音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

制作メモ;<音楽の絵本>子猫と弾く24のピアノ曲〜音楽的なクオリアを活用する

不定調性論的思考を具体的に用いるためのアイデアとして作り上げた曲集です。

なるべく簡易で把握しやすい全体像の楽曲になっています。


猫たちの仕草を思い浮かべることで、メロディや旋律のフォルムを自在に「イメージに沿わせて弾くこと」を目的としています。


ピアノという楽器を通して音楽の形式にこだわる前に、まずピアノの前で自由に鍵盤を弾いてみましょう。


子猫が鍵盤の上をスキップしたら、どんなメロディーになると思いますか?


友達ネコと追いかけっこをしたら、どんなメロディーになると思いますか?


黒鍵だけを、ネコがジャンプしたらどんなメロディーになるでしょう。


ネコが歩く姿はイメージできますか?


イメージできたら自由に鍵盤を弾いてみましょう。

 

体の軽いネコたちの音はとっても優しい音のはずです。

どの曲もピアノ、ピアニッシモといった柔らかい強弱で演奏するような楽曲になりました。


一人で弾けないフレーズは先生や家族と弾きましょう。

こうしたことで、音とイメージに親しんで本当にピアノが楽しくなったら世界中の他のさまざまな曲を弾いてみてください。

そうやって音楽の可能性を感じ、演奏をすることが好きになったら、ぜひ偉大な音楽家の音楽に自分の意思でトライしてみてください。

==memoφ(・ω・`)===

・曲の冒頭にはシナリオに合わせて窓のノックの音や、ピアノに飛び乗ってくる音から始まったりします。

・曲の最後の音はシナリオに合わせて鍵盤から飛び降りる時に出す音であることがあります。

・子猫なので時々音を踏み外したり、よろめいたりする音は不定調性論的な音楽解釈で表現可能になります。

・寝転がったり、毛繕い、追いかけっこ、ダンス、全てが音になった時をデフォルメして作っています。

・DAW画面のMIDI四角形データがその曲を演奏する人物または猫などによって色分けされています(七はオレンジ、ミィはピンク色、主人は青、ピアノが勝手に弾き出す時は銀色…などです)。動きをイメージするときのヒントにしてください。シナリオには書かれていないような動きも感じられるでしょう。

・「希」とは薄いという意味です。楽曲全体が希薄な調性感を持つという程度の意味です

様々なジャンルの楽曲を「不定調性」というコンセプトに基づいて作りました。

 

www.youtube.com

YouTubeサイトの方の概要欄にはタイムインデックスが付いていますので、それぞれに飛んで聴いていただければ幸いです。

 

プロローグ

ナナはほかのネコの

半分ぐらいの大きさ

ちいさなちいさな三毛ネコ

でもげんきいっぱい

なによりピアノがだいすき

 

この家の主人は音楽家

でもナナに出会う前は

ピアノが大のにがてでした

 

ある日ナナはおなかペコペコで

ふらふらこの家にまよいこみました

とびおりた先がピアノの上

歩き回ると楽しい音が

足元から聞こえてきました

 

夢中になっているうちに

主人にみつかって

ナナはすごくおこられると思いました

しかしそのヘンテコな音楽を

主人は大変気にいって

ナナもそれが嬉しくて

この家に住みつくことにしました

 

主人はナナのように自由に

ピアノをひこうと思うようになって

ピアノが大すきになりました

 

今日も新しい朝がはじまります

 

 

1.晴れた朝の希ヘ長調

きもちのよい朝です

おさんぽから帰ってきたナナは

ピアノに向かっている

主人を見つけました

自分の でばんだとおもって

さっそくピアノにとびのりました

けんばんをいったりきたり!

そのへんてこで楽しいメロディに

主人もまわりの鳥たちも花たちも

みんな笑顔になりました

 

2.スキップで希ト長調

おひさまが高くなってくると

ナナはいつも近所のおともだちにむけて

おかしなおかしなメロディをひきます

ナナが最初に作ったメロディ

ぴょんひょこぴょん

こっちの窓から にゃおにゃーお

ひょこぴょんぴょん

あっちの窓から にゃおにゃーお

今日はだれが遊びにきてくれるでしょう

 

3.ミイと七色の希二長調

しばらくするとトントントン

まどをノックする音

ほんのりもも色毛皮のミイです

ミイはおとなりの

貴婦人と住んでいます

ふわりとピアノに着地

どうぞどうぞ

ミイのお気に入りの曲をひきましょう

ナナはいっしょに

えんそうするのが楽しみです

たのしすぎて

ときどき おっとっと

よろめきます

えんそうがおわると

ミイはジューシーのところへと

歌いながら またふわりと

出かけていきました

 

4.ランチの時間の希嬰へ長調

今日はナナの大好きなおさかなランチ

ニャミニャニゥォオオ!

(ありがとう!)

ナナはいつもお礼の声をあげます

そして得意の黒鍵ダンス!

