音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

いにしえのジャズヴォイシング8

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オープンボイシングの多様性

前回のこちらを使いましょう。この二番目の音「第二声」をオクターブ下げることを

ドロップ2

と言います。

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このように二声目を下げると、また内声に新たなヴォイシングの可能性が生まれますので、この新たな二声目の処理までを行なってドロップ2が完成です。赤丸がオクターブ下げた音、青丸が新たに変化させた音(サブスティテュートテンション)です。

 

ただ、音を変えるときは、もとのアレンジの位置付けを変えてしまうので、それぞれの状況判断が必要です。

ヴォイシングも変わったし、ここいらでAm7をA7にしたろ!とかは勝手に考えないのが基本です笑。

変えても元の雰囲気がしっかり生きるように変えるわけです。

私が一番苦手なやつ笑。


基本的には元のクローズの配置の際のテンション解釈を変えないように配慮するのが基礎です。

ある意味ではアレンジ事なかれ主義の誕生でした。

三度を11thにするサブスティテュートも和音の響きを基本から変えてしまう場合もあるので避けられてきた伝統があります。

他にもdimコードはテンションを付与しない、m7(b5)のb13thとドミナントの#9thはサブスティテュートしない...というのもなんとなくわかると思います。

そういう奇抜な音は、最初に作った人の意図がそこにしっかりとあると考えられるからです。


また、転回形がごった返している中でのこれらのテンションは、他の和音に解釈されやすい状況を生むからです。誰かが作った作品をアレンジする時にはそのあたりの作者の意図をよく汲み取った上で変化させていく必要があります。

今ならLINEで変えていい?って聞くこともできますが。

 

また一方で、現代のDTMでは個人で作る過程で、コード解釈を変えても、全パートその新たな解釈にするためにちょこっと消して書く、みたいなことは簡単にできます。

その分「覚悟が決まったサウンド」が出てない、なんて言われるかもしれません。

消せないペンで楽譜に書いてきた作家さんに一度でもいいので勉強していただくとまた違うと思います。

 

ギターなどの稼働範囲が限られた楽器でのバレーコードなどは、自然とドロップ(またはリフトアップ)ヴォイシング解釈になりやすいです。

自分が弾いたヴォイシングの音をよく確認してみてください。

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ジャズギターでよく出てくる、このメジャー7thコードは、これが8フレットだったら、gがトップのドロップ3ですね。

 

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上から三声目をオクターブ下げたものはドロップ3と言ったりします。

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ここでさいごのCM7はb音が最低音になるので第二声のcと入れ替える、などの処理が必要になります。

 

またもとの第二声、四声をオクターブ下げるやり方も常套手段です。

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これをドロップ2&4などと言ったりします。この場合かなり内声が自由になるため、

f:id:terraxart:20211106135201p:plainアレンジャーはムラムラきてしまいます。上記の楽譜は、ついいろいろやりたくなってやってしまった例です。

2&4になると、サウンドが明瞭になる分、内声のラインの流れも作りたくなります。

 

その他

四声目をオクターブ下げるドロップ4

二、三声目を下げるドロップ2&3
三、四声目を下げるドロップ3&4

それぞれに特徴があり、ラインを作るときにこれらが混合されたりします。

さいごはドロップ何何、などと言っている余裕はなくなります。

 

和声分析などで、「ここはシンプルなドロップ2&4が三つダイアトニックで連続しているから、まろやかですね」みたいな講義も成り立ちます。

楽譜のヴォイシングを見て

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ははーん、ここはドロップ2だ...

とかって言えればまずはOKです笑。

 

別にみなさんが新たに作品を作る際に、

「この作品"ドロップ何"がいいんだろう」とかから考えなくていいわけです。

 

 

また、ドロップヴォイシングの過程でオクターブ下げる作業により、ローインターバルリミットにぶつかる、といったことも起きます。パート全般にわたって同じヴォイシングタイプを連続することは不可能です。

最終的にはそのサウンドがどのような響きになるか、耳で確認して決めてください。

 

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