音楽教室運営奮闘記

不定調性論からの展開紀行~音楽と教育と経営と健康と

いにしえのジャズヴォイシング4

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当然テンションノートがトップノートに来た時は、たとえばCM7(9)のばあい、構成音はc,e,g,b,dと5音になるので4人で演奏する場合は、1音省略しなければなりません。

そこでメロディ(top)が9thなら、下に来るコード構成音を省いてヴォイシングしたりします。ここにrootを残すと、半音と全音の積み重ねが起きるので、一般に生演奏では「音が濁る」として避けられます。あえてc,dを残すときは、その下のM7thのbを13thのaに変えます。

 

一般に、アンサンブルの中のピアノ演奏でコードの五度を省略する、みたいな発想も、それでコードサウンドが成り立つから省く、ということ以上に、ヴォイシングの歴史が作ってきたシンプルな4声サウンドの慣習が息づいているからでしょう。

 

現代のDTMサウンドにおいては、別に人数制限はないのだから、省略音を判断する必要が必ずしもありません。楽譜を書かないなら、誰かにMIDIデータを渡す必要がないなら、おいてみてベロシティを25ぐらいにして薄く鳴らすことで厚みを作る、みたいなこともできます。

 

DTMで伝統的なヴォイシングにすると、メロディは今っぽいのに、なんか後ろがまったりしてるね?みたいになったり、スッカスカだね、みたいになったりします。ルームノイズがなっていないから、とか昔のコンプのノイズが乗っていないから、みたいなことも関係していると思います。

だからこそDTMアレンジャーは今どんな音で作るべきか、を考えないといけないわけです。

もちろんDTMのソフト音源間のサウンドの相性もありますし。あなたがどのくらい濁った音が嫌いかにもよります。濁りにもいろんな性質があります。

微細なきつい濁りを「Lofiだ!」と着想したらそこから新しいサウンドができるかも知れません。

不定調性論ではだからこそ、「今自分がどう感じたか」と「理論でこのサウンドはいいのか悪いのか」を両方感じ取ってどちらかを選ぶ、というスタンスが必要です。

 

理論を勉強してつまらないサウンドになってしまうのは、伝統を過信しているからです。無知で自分を過信している無学なクリエイターが良いサウンドを作る理由もわかると思います。


 

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また先のメロディの下を省く、という伝統は、こうしたテンションメロディが必ずコードトーンに着地したという伝統(テンション・リゾルブ)も絡んでもいます。

 

トランペットがd→cとどうせ吹くのだから、二声めのサキソフォン1はその下のbを吹いとけば良い、という発想です。サキソフォンがcを吹いてると、次の和音で音がかぶるし、ラインにダイナミクスがなくなります。

 

ゆえに、どちらにもリゾルブできる#11thなどはヴォイシングに二つの可能性が考えられます。

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もし5thに流れたら二声目が広がりすりぎるので、二声目はeを鳴らし、逆に3rdのeに下がってくるなら、二声目は一つ開けておく、と言った具合です。

 

これで当時のサウンドはうまくいったわけです。

 

また人によっては、M7thもテンションと考えたりしてヴォイシングを組んでいる場合もありました。

和音の動き一つとっても膨大な方法論の集積があります。

それを一生で学び切ることは不可能です。

 

一番の教材は、好きな音楽を作る作家の譜面を見ることです。

5曲も見ないうちに、癖がわかるでしょう。そしてさっさと真似して作ってみましょう。ちょっとしたなんてことのないラインを理解/構成するのに、どれだけ音楽的な知識が必要か背筋がゾッとします。

 

わたしは大野雄二氏のアレンジが大好きです。

めっちゃルパン三世の影響、です笑。今でもとにかく真似してしまいます。多分、ずっと真似して人生終わるかも、っていうくらい真似しています。

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