていた、という解釈を著者が行なっています。その根拠はニコラ・テスラとジョン・キールらの見解で「特定の周波数が物理的・精神的な変化をもたらす」という彼らの主張に基づいています(実験結果があるわけではない)。

この辺でスピリチュアル化してしまうんですね。キールの時代(テスラより約二十歳年上)、当時近代科学が生まれたての頃で、テスラのような実際の功績を作った人と同じくらい本当に自分を信じていた詐話師(結果的に嘘をついた人)もたくさんいた時代です。

とんでもない話に未亡人や隠遁の金持ちがこぞって投資をしていた時代でした。そんだけお金もらったらもう引き下がれないよな、くらい。高価な水とか、高価な石、水から石油、みたいな夢のある話がまことしやかに見えてしまう時って現代ですらあります。

 

ソルフェジオ周波数と聖書「民数記」の関連についての考察

www.wordproject.org

同書でジョセフ・プレオ氏(自然療法士/ゴスペル教師)は、聖書「民数記」第7章12節から83節に記される具体的な数値に注目しました。イスラエルの12部族が幕屋(移動可能な神殿)に捧げ物を行う際の詳細が記載されており、それぞれの数値が象徴的に記録されています。プレオ博士は、これらの数値を「ピタゴラスの還元法」を数秘術/神秘主義的に転用しました(ピタゴラス数秘術)。

具体的には、数値の各桁を足し合わせて単一の桁にする、というものです(デジタルルート)。

2025なら2+0+2+5=9

です*3

 

この計算の結果、氏は6つの特定の音の周波数を導き出しました。

これらが後に「ソルフェジオ周波数」として知られる

ー396Hz、417Hz、528Hz、639Hz、741Hz、852Hz

です。

聖書に記された数値(「民数記="Numbers"」)は宇宙や自然界の法則を反映しており、それを音の周波数に変換することで、人間の癒しや調和をもたらすと考えわけですから、彼らの文化圏にとって意味がある数字であることは間違いありません。日本人にとっての5-7-5のリズムとかですね。*4

 

日本人も古事記の中から数を見出して、意味のある数字に祭りあげればいいじゃないか、と海外の陰謀論者は思うでしょうが、日本人は古事記も象徴として扱うので、そういう俗世の中の理に再利用する、みたいなことは禁忌で、なんか嫌、なんですね。汚れなき対象を、日頃の穢れと混ぜ合わせる、ことをしたがらない、のが日本人独自の気風です。

 

396Hzの由来引用

日数

節番号

部族

族長

節の要約

1

12=3

ユダ族

アミナダブの子ナション

第12節:第1日目、ユダ族、アミナダブの子ナションが奉納した。

2

18=9

イッサカル族

ツアルの子ネタヌエル

第18節:第2日目、イッサカル族、ツアルの子ネタヌエルが奉納した。

3

24=6

ゼブルン族

ヘロンの子エリアブ

第24節:第3日目、ゼブルン族、ヘロンの子エリアブが奉納した。

4

30=3

ルベン族

シデウルの子エリツル

第30節:第4日目、ルベン族、シデウルの子エリツルが奉納した。

5

36=9

シメオン族

ツリシャダイの子シェルミエル

第36節:第5日目、シメオン族、ツリシャダイの子シェルミエルが奉納した。

6

42=6

ガド族

デウエルの子エルヤサフ

第42節:第6日目、ガド族、デウエルの子エルヤサフが奉納した。

7

48=3

エフライム族

アミフデの子エリシャマ

第48節:第7日目、エフライム族、アミフデの子エリシャマが奉納した。

8

54=9

マナセ族

ペダヅルの子ガマリエル

第54節:第8日目、マナセ族、ペダヅルの子ガマリエルが奉納した。

9

60=6

ベニヤミン族

ギデオニの子アビダン

第60節:第9日目、ベニヤミン族、ギデオニの子アビダンが奉納した。

10

66=3

ダン族

アミシャダイの子アヒエゼル

第66節:第10日目、ダン族、アミシャダイの子アヒエゼルが奉納した。

11

72=9

アシェル族

オクランの子パギエル

第72節:第11日目、アシェル族、オクランの子パギエルが奉納した。

12

78=6

ナフタリ族

エナンの子アヒラ

第78節:第12日目、ナフタリ族、エナンの子アヒラが奉納した。

イスラエルの民が荒野での旅を進める中、神からの命を受けて「会見の天幕(幕屋)」が完成しました。その奉献のとき、イスラエル12部族の族長たちは、1日ずつ順番に、銀の皿、金の匙、雄牛や羊といった供え物を神に捧げました。この章では、1日ごとに1部族が儀式を行い、その内容がほぼ同一の文章構造で12回繰り返されます。
節番号が6節おきに増加していきます(12, 18, 24, 30, … 78)。

この繰り返しの中に神秘的な数の規則が隠されているのではないかと考えたJoseph Puleo氏は、次のような手法で分析しました:

1. 「節番号」を抜き出す
例:12、18、24、30、36、…

2. 各節番号を「digit sum(各桁の数字を足して1桁にする)」に還元
12 → 1+2 = 3

18 → 1+8 = 9

24 → 2+4 = 6...

