さてまた日々のレッスンともろもろ絡めて生まれた作品です。
ちょっとピアノの高い音域を使った不定調性楽曲です。
高い音域を使うと、不協和感が薄らぐので、不定調性的な和音を試しやすくなります。
猫がピアノの上で遊んでいるところをイメージしてください。
彼らの動きをメロディにできますか?
もちろん猫は鍵盤の上を適当に気ままに歩くわけですから、調はありません。
楽曲の中間部は、こんな風に猫の仕草が書かれています。
猫好きなあなたならよりイメージしやすいでしょう。
動画の中では、あくまで参考的なフレーズを私が作りました。
楽譜の音符が示されていない部分はみなさんご自身でイメージして音符を置いてみてください。
いきなりこういうことが難しい場合に備えて、その前のセクションでは、より限定的な指示を出しています。しかしフレーズを作るのは自分自身でなければなりません。
(最後の16分音符のとこ、自分の演奏白鍵だけじゃなかったかも...m(_ _)m)
例えば調性的な曲だと、どうしてもフレージングがデフォルメされ、より"わかりやすい"メロディになりがちです。
しかし不定調性的なコンセプトであれば、なんでもありですから、指の動くまま、イメージするまま、目を瞑って、鍵盤の上の猫を想像して表現を作ってそれを弾くことができるでしょう。
その演奏や、メロディがアートになるかどうかは考えなくて良いと思います。
大切なのは、あなたが猫の"感じ"をイメージしてそれをピアノで旋律にした、という行為が何よりクリエイティブです。
普段演奏している音楽とはまるで使う頭の部分が違うでしょう。
また調的ではないので、ジャンルや伝統、かっこよさの尺度などの基準がないので、あなた自身の今持っている音楽性がメロディになって現れると思います。
現代音楽、というと言い過ぎかもしれませんが、アプローチは伝統音楽の手法をはるかに超えたところで取り組むことになりますので、やはり現代音楽的、と申すことができるでしょう。
またピアノの先生であれば、こうした
簡単なテーマ⇨即興セクション⇨テーマに戻る
といった2分ぐらいのオリジナル曲を制作して、普段とは違うクリエイティビティを発揮してもらうような楽曲を作って課題にしても良いと思います。
身近でわかりやすいものを題材にすると、現代芸術的な意識のようなものに触れやすいかもしれません。
またこういう作業に異常に興奮するタイプの子(私か...)がいれば、早期発見早期治療育成もできるかもしれませんね!
人によっては小学生でもこういうことが楽しくできるタイプの子もいますゆえ。才能を早くに見つけられるこうした学習素材も必要かと思います。
こうした作品では、生徒が軽々と先生を越えていってしまうときがあります。
学校教育文化は、そういう状況を作りたがりません。
しかし本来はなるべく早く先生よりも優れた側面を見つけ、それを認め、その探求を始めさせ、先生はそのサポートに回る、という加減がとても大切だと思います。
それまでは先生がボールをドリブルしていくのですが、ある日生徒がボールを受け取りゴールを目指すことになり、先生はボールを奪われないようにガードする側に回っても恥ずかしいことではありません。それがチームプレイです。
生徒と先生はそうやって互いに高め合うことによって人格はよりくっきりと形成されるものと信じています。
先生の人格形成から必要なのかもしれませんが。
こうした未知の(先生も答えを持っていない)音楽表現への探求は、これからの時代の人たちのポテンシャルをもっともっと早く伸ばすのではないか、またはそんな風な学習時間がもっと増えればいいな、という思いです。
あと訂正です。。
後半のこの音、右手です。
まあ、弾けるならどう弾いてもいいでのですが。左手で弾け、という意図ではございません、という意味を込めて訂正させていただきます。
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