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楽譜の音楽と即興演奏の違い〜音楽制作で考える脳科学25

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前回

芸術的創造は脳のどこから産まれるか? (光文社新書)

 

 

即興演奏時にはアルファ波がでる

アルファ波は行動計画などを反映する前頭葉の実行機能が抑制されると増加するそうです。生活の行動計画とかがなくなる眠る時とかですね。

 

著者によれば、

即興演奏では明確な行動計画がなく直感的に演奏するので実行機能が抑制されるのではないかと考えられます。

(中略)つまり、明確な目標や計画などのような制限がない、自由で創造的な思考状態では実行機能が抑制されて、脳のアルファ波成分が強くなるのではないかと考えられます。

引用同著書。

 

アルファ波が出ることは、ストレス軽減や、免疫力向上、脳の活性化、などリフレッシュに欠かせない文言が並びます。

(参考)

メタルも「癒しの音楽」になる!?知っておきたい「α波」のはなし | OMISE Lab

 

音楽家が「音楽をやりたい」って思う欲求って、日光浴とか、スポーツ、「眠いなぁ、寝たい」っていうのと同じなんですかね笑。

 

楽譜を読む演奏はより行動計画のある行為となり、即興演奏の方がアルファ波成分が強くなる、とすれば、色々なことが見えますね。

 

即興演奏によってアルファ波の快楽状態(?)を得たい、と本能的に思っていれば、楽譜を読む演奏よりも、即興演奏の方が楽しい!!って思う理由もわかります。

 

別に楽譜プレイヤーが即興演奏に罪悪感を感じる必要はないんですね。

むしろストレス解消。

だから楽譜にみっちり縛られた後の休憩時間に即興演奏で遊ぶのは大切かも。

 

極端に言えば"ジャズをやる"っていう思いは、音楽的欲求の裏に即興演奏によってアルファ波が出ることで、ストレス解消できて、リラックスして心地よい状態になりたい欲求も含まれている、と極論することもできます。

 

だから「楽譜を読む音楽なんて退屈」「楽譜が嫌い」なのではなく、単に即興演奏の方が脳の状態がリラックスするだけであって、音楽的表現がどうこうは関係ない、となります笑。

「クラシックなんてつまらない」のではなく、それに比べてブルースのアドリブは"頭使わない"のでアルファ波が出るから、よりリラックスする、というだけで、別に高尚な音楽的差がある訳ではない、となります。また楽譜を読むレベルも尋常なものでないほどレベルアップしたら、即興演奏と同じ効果を生み出す人もいることでしょう。

 

 

楽譜なんて必要ない!っていう人の言うことは今後注意して聞きましょう笑。

もしその人は怒りっぽかったり、感情に流されたりする人だったら要注意。リラックスがたりません笑

楽譜から音楽を読み解けない人は、むしろ楽譜から想像する力がない、とも言えます笑。

 

また次回触れますが、本来"創造的な人"は様々な脳の使い方が同時にできてどちらも楽しめるそうです笑。

あれがいい、これがいい、とこだわって分けてしまう人ほど脳科学研究成果からは"創造的なレベルが低い"と言われてしまう訳です笑。

 

 

 

 

こういう人体の知識は大事ですね。

「俺は音楽をやりたいんだ」

は、すごい信念があるように見えて、脳の欲求に従っているだけであるとしたら?

 

そういうことに敏感な日本人が「芸術はお遊びの部類」となんとなく察知していて、芸術家の地位が低い、と昔から考えているところとかもなんとなくわかります。

 

日本人はアルファ波を出すよりも、前頭葉行動計画機械人間と化すことを「努力する人」と考え、人類の進化に貢献することができた民族だと思います。

ゆえに芸術家はお祭りの時だけに駆り出されていれば良い、と言う発想を持ちがちなのかもしれません。これも理解を推し進めれば、偏見だと誰でもわかります。

 

 

次回はもう一つ上に「創造性のより高い人の状態」について触れてみましょう。

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