<なぜジャズ理論が難しいか>
それはあなたがDM7の構成音を瞬時に言えないからです。
ジャズ理論は音楽の音を全て完璧に把握していないと本で学ぶのは結構難解です。
逆にF7(b13)と言われて、ささっとコード構成音が言える人はジャズ理論をやらないと音楽の面白さを理解できる能力を持ちながらそれをしようとしないわけですからもったいないです。
よって、誠に恐縮ですが、ここから先はすべて「コードの構成音がわかっている人」に向けての話になってしまいます。
コード構成音覚えたい!という人は下記をご参考願います。
<ヴォイシングとは...>
c5のメロディがあったとします。
ここにC△和音を下部に付けて"ハーモナイズ"してみると、
C△
こうなりますね。
このように極力三度で詰めて積み上げていくやり方を「一般的なクローズ・ヴォイシング」と言います。
ジャズは基本的に四和音で考えます。
これは音楽演奏が常にホーンセクションなどの生楽器主体だった時代のアレンジの歴史に基づいています。
文字通りいにしえのジャズ理論です。
和音が先だったか、楽器人が先だったかはわかりませんが、四つの音を下から
トロンボーン、サキソフォン1、サキソフォン2、トランペット1
のように組んで演奏します。この組み合わせ方も無限に考えられると思います。
四人いると、4本ラインを作りたくなりますし、そういう場合最大4本ないと、やっぱり飽きてきます。
音楽的欲求もあるでしょうが、プレイヤーを遊ばせまい、というアレンジャーのアンサンブル愛もあったでしょう。もちろん中には、"なんだよ、ずっとユニゾンだったら俺がいる意味なんかないじゃねーか。今度ソロラインがなかったら俺はやめるぞ"、または変な演奏されてしまう、なんて人もいたなんて話はクラシックでもジャズでも聞きます。
とてもとても個人が理解できるような範囲を超えてジャズのラインは現在のような形になりました。
だから伝統を学ぶ、というのは理由や理屈を知る前に、体感して真似して、できるようにする、ほうが良いと思います。それがかっこいい理由なんて、それが母の体内にいる時から染み付いた記憶に私たちの心象が左右されているのならその理由の根拠自体がよくわからないでしょう。
「1音1音にこだわる」「そこにその音を置いた意味は?」というのは、時に屁理屈にもなりますし、叱咤激励も現場におけるエンターテインメントだと思って頑張りましょう。
こんな風に呼びますが、っこれも各派閥さまざまです。
第三声をサードとかって呼ぶとコードの三度か??と勘違いするので、この和洋折衷が意外と分かりやすかったりします。
それぞれ楽器名で呼ぶ人もいます。ややこしい符丁(仲間だけでわかる呼び名)で呼ぶ人もいました。
まあ、そういうのは現代ではわかりやすく言いましょう笑。
昔のように徹夜してもやるんだ、という時代ではなくなりました。
さみしくもあり、音に何処か殺気がなくなった理由なのかも知れません。
ジャズ理論では基本的にメロディに対して四和音でヴォイシングする、と言った理由をこの辺りの感覚から把握いただければ今回はOKです。
とても大事なことです。根拠が曖昧だから、あなたがクローズドヴォイシングを学んでできるようになったら、どんどん自由なやり方を試すべきなんです。それが結局未来の人にとっての新たな伝統になります。
だから三和音だと、下記、左のヴォイシングのように、トップとボトムが同じ音になり、これは「ダブルリード」と呼ばれます。トップボトムだけでなく内声で作る時もあります。どちらが綺麗か、ダサいかはその都度変わります。
ダブルリードは5本以上の楽器を用いるときの基本スタンスになります。
また上記、右のヴォイシングのようにトップが短二度でぶつかっているような場合、正しくクローズドですが、この場合ちょっとした楽器のチューニングのずれでトップの音が不明瞭になることもあるのでいにしえの時代は避けられました。現代ではDTMの完璧なピッチや、プレイヤーのスキルがこの半音ぶつけでもちゃんと音楽的に聞こえるようになってきたので、状況に応じて「現代的なサウンド」として使われます。
結局は現場での耳が頼りです。
伝統にどのくらい従うかもそれぞれの作家先生の布陣によりまちまちです。
その音楽ジャンルにもよります。
誰かに弟子入りする際は、その先生のヴォイシングをよく研究し、癖を掴んでおくと、自分に合った先生を選びやすいです。
あなたの聴感上気持ちよく聞かせるアレンジャーがあなたにあったアレンジャーです(不定調性論的思考)。
<参照>