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前回
参考書は「自分では気づかない、ココロの盲点 完全版 本当の自分を知る練習問題80」です。
もし水を「一酸化二水素の化学物質」と表現したらどうでしょう。
「自宅で飲める、南アルプス天然の化学物質、一酸化二水素」
だいたい南アルプスってどこだよ、ってとこから突っ込まないといけないのですが(「アルプス」とは高山の名称で、本来のヨーロッパのあるアルプスと同じ水質である、ということを即座に指すのではありません)、
「自宅で飲める、赤石山脈天然の化学物質、一酸化二水素」
とさらに書いたらどうでしょう。
「赤石」ってなんだか美味しくなさそうだけど大丈夫??ってなりませんか?
なんか水も赤っぽく濁っていそうです(チャリ山登りファンとして言いますが、そんなことは断じてありません)。
これが言葉が持つイメージです。
「一酸化二水素は町中に溢れており、多量に摂取すると健康に重篤な障害が現れ、死に至ることもあります。無味無臭で川にも流されており、汚染の原因になることもあります。皆さんはこの物質を規制すべきだと思いますか?」
というようなアンケートでは92%の人が規制すべき、と答えたそうです(参考出典参考書より-質問文内容は少し違います-)。
もちろん水のことです。
それを言うなら酸素の方がもっと危険な毒物です。呼吸をするだけで体内に発生してしまう活性酸素はあらゆる病原の元です。
私達は毒物を巧みに活用して、なんとか生き延びているのです。
私は自転車乗りなのですが、私のヘルメットの内側には「A.I.ネット」という機能ネットがついています。
なんかスゴく凄そうですが、「Anti-Insect NET」虫除けネットのことです。
もちろんズグレものなのですが、人工知能AIとは関係がありませんし、インターネットとも関係がありません笑。
「このヘルメットはA.I.ネットという工夫がされているんです」
と言われたほうが、
「このヘルメットは虫除け網がついてるんです」
と言われるより、ロードバイカーには良いのでしょう。
ケッ!!笑って思っても、つい面白くて「A.I.ネットだってwww」って語りたくなっちゃいますし。
言葉を変えただけで人の意識はざわつきます。そもそも意識が言葉を作り出したからですね。
我らが魔法のコンプレッサー「INTENSITY」。
INTENSITY is a new kind of audio processor for mixing, mastering and sound design. It makes use of techniques typically found in facial recognition algorithms to bring out a sound’s inherent detail, increase its perceived loudness and density, and add insane amounts of clarity.
"INTENSITYは、ミキシング、マスタリング、サウンドデザイン用の新しい種類のオーディオプロセッサです。 顔認識アルゴリズムに通常見られる手法を利用して、サウンドの固有のディテールを引き出し、知覚されるラウドネスと密度を高め、非常に明瞭な量を追加します。"
なんかすごいですよね、プラグインなのに「顔認識アルゴリズム」の手法を用いる!!って、このプラグイン、確かにクリアーになるのですが、私は楽器が少なくかなり表現の上手なボーカリストの声の輪郭をはっきりさせる時、だけに使っています。
これもつい言いたくなります。
「音をクリアーにするために、顔認識アルゴリズム使ってるんだって!」
よくわかっていないのになんか凄そう、だからです。
これも本来は、そのアルゴリズムがわかっていない人は「すごい」っていう意味をわかっていないで使ってます(私)。
人は何かに属して生きることにある種の安心を感じます。その際たるものが「権威」です。怖いですね。相対的に権威のないものを人は信じなくなりました。
音楽用語にもありますね。
モーダルインターチェンジ...音楽理論ハイエンドハイスペックな人以外が意図して使ってもただの転調です。
ローインターバルリミット...無難なものを作りたい人のツールです。実際には多人数楽団を実際に扱う人以外さほど縁がないはずです。バンド音楽でこれを気にする人は「神経質」です笑。あなたが優秀なら「卓のほうでなんとかします」とつい言ってしまいます笑。これを理由にしてベーシストのフレーズを変えさせてはいけません。なんとかEQやPANなどでアーティストのフレーズを変えないようにトライし尽くしてから相談しましょう。
アヴェイラブルノートスケール...初心者しか言いません。
アッパーストラクチャートライアド......意識しないで作れる人が使っているのを見てアナライズする人がそう指摘するだけで、使っている本人は意識していない場合があります。
リディアン・クロマチック・コンセプト...ノーコメント笑
不定調性論...ノーコメント笑
