音楽教室運営奮闘記

音楽と教育と経営の雑記ブログ~不定調性論からの展開

制作メモ;ガブリエル・フォーレ / Lydia Op.4 No.2

ご依頼をいただいてトライしてみました。

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以前もハイドンやりましたが、よりガチな感じではあります。

 

楽器はいつもの楽器です。WavesのラプソディピアノとChris Heinのヴァイオリンです。

DTMの小節線は無視しています。音価も楽譜に対してかなり自由です。歌のラインは楽譜よりも伸ばし、聴感上可能な限り楽譜の音価で消えるようにボリュームのオートメーションを書いています。アタックを少し後ろに引っ張っています。ヴィブラート、ピッチはデフォルトです。

ピアノは丸い音でコンプレッサーを掛けてへこまないようにしています。

最後のピアノのラインは少し気に入っています。

 

やはりこちらのジャンルは素人なので慣れません。

しかしながら逆に伝統と格式を"しっかり重んじない"で作れるのは門外漢の我々だけです。

だからこれもやはり"現代音楽"として聴いてください。

  

一応楽譜も見ながらまじめに打ち込んでいったのですが、どうしてもムラムラきてしまって、「一夜のフォーレ」を再現することにしました。

何か設定しないと音楽を再現できないタイプなのか自分。

音楽は演奏されることに意味があって、打ち込んで構築されることにも意味がないといけないと思います。

依頼があったから作る、ではなく。

料理作るなら自分が食べておいしいと思うものを、的な。

育てない子を生むな、的な。

 

 

また現代音楽という視点から見ることになれてしまうと楽譜の解像度の低さに窮屈さを感じてしまいます。単に我慢が出来ないだけなのですが。

解像度で例えると分かりやすいです、フォーレの頭のなかの音楽の解像度を1000とした場合、楽譜に落とされるのは200ぐらいではないかと。それを再現して「再現」と言えるのかな、とか、実際フォーレ本人に確認できないことをいいことに自分の解釈になってない?って。

現代の曲は作曲者がいる目の前でそれを演奏するスリルがあります。その分緊張感も大きいです。本人が聴く可能性が0ではないのですから。

 

フォーレがDTMを持っていたら、きっとかなり精巧に作るでしょう。

現在のDTMは先の例えで言えば、目分量700-800は再現できる感じします。

高い音源+腕のいい人ならもっと。

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Lydiaというのは女性の名前なのですが、

(訳詩参考)フォーレ Lydia

冒頭がFのリディアン的な#11thがメロディに入ってくるのでリディアンがどうこう、という解説もありますが、フォーレからしてみたら朝飯前でしょう。その音楽になくてはならないような必然性は感じません。フォーレみたいな作曲家は、芸術的な表現として、というより、お遊びでこういうこともできたんじゃないか、と一瞬頭を横切ります。

 

メロディに対する絶対的な自信を感じました。メロディセンス抜群!!ですからね。もう少し生前派手に宣伝しても良かったんじゃないかな、と思いますが、派手な感じの人ではなかったようです。曲聞けばわかりますね。

リストが井上陽水なら、

フォーレは来生たかお、

って書いたら分かります?

 

でも結果的に歴史に名前が残る人の音楽はやはりすごいです、打ち込んでいてそれを感じます。あ、そっち行くんだ?みたいな一瞬一瞬が勉強になります。自分の中にないからではありません。メロディの行く先にはいつもいくつかの風景が用意されています。分かれ道でどっちに行くか、なんです。

 

フォーレ楽曲の場合は、最初の3本目ぐらいまでの分かれ道は予想できるのですが、続く3本が立て続けにぉぉおおおO!!というもので太刀打ちができません。又はその逆です。最初は「そういくよね」「まあそうだよね」って言ってどんどん展開が難しくなっていくと、読み切れない将棋の局面みたいになって、その後立て続けに「そこにいくか!」「そこでそれか!」みたいな連続技が来て、唖然となります。

メロディ書いてるなぁ!!!

って感じました。派手じゃない分、グッときます。

そっか、そこでそっち選べばいいんだ!という感じより、

そこからはぐっと堪えちゃうんだぁ…

みたいな笑

フォーレだなぁ…。と。リストじゃないなぁ。と。

盛り上がったら派手に飛び散りたいじゃないですか。飛び散らかさないフォーレ。

この曲は後者のほうだと思います。

最初の掴みで意表を突いてくる曲です。

 

・・・みたいな気づき半端ないので、ポピュラーの人も歴史に残る曲の楽譜、打ち込んでみたらいいと思います。

 

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肝心の打ち込みは、というと、ピアノも弾けないし、ヴァイオリンも弾けない、のに二つの楽器を打ち込む、というのは、目も見えないし、耳も聞こえないのに一人でハーフマラソンに出るようなものです。

今回はご依頼、ということもあり、だいぶご依頼者に助けていただきました。ヴァイオリンは私の判断で歌唱の代わりにしました。

 

最後は「どうやったら自分にしかできない表現になるんだろう」と考えることを許していただき、今回の作品になりました。

 

結果的にフォーレ自身の当時の意図とかを1ミリも反映しないことで完成しました。多少呼応しているところがあるとしたら「偶然」です。

 

もっと勉強してから「作者の意図」は考えたいと思います。

 

その他、メロディと呼応するピアノのライン構成や、

長めのエンディングの意図は?、

など色々イメージしたくなる要素が盛りだくさんの曲です。

ただこの曲だけ切り取ってフォーレ論を展開することは不可能なので、この辺は公には述べません。

アナライズのレポートなどには感じたことをいろいろ正直に書いています。

 

ピアノの勉強として、普通に昭和の曲とかをピアノアレンジすればいいんかなぁ(笑)

 

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同曲をアナリーゼしたい方に。

元本

https://imslp.org/wiki/2_Songs%2C_Op.4_(Faur%C3%A9%2C_Gabriel)

ポピュラーコードは還元されたものと捉えてください。解釈者の見方が変われば変わると思います。

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