音楽教室運営奮闘記

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<コントラフリーローディング効果>頑張りすぎないために〜音楽制作で考える脳科学6

余暇を利用して、最新の脳科学の研究やトピックを題材に少しずつ音楽や作曲に応用した記事を作っています。

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前回

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参考にするのは「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80」です。

 

頑張りすぎちゃう人は、真面目で真剣に夢を追うアイドルさんとかタレントさんに多いです。頑張ることは絶対な業界なだけに、周囲の大人がしっかり体調管理をしてあげないと知らないところで体を壊したりします。私もそばにいて何度も失敗をして本当に注意するようになりました。

ぱっと見、頑張りすぎなのか、タレントにあるべき頑張りなのか、程度が判断できないんです。それがわかる脳科学があればいいのですが、今回はその目安となる一つのヒントが書ければ、と思います。

 

自分でレバーを引くと餌が出る装置で餌をもらうことに慣れたネズミは、ただお皿の上に餌を置いても、やはりレバーを引く装置から餌をもらうことに習慣づけられてしまうそうです。お皿の餌を食べた方が楽なのに。

これは動物界に共通して起こるのだそうです。

労働の喜び、というか、習慣の持続というか。

 これを「コントラフリーローディング効果(Contrafreeloading Effect)」というそうです。

 

一生懸命働いている人に「三日で30万の仕事があるんだけどやる?」って聞いても承知しないタイプの人って周りにいませんか?

 

タレントさんでもとにかく遠距離を通うことをなんとも思わない、とか。

夜遅くまでやって頑張った感を感じてしまうタイプとか。

それらは自分の夢のために払うべき犠牲、みたいに感じてしまう人。

 

こんな時「君は少し仕事場の近くに引っ越しなさい」と言ってもなかなか承諾しないでしょう。

もともと人は何かを人から指示されるのを嫌う傾向があるのだそうです。

「○○○○しなさい」って言われると反発してしまう心理的傾向にも名前がついていて「リアクタンス(Reactance)」というそうです。同時に「機能的固着(Functional fixendness)」と言って、ある物の使い方が一度身についてしまうと、他の使い方を見出しにくくなる、といったことも関係がありそうです。ハサミにはハサミの使い方がある、と信じていませんか?自分の通勤距離はこうあるべきって、慣れてしまって「苦にならない」「ちょうどいい」などと言って溜まっていくストレスを見過ごしていませんか?現状を維持する傾向も脳の性向であり「現状維持バイアス(Status quo bias)」というそうです。いやぁ、耳に痛い話です。

現状を変えたいのにそこにいてしまう、、って本当にそう思います。あるある。

 

例えばタレントさんが頑張りすぎていて、「君は大変だからもっとこうした方がいい」って言ってもコントラフリーローディング効果とリアクタンスが同時に起きて、プロデューサーに反発してくるかもしれません。

これはあなたに反発しているのではなく、脳の傾向なのだ、と思ってみてはいかがでしょう。こういうちょっとした反応を読み違えると、険悪になったり、コミュニケーションがうまくいかない、と漏らすようになります。結果として潰されるのはタレントの方です。

 

同書には

職場でも家族でも友達でも恋人でも、「ただなんとなくうまく行っているとき」はルールをつくらないほうが良好な関係を保つことができます。

というアドバイスもあります。

家が遠距離すぎて仕事に支障が出るようなサインが出始めたりした時に解決策を提案する、でも遅くないかもしれません。

頑張れる時はコントラフリーローディング効果で頑張れてしまいます。

しかしそれによって寝不足になったり、集中力が欠けてくると、早朝深夜の電車で小さなトラブルが起きる、といったことが起きます。そしてそれは報告しません。ガミガミうるさい上司だと「前に引っ越せ!と言ったろ?」などと後付けで言われるのは嫌だからです(後知恵バイアス)。

だから普段の接し方、サポートの仕方が「報告のしやすさ」を生む、という点でもとても重要だと思います。

また、トラブルは仕事の時の"調子"にも出ていたりします。

ちょっとふてくされたり、なんてことがない失敗を笑顔でカバーしていたり。

 

こういう小さな黄色信号に適切に声がけできる人が「優れたプロデューサー」だと思います。

現在名前の売れているプロデューサーはこれが360度に目があるがごとくできるスーパー気遣いの人です。なかなかできることではありません。

それが結果として大した曲でなくても(失礼!)ヒットさせてしまう結果に結びついています。

 

考えさせられます。

===

そして猫だけがこの錯覚効果がないんだとか。

 

猫のように生きたい、って思うのは、潜在意識は現実に上手に同化したい、って思いがあるんでしょうかね。脳だけが何か他のことを考えているのかもしれません。

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