その他の編成への応用
<5本でヴォイシングするとき>
二つのパターンが考えられます。
・5声でヴォイシングする
・ダブルリードにする
つまりtopのオクターブ下でメロディをユニゾンで作るか、同度でもう一本ユニゾンを作るか、等です。トランペット2本なのか、トランペットとサックスなのかでも音色で雰囲気が違うのでそれこそ経験値の多い方にはかないません。
こうすることによってメロディが豊かになりますし、音楽の輪郭がはっきりします。特に厚みの出る雰囲気は、盛り上がりの箇所などで効果的です(全体が4声になる場合は、基本的なヴォイシングスタンスは崩さない)。
とにかく私は和声には詳しくないので、ユニゾンで音楽を作る、という思考で5声のようなヴォイシングで表現する音楽は作らない、ぐらいの嗜好をもってやっています笑
<スケールノートヴォイシング>
ペンタトニック的
ダイアトニック的
一つの手法として、トップのメロディがある特定のスケールのニュアンスを示す場合、そのスケールトーンでヴォイシングをするという方法があります。
上記音源ですと、ペンタトニックのヴォイシングは明るく、ダイアトニックはAmキーでE7が入ってきてるので陰りがあります。今音楽がどんな感じを満たしたいかで分けていけばいいですね。
ホールトーン、ディミニッシュなどの特徴的なリードの流れでもスケールトーン中心のヴォイシングはスリル満点です。
<4thビルド>
いよいよ沼に首まで入っていることに気がついてください。
こちらなどでも述べていますが、厳密に四度だけでは調性を程よく維持するのが難しいので、適宜三度を入れ、調性感(IIm7-IIm7、IV-V連続等)や調的重力(主和音感、IV感、V7感)を作りながらヴォイシングしてゆきます。
四度ヴォイシングはとにかく中間色です。映画「千と千尋」のような明るくも暗くもない、あんな雰囲気です。日本人が感じると、少し和の要素もあります。
<ハイブリッド/アッパーストラクチャービルド>
この辺になるとルール自体が混沌としてくるため、ここは何ヴォイシング、ここは何テクニックと考えるよりも不定調性論的思考で作っていったほうが自由で楽ではあります。
<クラスター>
ピアノならトップのAに対して白鍵を肘や両手の平を駆使して弾けば、楽に弾けます。
クラスター=ぶどうの房、的にご理解ください。これを五声ぐらいでやると調性感も残り、時に効果的です。
調を持たせなくても良いなら黒鍵も使います。
Hiromi - Timeout piano solo - YouTube
上原ひろみライブ映像(youtubeでご覧ください)のように、ソロの後半で肘を打ち付けるのはクライマックス感があり、見ていて気持ちがいいです笑。「クライマックス感」というクオリアを与えてくれます。
絶対モーツァルトとか即興演奏でふざけて肘で弾いたりしてなかったのかな笑。やってそうですよね。お尻で弾いていそうだ、そしてちゃんと弾けそう笑。
クラスター自体は現代音楽の文脈から確立されました。
アメリカの現代作曲家、ヘンリー・カウエルが発明した作曲技法、と学びました。
このクラスター演奏はその響きを求めて、というより、下記のようなの弾き方の仕草にある種の禁忌感のクオリアがあるからだと思っています。
見ていて明らかな貪欲な表現欲求の体現ともいえるような"作曲家の気持ち"を見て取れるからです。
同曲は、まるで工場の心臓部の機械音のような、まるでピアノを動かす機械の鼓動音のような不気味さ、荘重さ、を作り出します。
ホールで聴くとなおさらよく響くでしょうね。
ヴォイシングのまとめに、何も考えずバークリー講師のライティング、エディティングの下記のような動画を見ましょう。
自分でもやってみたい!!と思った方は、やるべきだと思います。
やっぱりDigital Performerなんですね。
<参照>