ダイアトニックスケールアプローチ
次にこういうメロディについて考えてみましょう。
ホーンセクションなどのヴォイシングでは出来る限り全声部の音がかぶらないようにするのが望ましいですが、ピアノやギターなどでヴォイシングするときはあまりそういうことは気にしなくても良いはずです。
そのかわり、
・トップをしっかり鳴らす
・動きを感じさせたい声部をしっかりと演奏する
みたいなことは必要です。つまり全ての声部に意図を持って接することのできる人は、こういう作業に向いています。
「そんなめんどくちゃー」
という人は、そういうことに拘らない音楽で歴史を作ってください。適材適所ですね。
そういう人が音楽理論の授業を投げ出すのも、このヴォイシングの授業です笑
とにかく地味笑、家の外観じゃなくて、壁の中の材質にこだわる感じです。
実は私も「そんなの家作る業者さんにお願いして任せとけばいいじゃん」というタイプです。ヴォイシングに向いていません笑、だからある意味では、不定調性に"逃げた"のかもしれませんね。
Key=Cとします。
たとえばこのようにCM7で支配されている小節があるとき、この場所がクライマックスでなければG7やBm7(b5)を避けてCメジャーキーのダイアトニックコードでヴォイシングします。
また次の小節でDm7に向かうことを考慮して、直前にA7系サウンドを置いて、次の小節に流れやすくしています。必ずしもこれをやる必要はありません。
・ダイアトニックの連鎖が退屈だな
・ちょうどここにアクセントおきたい感じなんだよな
といった意図がこうしたアプローチの動機になります。
こういった解決する音への意図的なアプローチを「リズミックアタック」といったりします。
また、CM7の小節でfを長い音価でぶつけるのはアヴォイドノートですので避けなければなりません。
ここではメロディにfがあるのでアウトです。がここではこのままゆきます。
アウトだ、ということだけわかっておいてください。
同様にDm7やFM7といったサブドミナント系の小節では、次に大抵はV7が来るので、あまりドミナントサウンドを先取りして使用しないようにすると、サブドミナント感が出ます。
ここでは最後のFがダブルリードになっています。これは聴く人によってはダサいのかもしれませんが、あまり細かいサウンドでモヤモヤとした後、しっかりとしたG7に繋がるコードを置くことで「はっきりする」という印象を与える時もあります。
これも感じ方なので、曲の性質に合わせて考えてみてください。
自由度が高いドミナントコードでは、現代では比較的自由にヴォイシングが可能です。
Em7もここではV7的なサウンドとしてならんでいます。
またここでも最後にクセのあるG7augなどが置かれています。これもリズミックアタックの一種で、曲の最後などを華々しくしめくくるようなアプローチをラストリズミックアタックと呼ぶ人もいました。
最後普通にG7→CM7で満足、特に装飾など要らない、みたいな人はジャズやらないほうがいいです笑
それでは今の三つのパターンの最初の四つの和音をならべて低音にc-d-g-cというベース音を置き、
T |SD |D |T |
という流れを作って聴いてみましょう。
本当に音楽の詰将棋、みたいな感じです。レッスン素材としては事欠きません。
しかしこういうのを講師として1日やっているとすごく小さい音楽家になりそうで怖いです笑。
反動として不定調性楽曲を作りたくなります、人間最後は性癖には勝てません。
正解がなに、ということはありませんが、ダイアトニックスケールアプローチの基本らダイアトニックの順番に沿って配置していくことです。
もちろんこういう風でも良い(普通にきれい)のです。
このブログが少し癖があるので、すみません。
その他クローズヴォイシングのアプローチテクニックはたくさん流派があります。
好きな編曲家の書いた楽譜/理論書/著名な人がみんな読んでるジャズ理論書などをみて、知識として覚えておくと良いでしょう。
<参照>