結果として:3 → 9 → 6 → 3 → 9 → 6 … という周期的パターンが出現し、Puleo氏はこの「3・9・6」の循環パターンを、「聖書に隠された音のコード」と解釈し、これを一つの三桁の数字「396」として捉えました。それをそのまま「396Hz」として定義し、「これは人間の罪悪感や恐れを解放する“癒しの周波数”である」と主張しました。

 

417Hzの由来

Puleo氏は節番号の上記のパターンに1節ずらした13, 19, 25…の数値に注目し、同様に計算すると、「4 → 1 → 7」という繰り返しパターンが得られ次なる“癒しの周波数”として識別し、417Hzに命名。

(これは数学的には当たり前で、ここにパターンがある、と考えるところが独特)

以後同じ手法で852Hzまで導出。

 

民数記自体の対比と周波数をまとめると上記のようになります。

ソルフェジオ周波数は、古代から伝わる楽器の周波数を現代の測定器で調べた結果、とかではなくて、聖書にある数の意義を拡張させて導き出した数だったんですね。実際にそういう振動数が存在していたから採用したのではなく、導き出した数値を音の周波数に置き換えた値である、という点がとても重要です。その関連性について掘り上げると行き止まりになります。

Ut-396 Hz…3+9+6=9+9=18、、、1+8=9

Re-417 Hz…4+1+7=5+7=12、、、1+2=3

Mi-528 Hz…5+2+8=7+8=15、、、1+5=6

Fa-639 Hz

So-741 Hz

La-852 Hz

Sj-963 Hz

各桁の値を足していくと3,6,9の数字に関連していきますね。3,6,9はキリスト教圏内で象徴的な数字ですから、それを用いた神秘の周波数とされるのは納得せざるを得ません。ニコラ・テスラなどもこの三つの数字を重視したことも有名ですね。

くどいようですが、これも10進法が主体となった世界において養われたバランス感覚といえます。もし12進法だったら9よりも11が重視されたかもしれません。ここは恣意的なので、個々の宗教的意味において重視する、という個々人の信念を尊重できれば良いと思います。

 

合わせてローマカトリック教会の典礼で『グレゴリオ聖歌』にもソルフェジオ周波数が用いられていた、と主張されています。教会は平均律を採用し、秘密の音階を隠したのだ、的な主張になっていくのですが、平均律に切り替えさせた、という教会の公式な歴史はありません。平均律の浸透は18世紀であり、利便性に基づいた自然な転換でした。

ましてや多くのグレゴリオ聖歌は今も意図的に等分/不等分平均律に揃えなければならない、という主張は見当たらない、とされています。それよりも「伴奏楽器のために実用的な調律法を選ぶ」という実用的な選択がされていると、解釈した方が納得のいくことが多いです(その歌声の音高を見ると..)。

 

「聖ヨハネ讃歌」(元祖ドレミの歌)の歌詞の音がこれらに対応する、等の主張がありましたね。

冷静に考えればわかりますが、グレゴリオ聖歌の時代(9-13世紀)には「周波数(1秒間に何回振動したか)」の概念や測定技術(18世紀に誕生)自体がありません(ピタゴラスの頃から協和する音の比率についてはわかっていた)。
「Ut queant laxi」は11世紀の作品で音が楽譜に記述されています(この頃楽譜に線が入った!)が、どの高さで歌うべきかの指定がないので、周波数まで計測することはできません。

むしろ当時は「その人が歌いやすい音から歌っていた」的に描かれるのがほとんどです。調音がされるのは17世紀以降です。全員が適当だった、とは言いませんが、歌いやすい音は個々人が違うので、周波数が一定になるはずがありません。

それゆえにグレゴリオ聖歌は396Hzを用いていた、とそこまで適切に指定できるはずがないのです。

同曲歌唱例https://www.youtube.com/watch?v=9fMppPLocmo

わかりづらいかもですので、上記の歌の頭の音を並べた音を編集しました。

再生できない場合.mp3

当時は「シ」はまだありません。確かに元祖ドレミの歌ですね。

 

同書では、Ut-396Hz、Re-417Hz、Mi-528Hz、Fa-639Hz、So-741Hz、

La-852Hz、Sj-963Hz

これらが元祖ドレミ、だとして。。。並べたものを再生してみましょう。

再生できない場合.mp3

ソルフェジオ周波数の音階と現代で歌われた元祖ドレミの歌の音階感は全く異なりますね。比率も全く違います。また、ドが396Hzならオクターブ上のドは396✖️2=792Hzですが、ラの音自体がすでにオクターブの周波数を超えた音になっています。もうこの辺は音楽わかる人だけわかってくれたらOKです笑。

ダレッツォは当時のヘキサコルド音階をイメージしてこの楽曲を作ったとされるので、純正律であったにせよ、だいたいドレミファソラの音程感はあったと考えるのが妥当です。疑う方は彼の著書をお読みください。

グイード・ダレッツォ ミクロログス

 

とにかくここに絶望的な論理の矛盾があるんです。

 

100歩譲って音階が改竄されたとしても、特定の周波数こそ正義だ、とすると別の問題が出てきます。

 

正しいソルフェジオ周波数は?

