音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

モンティ・ホール問題を自分でやってみた〜音楽制作で考える脳科学19

同じトピックはブログ内を「音楽制作心理学  」で検索してください。

前回

参考書は「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80」です。

<コントロール幻想を体験してみる>

A,B,Cの三つの箱の中の一つに「当たり券」を入れておきます。

A■

B■

C■

あなたはAを選ぶことにしました。

この段階でB,CのうちBを開けると、中は空でした。

A■選択

B■空

C■

あたり券はAかCに入っています。

この状態で、あなたはAのままにしておくことも、Cを選ぶこともできます。

あなたはCに選び直しますか?

 

このような問題では、85%の人が選び直すことをしません。

コントロール幻想(Illusion of Control)

脳は、たとえ偶然に左右されることであっても、自分の能力や意思で「何とかなる」と妄想します。だから、自分の意思で選んだ箱のほうが「当たりそう」だと感じるのです。

 

この問題のポイントは、確率論的には、Bが空と分かった時点でCに選び直したほうが当たる確率が上がる、ことが感情的に理解しづらいという点です。

 

最初は当たる確率は1/3(33.33...%)で選ばなければなりません。

もし一つ空だと分かった時点から選択をスタートしたら当たる確率は1/2(50%)です。

ひとつ空だと分かった時「Cは当たっている確率は数値上2/3(66.66...%)」となります。

確率上は変えたほうが有利、となります。

 

この「確率上は」という発想が脳にはできません。

 

初めてこの問題を聞くとまるで狐につままれたようでしょ?

私も選び直しません。自分を信じていますから笑⇨これが数学的には根拠不明。

====

そこで自分で実験してみることにしました。

BB弾を3つ用意し、一つに油性ペンで黒く印をつけます。

それをトランプなどを入れるケースに入れ、シャッフルして、見ないようにまず一つ取ります。

PT1:ひとつ目がマークのついたものであればB(当たりを選択)

PT2:ひとつ目が無印で二つ目がマークのついたものでればX(無効とする)

PT3:ひとつ目が無印で二つ目も無印ならO(取り替えたほうがいいケース)

とケース分けして100回記録します。

BXOBB XOBOB

BBXOO OBOXB

BOXBB OXBOO

XXOXX XBBXO

XBBBO XBXOB

OXBBO XXXOO

OOBXB OOXXX

BOBXB BBBOB

XXBOO OXXBB

XOXBB OBXOB

となりました。

Bケース38回=38%

Oケース31回=31%

Xケース31回=31%

だいたい1/3になりました。

 

Oケースの時が「空が明かされた後、取り替えたほうが良いケース」です。

ただXのケースも最初に選択した段階ではOケースになる確率が50%あります。

だから

一発目でハズレを引く確率が66.66...%な訳です。

Bケース38回=38%

O+Xケース62回=62%

ですね。

 

今回の実験で言えば、確率の上では、私は62%の確率で最初にハズレを引いています。

これが確率の真実です。

「今、自分が引いているのは6割の確率でハズレだ」

と思えるかどうかです。これがこの問題のポイントです(この外れの確率を考える、という視点もwikiに書いてあります。)

「自分はハズレを引いている」と思って宝くじを買う人はいないでしょう笑。

強く、これが当たっていると信じているでしょう。

手の中には当たっているものがあるという錯覚に陥っています。

 

あなたの手の中のものは6割の確率でハズレです。

でもそれを認めるのは、まるで自己否定するような感覚になります笑。

だからたとえ万が一外れたとしても、変えないで外れたほうが、自分を認めることができるのではないか?と感じます。

外れることに誇りすら持つでしょう笑。

もう当たる外れるの問題ではなくなっています笑。

 

自分が選んだ選択を信じたい。

 

これが今回のキーワードです。

 

このモンティ・ホール問題は当時大問題になりました。

数学的にも様々な解説例を考えないと簡単には理解できなかった歴史が伺えます。

ちなみに同書では、「鳥に解かせると正しい選択をする=選び直す」のだそうです。

 

自分が選んだものに愛おしさを感じる別の例として、ペットやロボット、自然や、物を「擬人化して愛着を感じる」という感覚があることも知られています(イライザ効果-Eliza Effect-)。

また曖昧性効果-Ambiguity Effect-と言って、脳は曖昧性を嫌うことが知られいています。

90個の中の30個は赤色ボールです。あとは黒と白のボールが入ってますが割合はわかりません。次のどちらかの条件を決めて10000円をゲットしてください。

1.赤色をとったら10000円

2.黒色をとったら10000円

 大抵は1.で勝負するでしょう。黒は1個の確率から59個の確率が考えられます。

当然これらのすべてのケースを確率で平均個数を考えると、やはり黒も30個ある確率が割り出されます。

これは「人がやっているのだから絶対黒は変な数だし、当たらないように数を減らしているはずだ」とか勝手に直感します。

また事前に赤が30個確かに入るのを見ると、またその赤い玉に可愛いうさぎの絵などが書いてあろうものなら、イライザ効果も働き、絶対赤を引こうとするでしょう笑。

詐欺ではないけど脳への脅迫です。

 

でも確率の上では同じです。邪魔しているのは人の意思です。

 

哲学者ニーチェが指摘した「ルサンチマン」という感覚も紹介されいてます。

良家の美人の娘が、父親が決めた政略的な結婚相手ではなく、前から慕っていた貧しいイケメンの恋人と駆け落ちしようとする時、社会はなぜかこの娘の選択を応援したがる、という考え方です。

これも確率ではどちらの人生を選んでも幸福になるのは50%です(別に結婚に限らず、人生の確率はいつも50%笑)。

それでも脳は自分の陥っている状態を正当化していきます。

「自分が選んだ選択で幸福になりたい、なってほしい」

と強く感じますし、テレビドラマだったら、

"政略結婚でうまくいきました!12回のシリーズが2回でうまく幸福になりました!はい終わりです!"

みたいなストーリーに脳は満足しません笑。

 

だからモンティ・ホール問題も、数学的云々という前に、人として、自分が選んだ相手(箱)を途中で変えて裏切るようなことをして当たりを求めるなど、人としてどうなの!!??金の亡者め!!!みたいになるのでしょう笑。

 

音楽の世界でも、次はどんな曲想で新曲を作るか、誰をメインボーカルにするか、どんなセットリストで行くか、どのシンセを使うか、どんな衣装を着るか、などに感情が入り込むと思います。そして何より「この選択でうまくいってほしい!!!」「これでうまく行ったら、自分のプロデュース能力は確固たるものになる」みたいな笑、期待、欲望が入ってきます。

これが人生がなかなか上手くいかない理由なのかもしれません笑。

 

だからあなたの周りでワンマンで人に嫌われている人がいたら、その人は行動力があるのだから、あなたが率先してバックアップに回ると良いと思います。彼は直感と願望を具現化して周囲のモチベーションを高めてくれます。そこにあなたが冷静になって確率的にどうか、をそっと助言できるまでの信頼を勝ち得たら、そのチームは最強だと思います。

 「ブレイン」になる方が責任者になるより楽ですし笑。

 

確率だけでも敵を作ります。感情だけでも敵を作ります。

 

日本でのビジネスでは、特に礼節が重んじられるぶん、両方をうまくチームでまとめることが必要だと思います。

f:id:terraxart:20210306115053j:plain