不定調性論的音楽思考を使ったやり方で恐縮です。直感的に音楽を作る、方法をサンプル選び、プリセット選びに応用します。生意気な書き様ですが、差し引いてお読みいただけるとありがたいです。
イメージできないときはイメージしない
例えば「まずバスドラ選ぼ!」とピンときたとしましょう。
しかし音の詳細まではピンときません。
とりあえずサンプルフォルダを開いて上から20個ほど聞いてその中から適当に選んでください。イメージがあってもなくても一番ピンとくるやつを。
サンプル選びは生涯の伴侶を選べ、というより、クラスの中から好きなタイプを選べ、ぐらいの感じです。
サンプルは選んだ後でもEQなどで自分好みにできます。だからサンプル選びはむしろ"だいたい"でいいんです。ちょっと間違ったらEQ作業で気がつきます。もっと低音がないやつを...とか選び直せます。何よりささっと選んで作業に入ってしまうことが脳には大切です。
別の方法としては、「この枠の中から今回は選んで曲を作る」
と決めて選んでみてください。
その間に次のように知覚します。
・あれ?これならあのソフトの方がいいな?
・あ、そういえばこの間いい感じのバスドラの曲聞いたな?
などなど。これが脳のすごいところ。
何も浮かばなければ、自分で決めた枠内の中で一番近い音をとっとと配置してみましょう。なんか違うな、と思ったら、二つ重ねてみましょう。
こうやっておくと、30個ぐらいのサンプルを日頃から分けておくと便利だと感じるでしょう。
「重いバスドラ」
「生バスドラ」
「Hardstyle系」
「チープ」
「変態系」
とかです。
サンプル分類の方法
u-he TyrellN6を事例に、音色の選別、分別、整理の方法。
どんな音を使っても意味は与えられる
「今選んだサンプル以上にイイのがあるかもしれないよ?」
と悪魔が耳元で囁くその声を消すことはできません。無視してください。
「いや!今あるものでやるんだ!」
EQで直せばイイです。
そして初心者だと、「君、キックのピッチが曲と合ってない」「勉強し直しなさい」とか言われますが放っておきましょう。本当に気持ちが悪くなれば自分で感じます。自分で感じない場所をいくら触っていても気持ちよくはならないんです。それぞれに自分に合ったレベルやスキルがあります。焦らず、高望みせず、自分が集中できる感覚を持てる範囲から少しずつ自分の感覚を開発してください。
20秒でサンプルを選ぶようにすると、その音からまたイメージが湧きます。
サンプルを増やしても、買うコスト、確認する手間、振り分ける手間、選ぶ手間が面倒なだけです。それらがEQでいじる手前よりも少ないうちは買った方がいいかも(その方がクリエイティブが刺激される、という人は買わずにはおれないでしょうし)。
プリセット選びも同じ
なんか良いリードないかなぁ、なんてファジーに選ぶ時ってありません?
それでソフトを開いて、LEADを選ぶと、膨大な量の音色が出ます。
これも
ここから選ぶぐらいの気持ちで選びましょう。
買ったサンプルやシンセのプリセットって、項目別に上から順に制作者のオススメがあるので後半よりも前半で選べるはずです。
一つの音作りに1日をかけるという方もいらっしゃいます。
そういう風にできないというタイプの方もいらっしゃいます、そういう仕事が増えてきています。
音選びに制限があると逆に新しい発見があったりします。
もし時間かかるなぁ、という作業が製作時にあるのであれば、それをいかに直観的に制限の中で選ぶか?というノウハウをご自身で作ってみると、そこからご自身なりのクリエイティビティーが生まれるかもしれません。