強いていうなら、例えば528Hzだけを鳴らしている音源がそれに該当すると、と言えます。でもよく考えてください。

528.0001Hzでは正確と言えます?

528.1Hzでも効果が同じだったら?

528.0000000...Hzは再現可能だと思います??

その辺をあなたがどう考えるかです。

ではもう少し周波数の実際について考えてみましょう。

 

ただ一つの周波数であるためには、音程に揺れがあってはいけないのです(下記)。

しかしこういう音現象は自然界にはほとんどありません。上記はシンセのsine toneを鳴らしたオーディオデータです。

下記は440Hzのピアノを鳴らした音ですが、ピアノの音には倍音が含まれて、一音を弾いても必ず複数の倍音が響いて「ピアノの音色」を作っています。それにリアルなピアノほど、つまり自然であればあるほど微妙に周波数はずれます。下記は440.3Hzで表示されていますね。

だから自然な音であれば、あるほど、音は、ランダムに微細に変化して鳴っています。

また上記を見てわかる通り1つの音だけが鳴るわけではありません。

だから、528Hzとだけ明記して、その音が鳴っていると表示するのは、あくまでエンタメであり、科学的には不正確で曖昧すぎて、むしろ何も表示していないのと同じ位抽象的な話なのです。本当に正確に528.0000Hzを鳴らす事は当時は不可能ですし、現代でもなかなかもって難しいです。もし純音の528.0000Hz を鳴らすことがソルフェジオ周波数の事実であるとするならば、当時再現できるはずがないのです。

この話をどのように解釈してどのように捉えるかを以下に説明していきます。



そもそも聖歌に使われる音は人間の声ですから、倍音を持ち、音高が揺れます。そして歌い手全員の周波数が微妙に違うからこそ、自然な揺れが生まれ、完全な協和でないがゆえに微細なズレが美しく感じる、というのが教会の聖歌の魅力です。

こちらがグレゴリオ聖歌の声の揺れです。集団で歌うことで個々人のピッチが微妙にずれ、ヴィブラートは半音以上揺れてズレることもあります。

この揺らぎが聞き手に心地よさを与えるのであって、一定の変化しない528Hzという一定のピッチが人に心地よさを与えるということを理解するのは現状では難しいです(灰色の四角のマスがその時の音高の平均値を現し、青色のラインが実際の音高のラインを表す)。

つまり528.0000Hzではなく、527.5Hz<X<528.5Hzの間の揺らぎを「528Hzの音とする」といった解釈を明記しないとこの話は定まらないわけです*5

この話は、どの範囲までを近似値と定めるのかという、超微細な自然の現実的値を無視して、極めて人間的感覚を優先した傲慢な数値設定をしなければならなくなるという事実を受け入れてください。本当に自然の話をしてしまえば、自然に存在する原子そのものも、一つ一つ大きさが異なります。そうした自然の曖昧さを、人間の感覚で判断できる文化的常識の範囲で「同じである」と言ってしまう感覚は、むしろ非常に差別的な表現と言わざるを得ません。

不定調性論でも「どこまでを同じ音名で呼ぶのか」を製作者個人が定める、というモデル設定にしました。

www.terrax.site

ソルフェジオ周波数における数値設定は、あくまで人間の感覚による数字を象徴的に扱えるように設定したエンタメであることを認めた方が面白く考えていけると思うのですが、いかがでしょう。真の周波数は528.00001Hzかもしれませんよ?人間にとっては小数点以下が美しくないかもしれませんが果たして自然界はどうでしょうか。

 

またいろいろ探して登録した好きな感じのサウンドを作るチャンネルがありました。例えばこれ。

www.youtube.com

この手の音楽は、基本的な調律を528Hzが生まれる調律にして音楽を作っているわけです。だから528Hzも鳴っていますが、528Hzに基づいたほかの音も鳴っています。いわば半音下げチューニングならぬソルフェジオ周波数チューニングなわけです。正確に言えば、444Hzにaの音を調律すると528Hzのcが生まれます。

このとき174Hzは微妙に不協和になるはずなのですが、ダウンロードして調べてもエンコードによる揺れ伴うためか、ある設定でダウンロードすると176Hz、ある設定では172Hzとなり、正確にはわかりません。174Hzの音が鳴っていることは明らかです。

これらの音楽は「拡大解釈されたソルフェジオ周波数の音を含む調律による音楽」と思って楽しみましょう。Youtubeにはたくさんソルフェジオ周波数の音を鳴らします的な音源が出ていますが、アップロードする際のエンコード方法によっては周波数が2,3Hzくらい変わってしまう場合があり、もうご愛嬌です(そんなにデジタル処理に詳しい人がやっている場合ばかりではないからです)。

エンタメと思って癒されましょう。上記のチャンネルもそうですが、素晴らしいサウンドを作るクリエイターがたくさんいますので。

 

音楽家が作るソルフェジオ周波数

プレオ氏のやり方を参考にしつつも、それなら次のような解釈もできるのでは?

