fabfilter ProC2
今日のお題はこれ。
コンプレッサーとして初心者が使うに十分な使いやすさ、反応の良さ、クオリティの高さを持っていると思います。
特にコンプは最初の頃は
「コンプかけすぎだよ」
と一度言われないとわからないくらいわかりづらいエフェクターです。
まずはボーカルトラックで使ってみることをお勧めします。
いつもこんな設定からボーカルトラックを使っています。
中央の「style」でvocalを選び、カーブを少し緩やかにして、アタックを0、右上gainを少しあげ(原音のヴォリューム自体をあげる)、任意でreleaseを調整します。
本当に聞き分けができるようになったのは、半年ぐらい使い倒してからです。なんとなく「圧」の変化がわかるようになりました。
なぜこの設定なのか
Threshold...ボーカルの声をどのくらい押しつぶすか、なのですが、このカーブがきついと音がふやけます。くっきりはっきり安定するのですが、伸びたラーメンのようなボリュームだけゴワッとあって聞いていて疲れるし、ダイナミクスがなくなり、危うさとか、繊細さが失われます。私はなるべく自然な感じが好きなので、少しカーブがつく程度です。
このプラグインの良いところは、押しつぶした感じと持ち上げた感じが目で見てわかることです。
ハードのみの波形が見られないプラグインはこれがわかりません。判断する耳もないのに、なんでコンプが扱えるでしょうか?
こうして視覚的にどのくらい持ち上がっているかがわかると初心者でもイメージ湧くんです(上記は誤ってstyle「clean」設定の画像でした..)。
ATTACK...音の立ち上がりの早さです。ボーカルを目立たせるには0(メモリ数値は0.005ミリセカンド)でいいと思います。
例えば、バラードとかで十分声が埋もれない曲の場合は、多少緩やかにしても良いと思います。しかしこのアタックも最初は聞き分けられません(1/1000が聞き分けられるようになるまでしばらくかかります=半分は錯覚かも笑)。上げれば上がるほどソフトな音の印象になる、という目安で、ロックなら0.005、ミドルテンポ曲なら0.05、バラードなら0.1などと、最初は自分で設定してミックスしてみてください。
RELEASE...これもATTACKと同じ考え方です。どちらかというとRELEASEの方がオケに左右されるかもしれません。オケが目立っているとボーカルの消えが早く印象が薄くなりますので、オケがガー!!!っときている場合は、リリースを伸ばして、ボーカルの圧を保っておいた方が全体が安定する場合があります。
これも非常にわかりづらいので最初は感覚でやっていくしかありません。こうなったらOKという目安はなかなかありません。
GAIN...単に音量を上げます。明らかにこれによって聴きやすくなるので、上手に活用してください。スレッショルドによってある程度持ち上がると、全体の感じが分離しすぎたり、前に出過ぎたりして見当がつかなくなります。その場合には、設定はいじらず、このGAINで上げ下げすれば、設定は保ったままバランスを作れます。
「あATTACKが早いな、」なんて思える人だけ各ツマミでいじってください笑。
納期仕事で試している余裕はない
もちろん様々なプラグインを試したり、様々な全数値を検証して最高のミックスを目指すでしょうが、最初はそういう余裕はないと思います。
故に最初のミックスは下手くそなのです。いろんなプラグインを立ち上げて取っ替え引っ替えしているうちに耳がわからなくなり、その日のミックスができなくなります。
だから最初は、1曲100円!などという感じでどんどん数をこなしていくほうが良いです。そのスピード感の中でミックスのスキルもつけていかないと疲れてしまいます。
私は先生方の授業作品などを積極的にミックスさせていただき(無償で)、だいぶ勉強になりました。小さな音楽スクールや専門校に入り込んでそうした仕事を受け持つ、というのも上達の早道です。
最初は1曲1日かかるかもしれません。あなたが専門のエンジニアならそれでもいいですが、兼業ですとなかなかそれでは厳しいです、だからとにかく素早く作り込んでいくように工夫しましょう。
あとはあらかじめ「四月になったら価格上げます(ミックスがうまくなったら価格上げるよの意)」とどこかで宣言しておけばOKです。
コンプの効き、についてはある程度耳が変化になれないとなかなか聞き分けられません。鉄棒の逆上がりと同じで、しばらくやってみて、どこの加減をどうすればいいのかを体が掴むまではわからないのです。
気に入った設定は保存しておきましょう。これで20秒ほど短縮できます。
時は金なり、私もまだ浪費しているほうので人のことは言えません。
こんな感じでボーカルへのコンプで感覚を掴んだら各種楽器のコンプもわかってきます。
とにかく最初は目で見てわかるプラグインをお勧めします。
お試しあれ!