でも匂いにつられて

足元すべって

おっとことん

にゃっとことん

主人の声がきこえると

ダンスはとちゅうでしたが

元気よくピアノから飛びおりて

ランチの方に走っていきました

 

5.毛づくろいの希ホ短調

ナナは食べ終わると

主人のひざの上にのります

いつも午後の毛づくろいの曲を

主人にせがみます

こんな悲しいメロディの

どこがそんなにおちつくんだい?

と聞いても

ナナは満足そうに

毛づくろいをします

おだやかなメロディが

小さな部屋から世界へと

ひろがっていきます

 

6.お昼寝の希イ短調

だんだん気持ちが良くて

ねむくなってきました

ナナはピアノの上に横になります

寝返りうって

足をくゆくゆ

手をくゆくゆ

するとピアノが静かにささやくので

主人はやさしくばんそうをつけます

ニャミニャニゥォ...

あくびのように

お礼をいいました

しずかな音楽をかんじましょう

 

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7.ナナのあくびと希ロ短調

ひとねむりして

体をのばして

大きなあくびをすると

ナナはともだちへの午後の合図を忘れて

ぴょこちょん!ととび起きました

ふらついておっとっと

おっとっとっと

あっちょこちょん

おっちょこちょん

あわててあわてて

さいごにコテンと転んでしまいました

主人はそれをみながら

楽しそうに笑っていました

 

8.仲良しハッチと希ホ長調

窓をノックするのは

近所のノラ猫のハッチ

いつもこの時間にきこえるはずの

ナナのチャイムが

まったくふしぎな音楽だったから

びっくり飛んできたのです

話を聞いて大笑い

気をとりなおしてハッチと

いつもの午後のチャイムをひきましょう

ナナがおなかがすいてたころ

まちのかねの音は

こんな風にきこえたんだって

 

9.追いかけっこの希ロ長調

またノックの音

今度はお向かいの

真っ黒ニャインがやってきて

ピアノの上にとび乗って

ニャインとナナは追いかけっこ!

遊んで転んでぴょん!ぴょん!ぴょん!

いきおいあまってナナは

窓から窓へとぐるぐるり

ジャンプして 二匹とも

お外に遊びにいきました

 

10.おやつの時間は希嬰へ短調

主人が呼ぶ声が聞こえます

おやつの時間だよ

ぴょん!ぴょん!ぴょん!

ピアノの上に帰ってきました

おやつは集まった一匹ずつ

よういされます

主人のとくせいラグー

やわらかくておいしいよ

じゅんばんに

ピアノを弾いて待ちましょう

きになるにおい

くんくん そわそわそわ

なんだろう おいしいのかな

くんくんくん そわそわ

ナナが最初にぴょん!がまんできません!

くんくんそわそわ

次にニャインが ぴょん!と飛びます

いちばんようじんぶかい

ハッチもついにぴょん!

ピアノは静かに鳴りやみました

 

11.夕日と毛づくろいの希嬰ハ短調

日が暮れてきました

みんなおうちに帰っていきます

ナナも満足した様子で

ゆっくりピアノの上で毛づくろい

手足やしっぽやひたいで

ふしぎなフレーズが生まれます

そうして夜は眠くなるまで

主人と優しい曲を弾きます

 

12.月夜の希嬰ト短調

今日もたくさん遊びました

すっかり眠くなったナナは

主人のひざの上で静かに眠ります

主人がおやすみのメロディを

静かにひきます

月も雲の後ろにかくれていきました

またあした

 

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13.雨の朝は希変ホ短調

今朝はしとしと雨がふっています

窓にしずくがゆっくりながれます

雨の朝には主人が

静かにピアノをひきます

ナナはまどのしずくのゆき先を

じっとみつめていました

今日はおうちですごしましょう

 

14.ジューシーと希変ニ長調

雨の日は窓を少しあけて

おうちで過ごしているともだちに

ピアノの音を届けます

きょうはお隣のシャムのジューシーが

窓ぎわでおもちゃのピアノを

一緒に弾いてくれています

 

15.テンのゴローと変ロ短調

雨の日はきまって

やねうらにつながる壁の穴から

テンのゴローが遊びにきます

きまっておやつの

取りあいっこ

追いかけっこ

部屋じゅうぐるぐる

ピアノにとびのって かけぬけて

追いかけまわります

引っ張り合いになって

あっちへ くーいくい 

こっちへ くーいくい

さいごはまんなかで引きちぎれて

二ひきはこてん!とたおれます

なかよくはんぶんずつです

 

16.テンのゴローと希変イ長調

遊びつかれるとゴローは

いつもじまんのしっぽで

ピアノをおそうじしてくれます

低いほうからじゅんに

それをみたナナも

みじかいしっぽで

高いほうからじゅんばんに

おそうじしてみました

リズムにあわせて

楽しくおそうじ いつのまにか

ピッカピカになったよ

さいごに一つだけふき忘れた鍵盤を

ナナがふきにきたよ

 