聖書の暗号が396なら、これをベースに考えれば良い。

平均律のg音が391HZ周辺なので、この396を周波数にするならgに近い音。

聖書の暗号的に396Hzこそ神のソの音だ。祖の音。

そこで純正律的に、このソを中心に12音を作ってみると、

音名    周波数    比率
C    264.0    1/1
C#    275.0    25/24
D    297.0    9/8
D#    316.8    6/5
E    330.0    5/4
F    352.0    4/3
F#    371.25    45/32
G    396.0    3/2
G#    422.4    8/5
A    440.0    5/3
A#    475.2    9/5
B    495.0    15/8
C′    528.0    2/1

これで528Hzがバッチリ出てくれました。

そして

C音(264Hz)→ 2+6+4=12=1+2=3

G音(396Hz)→ 3+9+6=18=1+8=9

C'音(528Hz)→ 5+2+8=15=1+5=6

とこの流れも396になりました。これで閉じています。

で、さらに、各周波数が3-9-6のデジタル和になるように小数点を使います。

C#    275.0のデジタル和は9にならないといけません。しかし現状は5です。4足りません。もっとも275に近い9になる数値は、

275.4=2+7+5+4=18=9

274.5=9

より275に近いのは275.4です。このように採用していくと、

音名 元の純正律Hz 修正後のHz  デジタル和
C     264.0    264.0    2+6+4 = 12 → 3
C#     275.0    275.4    2+7+5+4 = 18 → 9
D     297.0    296.7    2+9+6+7 = 24 → 6
D#     316.8    317.1    3+1+7+1 = 12 → 3
E     330.0    330.3    3+3+0+3 = 9
F     352.0    351.6    3+5+1+6 = 15 → 6
F#     371.25    371.1    3+7+1+1 = 12 → 3
G     396.0    396.0    3+9+6 = 18 → 9
G#     422.4    422.7    4+2+2+7 = 15 → 6
A     440.0    440.4    4+4+0+4 = 12 → 3
A#     475.2    475.2    4+7+5+2 = 18 → 9
B     495.0    494.7    4+9+4+7 = 24 → 6
C2      528.0    528.0    5+2+8=15 → 6

と出ました。

この時、合計は4435.2になりそのデジタル和は9です。

また全体の平均値は、369.6Hzでここにも396が顔を出してきて不思議。

 

また、どうしても整数にするなら、

音名 元の純正律Hz 修正後のHz  デジタル和
C     264.0    264    2+6+4 = 12 → 3
C#     275.0    279    2+7+9= 18 → 9
D     297.0    294    2+9+4 = 15 → 6
D#     316.8    318    3+1+8 = 12 → 3
E     330.0    333    3+3+3 = 9
F     352.0    357    3+5+7 = 15 → 6
F#     371.25    372    3+7+2 = 12 → 3
G     396.0    396    3+9+6 = 18 → 9
G#     422.4    420    4+2+0 = 6 → 6
A     440.0    444    4+4+4 = 12 → 3
A#     475.2    477    4+7+7 = 18 → 9
B     495.0    492    4+9+2 = 15 → 6
C2      528.0    528    5+2+8=15 → 6

という計算もできます。333や444などのエンジェルナンバーが出てくるのでオススメです。どの周波数群を使ってもいいですが、上記の表の「修正後のHz」の周波数を使ってください。

 

「333」が意味するもの

「333」は、人生に訪れる成長と変化を象徴する。これは、仕事、金銭面、私生活、人間関係など、さまざまな側面に関連する可能性があり、「前進」に集中するよう伝える宇宙からのサインとして解釈できる。とくに人生の岐路に立たされている場合、正しい決断をするための自己愛と自信を深めるように導いてくれるだろう。

(引用)エンジェルナンバー「333」の意味とは?── Vogue Japan

「444」が意味するもの

「4、44、444といったエンジェルナンバーを繰り返し見かけたら、無視してはいけません。数字はあなたを導き、ポジティブなエネルギーやサポート、内なる自信を与えてくれます」

(引用)エンジェルナンバー「444」の意味とは?──Vogue Japan

 

これで396の連鎖で12音ができました。

12音数が正しいわけではないし、周波数の計算も違うやり方があるでしょう。

ただ発見した文脈に寄り添う、のであれば、このようなやり方が私なりのプレオ氏発見へのリスペクトです。

オクターブ高いcが6でありc-g-c2で3-9-6のひとくくりができているので、この音階はオクターブを積み重ねる必要がなく、唯一無二の組み合わせになります。

周波数を使うことで、平均律よりも、より体に調和する音楽が作れる、と理論展開したい方にはどうぞご自由にお願いします。

 

 

 

各周波数の効能〜528Hzがなぜ奇跡の周波数になったか

まず「Ut queant laxi」の歌詞の意味を拡張していきます。

それに加え、民数記の文章との関わりでの解釈が加わります。

 

