前回
CM9、Cm9
一般にCM9やCm9は、CM7(9)、Cm7(9)のことであると思います。
つまり、
CM9=CM7(9)=c,e,g,b,d
Cm9=Cm7(9)=c,e♭,g,b♭,d
という五和音です。
なんで音に忠実で精細なアレンジャーや作曲家がこうした一見紛らわしい表記をするかというと、クラシック的な九の和音の伝統や、常に楽譜を併記してきたために、楽譜の音を見れば、7thがあることはわかるし、楽譜に書いてあるんだからコードなんて読まんやろ、というスタンスが根強くあるからです。
セクションなどは全楽器必ず楽譜で書きますからコード表記はそもそも必要ありません。
当然C13とかもCM7(9,13)です。
書く方は楽でしょうが、演奏する側はモヤモヤします。
"自分が楽するとプレイヤーが困るからな"とよく言われたものです。
大事なのは作曲過程ではなく、音を出してもらう瞬間だ、ですね。
またCdimなどもCdim7であることがあります。読み間違うと、
コード譜みてないで楽譜見ろよ!素人かよ!
と怒鳴られます。古き良き封建社会です。
またdimコードのテンションは、M7以外は音名で書く伝統があります。
CdimaddDとかCdimaddF、CdimaddA♭などです。
こちらの方が親切です。
C-7=Cm7
Co7=Cdim7
Cφ7=Cm7(b5)
と言った表記なども1日100枚楽譜書く人がとにかくスピーディに仕上がるように編み出した省略表記と言われています(印刷所の印字問題、楽譜のスペースの問題等も聞いたことがあります)。
現代においてこれから音楽を学ぶあなたが真似する必要はあまりありません。
「やればできるのに自分が楽すると誰かが苦労する」
を時々噛み締めています。
<参照>