音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

制作メモ;富士山とピアノ即興曲/識と造形〜氷雲の夢

今回は長編です。

春に作った「L'adiu」で用いた感じを少し発展させたやり方で書きました。

youtu.be

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ぜひ一番いい画質を選んで観てください!!写真が綺麗に見えれます!

 

富士山の写真スライド付きです!!

たくさん写真を送っていただきまして、ありがとうございます。。

折を見てそのたびごとに写真を撮っておられたその写真を拝見して、いいなぁ、すごいなぁ、とただ感じたので、せっかくだから作品にしたいなぁ、とぼんやり考えながら最初は「富士百録」って100曲ぐらい書こうかなって思ってて、まとめて写真をいただいて、しばらくしたある日ピンときて、15分ぐらいの曲にすることにしました。

富士はonly oneだ、何曲も書く必要はない。

 

。。とかなんとか、またいい写真が集まったら二曲め作りたくなるくらい今回の写真はインスピレーションを受けました。


「富士」と呼ばれる以前、遥か太古の昔からそこにあって、人類が生まれる過程すら見てきたであろう不二の山。
我々が見る風景は一瞬でも、今そこにそびえる自然は太古の昔から変わらない造形。

「識」とは意識、心体、生死の概念、観念と概念...etc。そして四季。。宇宙からすれば一年の季節の移り変わりなんて人の1秒間程度に起きる出来事なのかも。

富士と呼ぶのは我々だけです。

その不思議な風景に支えられながら生きていくことの淡々さと共に今を歩む、そんなイメージの曲になりました。

 

曲を迷いながら作っているうちに、なんとなく富士が教えてくれた、というか、なんというか。きっと誰も彼も、避けることのできない運命とか「自分の意志ではない自分の意思」に自ずと流され、突き動かされ、止むを得ず今を懸命に生きているんだ、というイメージが聞こえてきました。

「L'adiu」は元々のメロディがあったのですが、今回はもう写真見ながらその場で作りました。

 

切なさとは意思の足跡。

富士に意思がないとしたらあの山はなんであそこにあるのか。

結局そこに何もない「空」なのだとしら、とても切なく美しいです。意図が何もないのになんで美しいんでしょう。そういうことの先に理解できるのが「識」なんだとか。

まだ全然わかりません。煩悩があるから音楽作れるわけで。今のとこ。

 

そんなことがぐるぐる写真から迫ってきました。

ああ、自分は変わってんだな、とも思います。疾病の名前がつかないだけで。

軽症なほう?

 

「氷雲」とは造語ですが、まさに富士は山ではなく天地一体になって日々作り変えられる概念なのだ、と感じました。ふわっと頭にこの単語が浮かんだのです。受動態的に(先日中動態をやったので)。私が作ったんじゃありません。ふわっと降ってきたのです、だから私は作っていません。この曲も。「責任」を取っているだけです笑。

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今回も大変なデータになりました。みなさんからはそう見えないでしょうから訴えようもないのですが。

 

雲と空と雪と山肌と(ときどき月)のコントラストが実に音楽的です。

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例えば最初の写真をこれにしたのですが、まず動画を先に作りました。気に入った富士の写真を先に並べて「音無し動画」を作ったんです。

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そしてDPに読み込ませ、映像を見ながら作っていきます。感覚としては、以前Spitfire Audioコンペに参加した時に覚えたやり方です(これも楽しかった!)。

www.youtube.com

効果音とセリフ以外は全部私が音楽を当てて応募したものです。

 

で、今回は(も)写真を楽譜にしました。

これまでの作品でもそういう作り方をしてきましたね。得意なのかもしれません。

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例えばこの写真を見ると、こんな風にクオリアを感じます。そこに意識をインポーズして行くと抽象的なメロディが浮かんできます。写真の翻訳。この曲のはじまりは、ポジティブでもネガティブでもない和音が静かに並んでいく抽象的な始まりです。まだ感情の高ぶりはありません。

あのフレーズはこの写真から生まれたんです。

こういうことをしたいがために不定調性論はあります。まあ、自分の制作のための方法論ですから。これを自分で認めるまでは、作曲は苦痛でした。ちゃんと誰々っぽく、ちゃんと楽譜を書いて、ちゃんと構成を想定して、なんて作ろうとしていましたからできやしません。(楽譜書けないわけだ-落胆-)世の中のやり方が合わない、って後年になって気がついて、人生返してくれと言いたいけれど意志ならぬ意思で懸命に残る日々を生きてゆくほかはありません。