言葉の持つイメージが人をざわざわさせます。
「ジンクピリチオン効果(Zinc Pyrithione Effect)」というそうです。
シャンプーに配合されて「ジンクピリチオン配合で...」という風に云ったことで、なんだか効きそう、と云うことでこのシャンプーは大ヒットしたそうです。
ジンクって亜鉛です。
その後の研究で有毒の可能性が指摘され使用されなくなりました。
難しいですね。今でも
「○○○○○○○○○成分配合」
「○○○○○直送」
「有機栽培」
「無農薬」...etc。変に勘違いしてしまう言葉に出会います。
「テレビで紹介されました」とかも。
人は権威に弱いのです。
ダイエットが気になるとき、
A脂身25%のひき肉
B赤身75%のひき肉
では絶対にBを選ぶでしょう。これ、同じお肉です。たとえ同じ肉でもAは選ばないでしょう。
女の子の名前をつけるときに「ヨシコ」か「ワルヨ」だったらどちらがいいですか?となれば、絶対に「ヨシコ」を選びます。その人の人生がワルに満たされないように、と「願う」からです。
このような情報が与えられる枠組み「フレーム」によって違う印象を持つ効果を、
情報フレーミング(Infomation Framing)
というそうです。
コップには未だ半分残っているか、もう半分しかないのか、って話ですね。「理解の仕方」は発明できるものなんですね。
著書ではこれはヒトが言語を持つからこその「高度な誤解」である、と述べています。
芸術的発明もこうした発想のシステムによるものだろう、とも。
「父親は全員男」は真でも「男は全員父親」は真ではありません。
「未だ半分残っている」と「半分しかない」は共に述べている条項は同じでも言葉が持つ力がまるで違います。
ヒトは事実を捻じ曲げてその時その時の一時的解釈ができます。
「つむじ周りが反時計周りの人の半数は左利き」
という文章を見ると、「左利きの人の半数は、つむじも反時計回りなんだ、と誤解する人」がいる、ということです。半数ですから同じ割合なのに、ちょっとした理解の誤解から「左利きの人はつむじも反対周り」みたいなイメージがついてしまいました。
「未だ半分残っている」と「半分しかない」も論理的ではないのに、こういう風に考え直すことは得意なのに、論理的に考えることは苦手だそうです。
「ゲーム好きは悪」「ギタリストは不良」というような"世間でも受け入れられてしまっている誤解"は本当に怖いです。
全員お坊さんのバンドだって!!珍しい!!
全員歯科医のバンドだって!!面白い!
というのも先のイメージがあるから面白さが倍加します。
全員普段は音楽家のバンドです!
って一番安心できるのに、このように表現すると何かのくだらないジョークかと思ってしまいます笑。
事実を言い回す時は、新鮮さを現代人を魅了します。
逆にこういったイメージを活用することに巧みなインフルエンサーもおられることでしょう。
刺激等価性対称律(Symmetry in Stimulus Equivalance)
という効果だそうです。
究極は「博士号」とか「国会議員経験」とか、社会自体がそれを信じることにしよう、と決めている称号もあります。
パワハラの原因なども全てこうした社会的錯覚という壁に自分を置いて地位のある人が気が付かぬうちに傲慢になっているから生まれます。
著名な人と仕事などで関わると、時に無意識の洗脳行為(詳細連絡がない、当日いきなりやらされる、膨大な時間待つ、厳しい環境で試される、罵倒される)が始まります。全部マナー違反ですが、それを言っていると夢はつかめません。
戦いましょう。そういうロールプレイングゲームだと思って。
相手方に労働法に則って裁断されるまでは出禁になろうが、クビにされようが気にせず立ち向かって夢を掴んでください。
洗脳には洗脳です。
相手があなたを縛ろうとするなら、あなたという存在を受け入れてもらえるように、相手を洗脳しましょう。魔術戦争ですね。
暴力を振るう人もいますので、防具をつけていってください笑。それが対処、です。あなたは反抗してはいません。それを受け入れ対処しただけです。それはあなたの主張を通すことでもあり、あなたが傷つくこともありません。
防具を外せ!と言えば、明らかに傷害を与える意図があり、脅迫でありパワハラです。
そういうことがインプロヴィゼーションであり解釈の発明であると思います。
辞めるならいつでもやめられます。
必ず生きる道はいくらでも見つかりますから、いつ辞めても大丈夫です。
安心してください。100%人生はどうにかなります。
例えば広告の世界でも広告考査があり、さまざまな規制法に基づいています。
言葉に振り回される、と言いますが、言葉に、ではなく、言葉を解釈する脳の判断にふり回されるのだと思います。また、それが結果的に活用されたものも他にもあると思います。「イブプロフェン配合」って言われたら、これがどういうものなのか知らなくても「効きそうだ」と意識下で感じているように思います。これはただの"文字"です。
意味、期待、納得、は全て脳の中で作られています。
あなたの周りであなたが知らずに信じている言葉、ありませんか?