あなたが駆け出しで「音楽をたくさん聴きなさい」というアドバイスをもらうことがあるかもしれません。
これは
演奏家⇨自分の好きなジャンルの曲をもっと弾けるようにしてみろ
作編曲家⇨自分の好きなジャンルの曲をもっと作曲、編曲してみろ
作詞家⇨自分の好きなジャンルの歌詞をもっと書け
という「もっと頑張れ」的なメッセージに集約されます。
たとえ今日からひたすら毎日60分(それでも聞けるのは15曲程度)音楽を聴いても、その音楽の細かい文脈は学び取り骨にすることは我々でも難しいです。
それよりも"自分の将来のオリジナルアルバムに収録する曲"としてどんどん自分が得意な曲をカバーしていったほうがいいです。または参考曲をイメージした作詞作編曲していってください。
色々な曲をカバー/制作していると、微妙にラテンだったり、微妙にブラックだったりして、様々な要素が入り込みます。著名曲、大好きな曲を相手にしてください。
世界中に名の知られるアーティストは膨大な研究をしてますし、周囲の作家陣も音楽マスターです。だから勝手に音楽のトレンドが感じられる作品に出会えます。
あとはあなたがそこから何に興味を持つか、です。
興味を持てば、その場でラテン音楽をいくつか調べてみたり、ラテン独自に演奏法、ラップの慣習、ジャズのビートの研究などを始めると思います。
つまり「音楽をもっと聴け」は今のままそのままもっともっと濃い音楽人生を送れ!という意味なので、急に音楽制作の手を止めてただ色々な音楽を聴きあさる作業をしなくてもいいと思うのです。
とにかく今までより多く曲をカバー、制作してください。
それでだいたい解決します。
褒められるとそれ以上やらないので、ちゃんと仕事ができるまでは厳しい先生の方が上達は早いです。練習期間は"センスの良い激励"が必要、と感じます。
「こんなのダメだ」と言われたら、必ずすぐに「1ヶ月待っててください!」と切り返しましょう。二週間でもいいです。20曲ぐらい1コーラス作って(カバー)一番良いと思うものを仕上げてまた持ってってください。本当にダメな人は相手にされません。
多少厳しいことを言っても3曲も聞かせると情が入りますので、もう一歩先のヒントがもらえるようになります。
是非そのまま、昨日よりも濃密に音楽を作って、演奏していってください!
ノリ、タイム感、安定性、数々の音楽史の中で生まれたフレーズアレンジ、楽器、常套句、そしてその常套句からどのくらい離れるか、を把握できる感覚。
どれも厳しい練習期間が必要です。
練習もただ続ければいいのではなく、日々改善していきながらはじめて40歳ごろに「決まったメニュー」ができる、と思って、最初は試行錯誤して良い練習をクリエイトしていってください。
いきなり決まった練習方法が定まるわけではありません。若いうちはどういう練習方法をしていけばいいか、試行錯誤で終わるのが普通です。
あなたの体を持っているのはあなただけです。あなたの使い方を知っているのあなただけです。練習方法は自分で見つけるしかありません。
そうした中で新しい音楽性、伝統的な文脈というものを体に入れられるような練習方法、制作方法、日々の生活を自分でクリエイトしていく必要があります。
なんだかんだ言って全部一から自分で作らないといけないんです。
それができている人は、音楽の中にもオリジナリティーがすでに表れています。
そしてそういう人でさえも音楽はたくさん聞けと言われます。
若い人は誰でも言われるのかもしれませんね。
とにかく新しいことを発しなくてもいいです。昨日よりも濃い音楽活動、制作活動を行ってください。
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どうせ聴くならモニター用ヘッドフォンで。