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それぞれが個性を持っていて時に水墨画のようで、時に夢の中のようです。

曲想はどんどんはっきりしてきます。

曲も半ばまで行くと、どんどんメロディがはっきりしたフレーズが構成されていきます。

もう富士を見ているのではなく、人の心とか、遠い世界とか、過去や未来が映画のように浮かんできていました。

 

この姿は過去も未来もこうしてここにそびえ立っているのでしょうか。

 

時々写真の変わり目に合わせて音の色合いが変わったりもしてます。即興的なので特に意図してはいません。完全に"受動的に"曲を作っています。

あるいは富士が作ってくれたメロディ、とも言えるかもしれません。またはこの写真が作ってくれたメロディ。写真を撮った人の意思も感じたのかも。

世界はなんでそこにあるんでしょう。私たちは一体これからどうなるのでしょう。

そういう思いが旋律になる、というのはある意味ではありがたいことですね。

最後は小さな諦観も超えて、静かな富士讃歌のような趣で終わります。讃えることなどとても追いつきません。だからせめて今持ってる憂いよりも今持ってる悦びを富士に手向けたいな、と。富士も"曲の完成"を返してくれました。

 

お家芸である不定調性的な音で作られています。

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一応不定調性的な感覚とは?ということで一つだけ事例を。

上記画像は、今回の曲の一番最後の部分です。

ケーデンスにはならない形式で曲を終了させる工夫、をするのが不定調性論的な工夫感覚です。この曲、終わった感じしませんか?曲の頭がGっぽいので最後は上部にGを載せています。

ケーデンスを信じないようにケーデンスを使うことに慣れよ!と布教しているところでありますゆえ。

 

制作期間は2、3日に一回、60分ほど作ってのべ1ヶ月ぐらいでしょうか。

そんなにかけて曲のインスピレーションを保っていられるのか、と思うかもしれませんが、それが可能なんです。最初のメロディを聞くと前回作っている時の感覚に戻ります。それを継続させることで、一つの癒し、というかストレスの解消にもなっていると思います。

多分そうでもなければ、こういう曲を書く性癖はこのご時世では成り立たないだろうと思います。苦しいと曲書いちゃう、現実逃避で曲書いちゃう、ストレスたまると曲書いちゃう、みたいなタイプ。

 

またブログ記事でご紹介いただいてしまいました。

fuji-san.txt-nifty.com

 

おまけ1

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何年まえか、もうわすれてしまいましたが、左は新五合目に登った時、どこかの子供が写ってしまったんですがね。。。右の写真は新車にして、山中湖にM-BankDTMクラスで合宿に行った時です。私だけ自転車で道志みちから山中湖に向かいました笑。途中電波が届かないところがあり、なんか連絡あったらどうしようかな、とか思ってました笑。道志みちは2回目だったので不安はなかったのですが、相変わらずの美しい峡谷でした。M-Bankの水越先生とかはあの辺りゆかりなんですって。

 

富士絶景スポット、三国峠は一旦合宿所に着いてから普段着でこのスポットにチャリで登りました。カメラマンがたくさんいましたね。良い思い出です。もちろん帰りも自転車。

少し早めに出たのですが、少なくともみなさんの自動車よりは駒沢に着くのは速かったです。意外と自転車は早いんです。

 

おまけ2

こちらは一号車時代、登り富士に行った時、

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最初は間違って旧五合目に行っちゃってね。方向音痴なので。到着した!!!と思っていたらなんか閑散としてておかしいなぁ、と思ってたらまさかの旧!!笑。

間抜けかよ!

気を取り直して改めて新五合目に。

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この写真どこだかわからない笑

新五合目です。。岩のような雪塊が塀になり、向こうに雲海が下に広がります。

 

おまけ3

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どこかの峠(多分甲武トンネル近辺かそこらの峠を抜けた後///わすれた!)で突然富士に出会った時。ここは上下に景色が広がってて隠れたスポットだね!

他にも写真をたくさんの場所で撮ってきました。

何かと魅了されてきました。

きっとまた富士の曲は作ると思いますね。

 

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駒沢からの富士。実は後年、もう一個ビルが建ってしまうのですが。