528Hzはmiのところですが、ここの歌詞が「奇跡の御技」という意味なので、そこから奇跡の周波数、というところに展開していったようです。

なんかいろいろすごいですね。

これらの結果から、さらに174Hzと285Hzが追加され下記のような知識に飛躍展開していきます。

「174Hz」=3 意識の拡大を促すので、人の内面に働きかけ、心を安定に導く。

「285Hz」=6 多次元領域からの意識の拡大を促す。自然治癒力を促し心身を整える。

「396Hz」=9 罪の意識や、トラウマ、恐怖、不安を緩和。自己の解放を促す。

「417Hz」=3 回復力を高める助けとなる。マイナス思考/状況からの回復を促す。

「528Hz」=6 過度なストレスに晒され、傷つき壊れた細胞のDNAを修復する。

「639Hz」=9 対立するものを統合し緩和させる。人間関係の向上が期待できる。

「741Hz」=3 表現力を開花させる。コミュニケーション能力の向上をはかる。

「852Hz」=6 直感力を覚醒させる。「松果体」を活性化し洞察力を高める。

「956Hz」=9 高次元の意識とつながることで脳が活性化する。

この辺の数字の拡大解釈の過程がなんとなくご理解いただけたでしょうか。デジタルルートが3,6,9が三回連続するように組まれています。174=417=741と数字のアナグラムになっていますね。

 

ただいくら奇跡だからってDNAまで修復されるなんて、、と思いますね。ただ、DNA修復は、1980ー90年代に盛んに研究されていた分野ですが、使用されていたのは酵素(例:DNAポリメラーゼ、リガーゼ)や化学的条件(pH、温度、イオン濃度)で、音や振動(Hz単位の周波数)を用いた生化学的研究も一部には存在しましたが、それは超音波(kHz〜MHz)や強い機械的振動による作用の探究が主で、可聴音(20Hz〜20kHz)を用いて特定の分子機能を制御した例はありません。

また、「528Hz=DNA修復」という主張は、レナード・ホロウィッツ氏の他著作や関連者(Dr. Joseph Puleo)による「カバラ数秘術・ピタゴラス音階・旧約聖書の数字の解釈」などが背景にあり、何らかの科学的根拠が存在するわけではありません。

スピリチュアルを全否定するつもりは毛頭ありません。私の存在自体がインチキみたいなものですから。

 

科学的検証事例について

ソルフェジオ周波数を発する音声に調律された音楽に癒しの効果がある、とする論文は存在しています。もちろん真偽はじっくり検証する必要があります。

"Effect of 528 Hz Music on the Endocrine System and Autonomic Nervous System"

528Hz音楽が内分泌系および自律神経系に与える影響

Kaho Akimoto(秋元加保)他

順天堂大学大学院 医学研究科 病院管理学講座(Department of Hospital Administration, Graduate School of Medicine, Juntendo University, Tokyo, Japan)

順天堂大学大学院 漢方先端医療臨床研究センター(Center for Advanced Kampo Medicine and Clinical Research, Graduate School of Medicine, Juntendo University, Tokyo, Japan)

ジャーナル名: Health

出版日: 2018年9月6日

DOI: 10.4236/health.2018.109088

https://www.juntendo.ac.jp/academics/graduate/med/research/labo/kampo.html

研究概要

9名参加、5分それぞれの音楽を聴取(異なる日に、調律の違う同じ音楽を聴いてもらう)。

528Hzの音楽がストレス軽減に与える効果を調査。唾液中のストレスマーカー(コルチゾール、クロモグラニンA、オキシトシン)および自律神経系の活動を測定し、528Hz音楽が440Hz音楽と比較してより顕著なストレス軽減効果を示すことを明らかにした。

440Hzを基準(効果 = 1)とすると、528Hzの効果は以下の通り

コルチゾール減少効果:約1.42倍。

オキシトシン増加効果:約1.96倍。

POMS(気分改善)効果:1.08~1.10倍。

自律神経系(CVRR改善)効果:約1.20倍。

これらの結果から、528Hz音楽は440Hzよりも生理的・心理的なストレス軽減効果が強いことが示唆される。

 

 

ソルフェジオ周波数が細胞死の割合を減らす、という論文もあります。

The Effects of 528 Hz Sound Wave to Reduce Cell Death in Human Astrocyte Primary Cell Culture Treated with Ethanol

(「528 Hz音波がエタノール処理されたヒト星状膠細胞一次培養における細胞死を抑制する効果」)

執筆者

Tohid Babayi、Gholam Hossein Riazi(筆頭著者であり、生化学部門の責任者)

テヘラン大学生化学・生物物理学研究所(イラン・テヘラン)