17.ランチスープの変へ短調

たくさん走り回って

たくさんおそうじして

おなかも空きました

きょうのランチは温かいスープ

ゴローにもおすそ分け

ピアノもおやすみ

ふたをしめると

どこからともなく

優しいメロディが聞こえてきます

少し周りが明るくなってきました

雨はやんだようです

 

18.おひさまとおひるねの希ハ短調

スープでおなかもいっぱいです

ゴローもお礼をいって

屋根うらにかえっていきました

いつものように毛づくろいをしていると

主人がおひるねのメロディをひきます

でも最初に寝てしまったのは

主人のほうでした

くもり空の間から 天のはしごがみえます

 

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19.風と虹の希ト短調

もうすぐ夕暮れ

外では雨つゆがキラキラしています

主人とナナは庭に出てみました

風が気持ちいいです

大きな空にうっすら虹が出たときです

だれも弾いていないのに

主人のピアノから

ふしぎなメロディが

聞こえるではありませんか

風がゆっくりとながれ

時間をとめてしまうかのようでした

 

20.みんなと夕焼けの希変ホ長調

あまりに虹と夕空が綺麗だから

みんな外に出てきました

ミィとハッチと

ニャインとジューシー

屋根裏のゴローまで

夕日を見ていると

また主人のピアノが

同じメロディをひいています

こんどは夕日にキラキラ輝きながら

やさしく歌っているようです

 

21.ミートパイと希二短調

あしたもすてきな一日にしようね

みんなお家に帰っていきました

ナナはハッチといっしょに

ディナーをたべることにしました

今夜はミートパイ

ごちそうです うれしくなって

とっておきの音楽をひくことにしました

ハッチが街でおぼえてきたメロディ

その名も「ミートパイ ア ラ モード」

ハッチもおなかペコペコ

ナナもとちゅうで「おなかすいたよ!」

ピアノで合図をかわしながら

パイのところにとんでいきました

 

22.ピアノで話そう希イ長調

おいしかったね

おなかいっぱいだね

ニャミニャニォ(ありがとう)

ニャミニャニゥォオ(ありがとう)

二匹は嬉しそうにお礼を言いました

ディナーのあとで

ハッチと一緒に楽しい曲を弾きます

そのうちナナがひいたメロディを

ハッチが後から追いかけます

ピアノでお話ししているみたい

楽しい音がずっと続いていたよ

みんなもやってみてね

 

23.月の音と希変ロ長調

ハッチもおうちに帰りました

月がまぶしいほどきれいです

ナナは大きくなったら

主人といっしょに

お月様にいきたいんだって

ナナは月を見上げて にんまり

空からキラキラと

月のハミング 聞こえてくるよ

夜の中にミルク色の月の光が

静かに にじんでいきます

 

24.願いと想いと希ハ長調

もうねる時間です

主人はピアノからナナを抱きあげました

しずかな和音がなりました

主人はつい思い出して

先ほどのピアノがひいたメロディを

しずかに繰り返しました

ラミファソ... 

ラミファソ...

主人はにっこりほほえみました

するとピアノはひとりでに

フィナーレをひいてくれました

それはともに感謝を分かち合う曲です 

あしたもまた新しい一日でありますように

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=====

ご静聴ありがとうございました

"ラミファソ"のメッセージは届きましたか?

ピアノはこのメロディで何を言いたかったのでしょう

そういえばナナはいつもこのラミファソのあたりで眠るのが大好きですよね

それと関係あるのでしょうか

 

そういえば ラミファソって

ナナの「ありがとう」である

"ニャミニャニォ"の猫語に似ていると思いませんか?発音も似ています。

 

また よく他の曲を眺めてみると

結構このラミファソがナナの足元で鳴っているんですよね

それから主人もよくひいていますね

 

一つのメロディにはいろいろ感覚的感情や心象を捉えると思います

"あなた自身の感じ方がその答え"

です。

 ネコが鍵盤を歩く動画のような音楽はあくまで一例です。

みなさんが思い描くように曲を書き換えてください。

 

============

ナナは昔飼っていた猫で、

不定調性論誕生の時期ずっとそばにいました。

教材の中にも登場します。

ノラ猫でいつのまにか住みついていました。

 

この曲で伝えたかったのは、

"自分の心象のフォルムそのものがすなわち作品"

という点でした。

 

具体的な音楽作品に落とし込めるのは、世界が平和であればこそかもしれません。

だから音楽作品として存在する以前に、その思いが心に浮かんだ瞬間、それは全て既に成し遂げられているのではないでしょうか。

逆に有事の中、作品を生み出せない環境でも、もしその着想が心に浮かぶなら、それは音楽をなし得ているのだと思います。

 

具体的に音楽作品として具現化されることが音楽作品、というのはこの社会のただの約束事です。

作品はいつも心の中に完璧な状態で存在していて、あなたのクオリアは確かにその存在を察知していればそれは既に作品を聴いているんです。

 

「音を生み出そうとしないで 音楽家として生きること」

という境地があるのかもしれません。

 

この辺りはこれから先のヒントにして前に進んでみたいと思います。

 

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