写真をいただきまして音楽を作るシリーズです。
いつものように最高画質1080p、ヘッドフォンで静かな時間に聴いていただきたいです。
毎日見ているような何気ない電車の風景です。
ふと誰も乗っていないと不思議な感じに襲われますよね。
いただいたお写真は別に変なものは写っていません(と思います。)
誰もいないときは、みんな無意識のうちに遠慮をして、人でない人に席を譲っているのだ、そんなことを聞いたことがあります。
今回はテクニカルな曲です。
この曲では、上記を基本構造にして最後まで展開していきます。
どこか電車に乗っている時に近づいてきては遠ざかる踏切の音のようなモチーフです。
電車の中で遠くに聞こえる、安全を促す音、何も起きずにまた遠くへ通り過ぎていくあの踏切の警笛は何を象徴しているのでしょう。
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(簡易な作曲行為の練習として)
作曲を始めたい!と言ってもいきなりポップスを作るのはそれはそれで難しいです。
簡単なBGMだってコンセプトが明確にできたり、たくさん音楽を聴いていないと作れません。
そこで簡単なモチーフを繰り返すだけで、あとは和音や装飾をして音楽らしき存在を作る、と云う方法が不定調性論的思考では可能です。
不定調性論的枠組みで音楽を作る場合、調や楽譜的観念、機能和声に一切縛られないので、現状のあなたのこれまで生きてきた中で培われた原風景的な音楽観念だけを用いて、「今自分ができる全て」思い得る作品を作ることができます。
その際に先生方も、理論的にどうこうとか、楽譜的にどうこう、とか極力言わないようにしていただくと、音現象の連鎖が作る音楽の原液のようなものを感じると思います。
もともと何の約束事もない、と云うことを確認するには持ってこいの音楽制作方法です。
実際こう作っていくと何が不協和で何が協和か、もどんどん曖昧になっていきます。
音楽概念のゲシュタルトが崩壊していきます(不定調性感覚の目覚め??)。
DAWがない方は先生に弾いてもらったり、打ち込んでもらって「それっぽく」表現をしていただいたらそれを音楽表現である、と云うことができます。
一方で「その人が感じる音楽っぽくできる感覚」が問われます。
ちょっと矛盾していますが、既存の音楽を求めないとはいえ、「音楽っぽく」しなければなりません。既存のルールに従うのではなく、自分の中に出てくるものに従った結果既存の音楽になってしまう、と云うのは容認してあげる、と云うスタンス、といえばいいでしょうか。いつもオーダーに沿って作るときと違って新鮮ですよ?オーダーがない、っていうのは。
もちろんこの「スタンス」も先生方と楽しく決めていただければ結構です。
コードを知ってるなら使ってもいいですし、コード進行を知っているなら使ってもいいです。なんかフレーズがひらめいたらランダムに落とし込んでもいいです。
ドラムマシーンを使いたい人は使っていただいて、オーケストラ編曲をしたい人はしていただいて。「それをしたい」と思ったことが重要です。
形式を求めるのではなくて、様々な自分の中の音楽言語を並べて自分が美しいと思う何かを目指した結果どうなるか、であなたの音楽性が見えてくるかもしれません。
そんなことをしていると、普段の風景を見た時も何か違う感覚を覚える時があります。
私がそういうことができている、などと云うことはできませんが、普段の商業的制作と、趣味のアート感覚向上というか、バランスを取れたらな、と思う次第です。
楽譜にもある通り、音程も強弱も、長さも何もかも変えていいよ?と言っているので、何も支持していないに等しい自由さ、ですが、自分が考えていることはそういうことかもね。
今回もお写真ありがとうございました。
こういう創作行為にほんの少しでも意味を感じていただける、というのは嬉しい限りです。
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