受理日: 2017年7月5日 発表日: 2017年7月12日

ジャーナル名: Journal of Addiction Research & Therapy巻: 8, 号: 4

概要

この研究では、528 Hz音波の使用がエタノール処理による細胞死を軽減するかを調査。エタノールは中枢神経系、特に星状膠細胞に損傷を与える。

目的

エタノールの毒性が星状膠細胞に与える影響を減少させるため、528 Hz音波が有効かどうかを検証する。

方法

培養したヒト星状膠細胞にエタノール(25-500 mM)を投与。

528 Hz音波(80-120 dB)を適用し、細胞生存率、LDH(乳酸脱水素酵素)放出量、ROS(活性酸素種)生成量を測定。

MTTアッセイや顕微鏡観察などを用いた評価。

結果

528 Hz音波(80 dB)でエタノールによる細胞死が約20%減少。

ROS生成も大幅に抑制。

100 dBや120 dBでは効果が限定的または有害。

結論

528 Hz音波は非侵襲的な方法としてエタノールの毒性を軽減する可能性を示唆。

<論点>

一応、科学的に疑問となり得る点も書かせていただきます。

・528Hzの音波がDNA修復やROSの生成抑制に影響を与えるという主張があるが、その具体的な分子メカニズムが不明確。音波がどのように細胞外や細胞内で作用しているかの詳細な説明が決定的に不足。

・80dBの528Hz音波が有意な効果を示すとされるが、100dBや120dBでは効果が見られない、あるいは有害な影響があると記述。その理由が未記述。

・528Hz音波の選択理由に科学的に裏付けがない。他の周波数で試していない点等。527Hzでない、という証明がないと、528Hzが特別だとは言えないのでは?それとも527Hzでもっと効果があった場合、という真実が隠れていたら?

 

その他にも同じ研究者で、

https://link.springer.com/article/10.1007/s13258-018-0753-6?utm_source=chatgpt.com

「528 Hz 音波のさまざまな強度がラットの脳内のテストステロン生成に及ぼす影響と行動変化の分析」

という研究でも528Hzの周波数が、テストステロンの生成に関与している(ストレスの低下)、という成果も出ており、偶然か必然か、その周波数がなんらかの影響を及ぼしたことを示唆している。

<論点>

・音圧(100dB)はかなり高音量であり、動物にとってストレスや聴覚障害のリスクがある強度では?

・テストステロン変化が本当に行動変化(不安減少)を媒介しているかの因果を確認するにはホルモン阻害剤投与などの追加検証が必要

・「ラット実験での特定条件下の現象」であり、人間にそのまま適用できると結論づけるのは時期尚早。

・音響刺激と神経内分泌応答を結びつける研究自体は、うつ病や不安障害などの治療応用に繋がる可能性歯ある。

・ただし臨床に進むには、安全な音量・周波数範囲の検証、複数の周波数・条件の比較研究、ヒト被験者でのトライアルなど段階的な検証が必要。

 

これらについては興味深いんですが、ソルフェジオ周波数とは関係のないところで、共鳴または何らかの振動現象が、身体の何かの器官に影響を及ぼして、なんらかの効能が現れる可能性があるかもしれない、ということを示しているわけです(ただし人間に同様な効能があるかを検討できていないので、この情報自体はまだ臨床レベルではない)。研究者はソルフェジオ理論??が528 Hzを特別視し、「愛」「奇跡」と結びつけている、という点は研究者たちにとって科学的検証の対象だったのでしょう。「振動数としての単一の可聴周波数」は実験対象としても扱いやすいです。

 

例えば8.25Hzは528Hzの1/64で、脳のシータ波の"オクターブ"に近く、こうした類似周波数による何らかの体の器官の同調がリラックスを引き起こしている可能性はないか?とか考えませんか?

これは偶然か、それともソルフェジオ周波数とは違う別の意味で、人体のどこかの周波数帯と共鳴が起きる周波数がある、とするならばそれが共鳴振動し、普段よりも組織が活発に振動することで、良い効能が現れる、みたいなことはありそうな話です。

こうしたことから、528Hzが奇跡だと言っている方が多いように思いますが、"奇跡"の由来はあくまでその歌詞から来ていますのでその混乱の根源自体を理解してみるとなかなか趣き深いものがあります。

 

なぜソルフェジオ周波数がチャクラと結びついたか

その後、チャクラが持つ意味と、ソルフェジオ周波数で該当させた概念や効用が類似している、ということに気がついた人たちが、その関係性を、医学的科学的根拠とは別に、宗教的教義の発展/古代医療技術の現代的展開として用いて現代に至る、と言えます。

 

(1) Jonathan Goldman

Jonathan Goldmanは、音響療法の研究者であり、音や振動を用いたヒーリングを広めた人物。

彼はチャクラと特定の周波数を関連づける考え方を提唱し、ソルフェジオ周波数をチャクラのエネルギー調整に活用する可能性について言及。

(2) David Hulse

David Hulseは、音響療法の分野でソルフェジオ周波数を普及させた人物の一人。

など等他にもたくさんいらっしゃいます。

 

チャクラとは、インドの古代哲学やヨガの思想において、人間の体内に存在するとされるエネルギーセンターのことを指します。サンスクリット語で「車輪」や「円」を意味し、エネルギーの流れやスピリチュアルな力が集中しているポイントと考えられています。

 

チャクラはエネルギー(プラーナ、気)が流れる通り道である「ナディ」と呼ばれる経路に沿って配置されています。
・特に、体の中心線に沿って配置された7つの主要なチャクラが最もよく知られている。
・各チャクラは、感情的な状態、精神的なテーマと関連付けられている。
・チャクラがバランスを崩すと、身体的・精神的な不調が生じると考えられている。

undefined(引用)

en.wikipedia.org

このチャクラの話で離脱する人が多そうですが、これらの要衝と体の機能を比較してみるといろいろ納得いくと思います。

文字がちっちゃいのでクリックして拡大してください(それぞれいろんな流派での解釈があるので各位の流派で解釈し直してください)。

これらの部位と西洋医学、東洋医学において人体の要衝とされた部位に当然関連性や人体の機能意義は合一します。

あとは、これらと類似するソルフェジオ周波数のコンセプトと呼応させてみれば表は完成です。

チャクラとリンパ、筋膜、人体の主要臓器、その働きとソルフェジオ周波数解釈との対応をまとめました。

これらの主要箇所を整える方法はヨガ、鍼灸、気功、そして西洋東洋医学どれも基本的には同じです。東洋医学はこれらにさらに"人としての気"の観念を加えます。心臓だったら、基本は血液を送り出す役割ですが、感情や愛、人格の象徴のような意味もそこに加えます。これは普段の人間関係でも心臓が象徴するもの、として理解しやすいと思います。西洋医学はこうしたことをいったん排除して、病気の治癒に専念したという点で利益性が高かったわけです。

 

生命を維持するのに必要なものを流す重要箇所はどの文明でも似通ったところを要衝と捉えています(同じ人間ですから当然ですね)。

古代から、いかに人体の主要箇所の流れを滞らさせないかが考えられてきたわけで、それを「チャクラ」と呼ぶか「リンパ節」と呼ぶかの違いだけです。

 

あとは意味合わせですね。ハートチャクラは心臓や肺、循環器あたりを示します。つまり、西欧医学の心臓、肺循環、大動脈を指します。健康においてこのハートチャクラが整わないと健康を維持できないのは言わずもがなですね。

医療とは別に考えても東西問わず心臓が愛の象徴とされることも今更述べる必要もないでしょう。

 

そして639Hzは「愛と共感の促進」という意味合いが与えられていました。

Fa...Famuli tuorum=あなたのしもべたち→神と神に仕える人たち→隣人愛→愛、つながり、、、となるわけです。

無理がある??と言うより、こういうのは想像力だと思います。

あ、住宅地だ、徐行しよう、子供が飛び出してくるかも...みたいに思うのと同じです。

それは思いやりとかというより、人間が人間として他者との関わりを意識して命を運営できるかどうか、という指針です。相手のことが考えられないような想像力の人は、どんなに天才でもなるべく関わり合いたくないものです。

西洋医学も頭の良すぎる人が運営しているため、そういう曖昧な側面を見失ってしまう時があるので、こうしたことを先人の知恵として知っておくことは決して無駄にはなりません(西洋医学を否定しているわけではありません)。でも東洋医学をやっている人の方がどこか優しさ、とか想像力とか、科学的知見とは違う信念や理解を持っていて、いろんなインスピレーションをくれる人が多いですね。

 

これらの関係を察知した人が

「この639Hzってハートチャクラに効くんじゃね?」

と思ったのでしょうか。なんかもうこれは天才的な発想だと思うのです。

 

かくかくしかじかで、チャクラとソルフェジオ周波数は結びつけられていきました。

こじつけかもしれませんし、人智の及ばないところに関係性はまだ隠れているのかもしれません。

わからないからこそエンタメとして扱う心の余裕が必要です。

エンタメは人の心の拠り所ですから、拠り所にしていきましょう。

 

まとめ

おそらく今書いてきた全貌を全てわかってソルフェジオ周波数を扱っている人は少ないでしょう。それにこれがわかっても単に興醒めさせるだけです。

実際に528Hzはひょっとして何らかの人体の組織の周波数に近いのでは??などと思ったり。

同じような話にシューマン共振という話があります。世界中で落ちる雷が電離層と地上の間で跳ね返る電磁波となって、地球の大気中を反射していく現象です。光は1秒間に地球を七周半しますが、大体地球をめぐる光はそんな感じゆえ、シューマン共振も平均7.83Hzで地球を巡っています(常に赤道上を雷が巡るわけではないから周波数にばらつきがあります)。この周波数がまた脳波シータに近いです。

電磁波でも音波でも規則的な周期が人の体に常に触れて刺激を、ミクロの世界に与えていると言えます。

これらの周波数(脳波は電気信号ですが)を心地よい可聴域の音波の周波数帯におきかえてみましょう。

ただ2かけて行ってオクターブに該当する値を出しただけです(倍音)。音波として考えています。

これって64-12800Hzをほとんどが該当しちゃいます(笑)。音波を0.001Hz単位で刻んで体に照射し続けたら、ある日、数秒で自分が眠れる周波数を発見する、とかです笑。

でも見つけるのに何十年もかかりそう笑。

 

人は心のどこかで

「周波数(共鳴)(振動)が人を整える」

的なことを知っているのではないでしょうか。はたまたマラソンしている時の体の振動が細胞を衝動させて、幸福になる人、とか。膨大な周波数を一挙に浴びる=音楽を聴く、ことで、癒される人も多いです。もともと人間は一つの周波数ではなく、ジャングルの音を聞いて育ったわけですから。

いろんな人がいていいですよね。

 

ノイズこそが最も自然な音です。ランダムなノイズこそ生命を活性化させるのであって、人工の音楽自体は脳にとっての麻薬(音楽はチーズケーキ)であり、栄養ではないのかもしれません。ファストフードかもしれません。

 

地上の雑音は脳のゆりかごです。無響室で感じるあの異様な焦燥感は、振動や共鳴がない世界の居心地の悪さでしょう(個人差あり)。

 

なお、音がDNAを修復する、という話ですが、これは、木材を100本空き地に適当にばら撒いた状態で、空き地全体にある周波数音を聴かせたら、その振動によって3階建てのログハウスが自動的に建設されてしまう、というくらい科学的には無理がある(DNAの仕組みは複雑です)ので、そういうことは期待せず、好きな音楽で心身をリラックスさせて、「DNAを修復するような気持ちで聴く」ことで、副交感神経が優位になれば、体の機能は満遍なく整っていくわけだから、ただただ「リラックス」を目的に自分が楽しめるものを見つければ良いと思います。

DNA自体、強力な修復機能をもともと持っています。あなたのDNAはソルフェジオ周波数などに頼らなくても勝手に直してくれるシステムを生まれ持って獲得しています。

音楽学校でもスピリチュアルスクールでも教えてくれない話でしたね。

「なんだ、ソルフェジオ周波数って嘘か」

って思うのは、絵画を見て「なんだ、絵か」って思ってしまうようなものです。

素人ですので、随時ご意見をいただいて修正をしております。

「本当にソルフェジオ周波数で病気が治ったんだ!」とおっしゃる方は、一旦下記の記事シリーズをお読みになってからご連絡ください。

www.terrax.site

 

 

 

 

*1:オーネット・コールマン 領土と冒険、M.ゴーリア著 林道郎訳 水声社 p193

*2:海外では影響力を持っている人物でありますが、一方で「迷信大将」などと揶揄され、科学的検証が圧倒的に不足している論理展開によって、主要メディア、専門家、権威常識筋からの信頼はほとんどゼロと言えます。真実はわかりませんが、世の中の価値基準は、大勢の権利筋の意見の平均値で決まるので、それらを総合的に判断すると、その著書内容は疑問を持って扱う必要があると言わざるを得ません。一方で「陰謀論」文化は、ある意味で人のストレスの緩衝材になっており、その中心にいる彼はこうしたムーブメントを作ったある種のエンターテイナーであるということはできると思います。疑うことを教え、突飛な背景が世界にあるかもしれない、と想像力を広げ報道を警戒する、という意識を根付かせた功績があることは確かです。

*3:この桁を足し合わせる算出方法の数学的意味は、9などの倍数が各桁を一桁になるまで足すと9になる、というような現象で知られていますが、これは全て10進法が基本の計算方法となっている私たちの文化圏では重要、という話です。10より1足らない9が数学の計算的に特殊な振る舞いをするからですね。世界の全てが10進法で構成されているわけではないので、「10進法で解釈した場合の重要性」がいかに狭義な思想か、を頭に入れておかないとこの話の意義がつかめません

*4:日本人は「天皇皇后両陛下」を「ターターターター・ターターター」で感じますが、これは3+4です。5−7−5も 「タタタタタ」「タタタタタタタ」「タタタタタ」 とせず、 「ターターター」「ターターターター」「ターターター」 と感じると3−4−3です。でこれを、 「ターターターうんターターターうんターターター(うん)」とすると三と息継ぎのリズムに収束します。還元すると2、3とか3、4のわらべ歌リズムにかかっていくので、日本人はこのリズムの中に乗れる響きを風雅とする傾向が強く、西洋の感覚とはまた違うところに美意識があることも思い出しておくと、西欧的癒しの音楽以外にも日本人が親しめる感覚が他にも独自にある、って知っておくのは意味があるのでは?

*5:物体の共振には、共振曲線に沿って起きるので、厳密である必要がなく"だいたい528Hzでいい"っていう話かもしれません。そうなると3,6,9に基づく、っていう割り出しは、無から真理に近い大体のところを狙っていく際の目安の計算、という話であり、527でもまぁまぁいけるよ、っていうことになります。歌がずれていても大体あってればOKという現実的にいい感じの答えにもできるのがまた面白いです笑。ラジオのチューニングも厳密に番組の周波数に合わせなくてもノイズが混じるとはいえ聞くことができます。厳密でなくとも要は足りる、という世界観でいいなら、3、6、9は大事だけど2.8、6.2、8.9でもいいよ的な